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考えるんじゃない……やっぱり“考えろ”ッ!!

【“女王”――“降臨”】


「――“女王”」


(ボウ)が青ざめた顔をしている。 ボロボロの袈裟がパラパラと――ちぎれ落ちていく。


女王の圧倒的なる禍禍しい深紅と、漆黒がまざるオーラに、遂にボロボロの袈裟は崩壊していく。


「あぁ……“神”との“合い子”か」


「ッ――ッ?!」


暴は自分の唇を噛んでいた。 悪魔と神の禁断の子。 それが暴だった。


「ふふっ……“ここにも”いるけどね?」


「は……?」


女王は俺の方へ指を指してそういった。 何故だか本当に良くない気がしてならない。


「お前も“神”――そして“我々”の“加護”がある」


その女王の言葉――間違いなく“危ない”ものだった。 二柱の神――そしてそこに“いる”悪魔。


「お前の中には“二つの意志”が宿っている」


「……」


「ひとつは“神を殺す”強い意志――」


「あぁ……」


「もうひとつは――“我々の復讐”だ」


「まて……よくわからん」


(二つの意志? よくわからん……前半はわかる)


しかし――“我々の意志”? 理解に困った。


「ふふっ……簡単だ。 “利害”は“一致”してる」


「神を殺すためにお前を殺した“神の存在”」


「そして……死にかけたお前を“救った我々”」


「どちらも――“同じ想い”だろう?」


「――ふははッ!? まぁ……そうだな」


目的はひとつだけ。 ただひとつ……神を――


全て滅ぼし――ALL KXXL するだけ。


「“ヨク”――“暴”――お前達もソロソロだろう?」


女王はニヒルな笑みを浮かべながら、悪魔共にそういった。 “大戦争”――そのフレーズが俺の脳内に溢れていく。 同時に、最近思った事もない、最高の興奮が芽生えていた。


悪魔共「……」


「いつまでそうしている?」


「こんな“日の射さぬ臭い汚れた世界”で」


「“昔のお前”はどうした」


「グッ――っ?!」


ヨクが苦しそうな声をあげた。 美しい純白な顔が更に青白く染まっていく。 白くて美しい短めの髪は自身の驚きでビリビリと電撃が走ったように揺れ動いていく――


「“欲望”のまま、“ヤッて殺って”、“ヤった”」


「ふふっ……お前はそのまま“下に沈み”――」


「ワタシは“上にあがった”」


「……」


ヨクは顔を下に向け、俯いていた。


「もういいだろう。 “顔を上げろ”」


「……?」


女王のその言葉にはてなマークを浮かべ、女王へ顔を向けたヨク。 よく分かっていない様子で。


「“見る”のは“ワタシ”じゃないだろう?」


深紅の禍禍しいドレスがバサバサと揺れる。


そして――女王は自分の左手を上にかざす。


「お前が“見上げる”のは“ココ”だろう?」


女王は空に向けそんな事をいった。 不自然なほど、青く青く、雲ひとつない創られた空を。


「ぐぅ……ッ?!」


ヨクは俺の腕にグッと力を込めて抱き締める。

――泣きそうになりながら、驚愕しながら。


……プルプルと震えているのがわかった。


「そろそろ“仕掛ける”ぞ」


「“大”――“戦争”を」


「――あ″ッ?!」


その言葉を聞いた俺達は驚愕した。 薄暗い街の裏に溢れる青い空は――コゴゴ……と音をたてて。


「さぁ――始まりだ。 “神を喰らう物語”の」


赤紫色の――“本当の地獄”のような空へと。


変わっていた。




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