折り返し地点
精霊の魔法支援を受けた二人は、それまでの進行が嘘のようにユグドラシルを登っていく
樹皮に触れるを避け、空を歩くように巨大なうろの中を進む
15階層に到達すると、いくつかのテントを張って騎士達が休息していた
「おい。新人が来たぞ」
「嘘だろ?。まだ他の奴らが全然来てないってのに」
「おいおい。忘れるなよ。そいつらはシドさんに育てられた化け物とエルシオ家の御曹司だぞ」
「何だって?。あの新人共、もう青の騎士になったのか?」
騎士達が話しているのを横目に、二人は次の階層へと向かう
「そんじゃ、ノロマの騎士さん。おっさきにー」
「ルキア!........すみません。先輩方、それでは失礼します」
「.......嘘だろ」
「エルシオの方だろ。女王陛下公認のA級魔術師なんだ」
「ストームカッターを移動手段にしてるだと」
本来攻撃魔法として使われる『ストームカッター』を使って空を走る二人の姿は、騎士から見たら異様な光景でしかなかった
「ふー。他の騎士様達も結局あの程度かー」
「ルキア。発言には気をつけて下さい。彼らは僕らの先輩なんですから」
「へいへい。分かってる」
「本当に分かっているんですか?」
ルキアはレイスの言葉を聞かず鼻歌を歌いながら進んでいく
「全く」




