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攻撃魔法が使えない騎士の何が悪い  作者: リプチー
ユグドラシル調査
2/19

過去の戦争2

帝国本陣

「バカかお前は!!」

ガタイのいい老騎士が青年を怒鳴り付けている

「っせえわジジイ少しは黙るって事をしらない...」

老騎士の拳が青年の脳天に直撃する

「いってえ!」

「お前はそれでも騎士か!。敵を目前にして逃走とは、お前に誇りはないのか!!」

「ないわそんなの。だいいちお前が勝手に俺を騎士団に紹介したんだろうが」

「俺はお前をそんな風に育てた覚えはないぞ!」

「誰もお前を親だなんて思ってないが?」

どこまでも眠そうな目をこする青年に、老騎士は真面目に説教をしていたが、これ以上は無意味だと感じたのか、深いため息を吐く

「続きは帰ってからだ。今は戦線に戻れ」

「はいはい。分かりましたよ」

青年は老騎士の話を流して、テントを出ていこうとし、入り口で駆け込んで来た兵士とすれ違って躓く

「第二防衛線が突破されました!。残りは第三防衛線のみです」

兵士は、慌てた様子で老騎士に状況を報告する

「何だと!?。つい数分前に第一防衛線が突破されたばかりだろう!」

「それが、前線の天候が悪く奇襲部隊に気づくことが出来なかったために、大きな損害が出ています」

「くっ」

老騎士は後ろにあるテーブルから水晶玉を取ると、それに向かって叫ぶ

「総員に告げる。至急第一防衛線に帰還せよ!」

老騎士は剣を取ると、テントの入り口に向かって歩きだす

「いいのか爺さん?。来る前に腰がどうとかって言ってたろ」

「今はそれどころではない!。このままでは軍が壊滅するのも時間の問題だ。陛下のためならば、この命惜しくもないわ!」

「ったく。分かった、爺さんは残れ。俺がやる」

「はあ?」

「何だよ。不満かよ。爺さんなら分かるだろ」

「.....仕方ないか。頼んだ」

「はいはーい」

「死ぬなよ」

「誰仕込みの戦闘技術だよ。自分の技術も信じられないようじゃ、俺より早くしぬぜ?.....あっ、ごめん確実に俺より先に死ぬか」

「お前ええええええ!」

老騎士が剣を抜いて、青年に飛びかかろうとするのを、周りの兵士が必死に止めにかかる

「おお怖い怖い。そんじゃ、行ってくるわ」

青年がテントを出ていくと、老騎士は剣を地面に置き、椅子に座る

「相変わらず減らず口ですね」

兵士が老騎士に話しかける

「はははっ!。全くだな」

老騎士は豪快に笑う

「昔からちっとも変わっとらん」

「にしても、孤児院暮らしの子どもが騎士になるなんて、初めに聞いたときは驚きましたよ」

「しかしどうだ。立派なもんだろう」

「はい。流石は団長です」

「そうだろう。当然のことだが、もっと誉めてくれても構わんぞ。ワハハハハハハ」

テントからは老騎士の豪快な笑い声が響く

第一防衛戦線

「一人も通すな!!我々で食い止めるんだ!」

兵士達は敵の奇襲部隊からの攻撃に必死で抵抗しているが、戦況は押されるばかりである

「よう、皆の衆。生きてるかー?」

「ルキアさん!!」

「皆、ルキアさんが来たぞ!。我々の反撃はここからだ!」

「まあまあ、そんな期待するなって」

ルキアと呼ばれた青年は首をならすと、持っていた大剣を鞘から抜く

「さあ行くぞ。総員、俺に続け!」

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