ドラマティック オール “BXXS”
【???】
――飽きてしまった。 ナニもかも全て。
欲しいものは全て手に入ったし、金も必要ない。 女も下界から拾ってきてヤ◯捨てられる。
なぜなら我は――“神”だから。
――ピクッ……ピクピクッ!
女が痙攣している。 鼻に付く淫靡な臭い。
どちらが“悪魔”をしているのだろうか。
「はぁ……飽きた。 なにもかも全て――」
無数に地に伏せ、ピクピクと美しい裸体を揺らせる女どもを冷たい目で見て、我は嘆く――
「あぁ――我を――“KXXL”してくれ」
と――
【???】
「そろそろ仕掛けますか? “女王様”」
「フフッ! そうね……◯してあげましょう」
「遂にその言葉が聴ける時が来るとは……」
「フフッ! そうね、長かったものね?」
「えぇ……ワタクシもだいぶ年を重ねました」
「冗談はおよしなさい? フフッ!」
少しだけ渋くなった気がする執事の顔を見詰めながら、私は気分よく微笑んでいた。
「“アレ等”はやり過ぎました……」
黒いタキシード姿の執事は白い手袋を自分の顎にそえながら、しみじみと考える素振りを見せていた。 そんな光景を見つつ、私もしみじみ感じる事があった。
「ふっ……“あなた”はすっかり大人しくなった」
「あッ!? いや……あの、まぁ……アハハ……」
「ウフフッ! まあいいわ。 話を戻しましょ」
「は、はい……女王様」
今はすぐに切り替えられる私の執事。 でも昔は本当になにも出来なかった。 命じた事も、ろくにこなせず、失敗ばかりを繰り返していたのに、今じゃもう――その影も霞んで見えてくる。
「さて……“戦争”よ。 それも“大”を超えて……」
「ま……まさかッ?!」
「にひぃ……!! そう、“超絶”」
「――がはッ!? げほっ、ゲホッ、んぐっ!」
「ククククッ……そう、“終わらせるのよ”」
「!!!」
「なにもかも……まっさらに」
そう、私は“地獄の女王様”――
調子にのった“神”を“KXXL”するもの――
「さあ、準備して。 なにか嫌な予感がするの」
「“嫌な予感”ですか?」
「そう……なんと言うか、“禍禍しいナニカ”」
「ふむ……」
「まぁ、いいわ? 忘れて?」
「は……はぁ」
執事はすッ――と私の側から離れた。
残ったのは私だけ――
「“敵”が増えたなこれは」
確かに感じたあの凄まじい波長。 全て破壊して噛み◯すと言わんばかりのパワー。 それに邪な考えだけ構成され、片寄った悪い悪い思いの塊。
「厄介な事になりそうだ」
椅子に座りながら私は暫く作戦を練っていた。




