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攻撃魔法が使えない騎士の何が悪い  作者: リプチー
ユグドラシル調査
17/19

巨大蟹の恐怖2

落下していくルキアを風が押し上げる


「うおっと。あ、危ねぇ」

「相変わらず全線で死ぬ兵士道まっしぐらですね?」


ルキアが下を見下ろすと、地面で魔導書を浮かせながら魔法の詠唱をするレイスの姿があった


「レイス、助かったぜ」

「樹木蟹ですか。またずいぶんと厄介なのを出してくれましたね」

「こっちだって好きでやってんじゃねえんだよ!」

「分かってますよ。悪気は無いのに余計な事ばかりする天才ですしね」

「馬鹿にしてんのか!」


ルキアを挑発しながらも、レイスは次の魔法の詠唱を開始する


「風精よ 舞え」


魔導書から風が巻き起こり、刃形になって飛ぶ

風の刃は分散して樹木蟹の関節を切り裂き、甲殻を削っていく


「ルキア。樹木蟹の甲殻は剣を通しませんが、関節の甲殻は柔らかいです」

「それで俺にどうしろと!?」

「取り敢えずその剣繋いで下さい」

「それなら任せろ」

「直したらすぐに攻撃に戻ってもらいますよ」

「ふっっざけるなああああい!」


ルキアは絶叫しながら壁に跳ぶ

足が壁に着地したと同時に、地面に向けて壁を蹴る

樹木蟹は、風の刃を払いのけるとすぐに樹の中に潜っていく


「また隠れやがっーー」


目の前の樹皮がめくれあがり、壁の中から巨大なハサミが現れる


「嘘だろおい!?」


ルキアは咄嗟に持っていた剣の柄を投げつける。

ハサミに剣が直撃すると、蟹は剣を掴んで壁に何度も叩き付ける


「そっちは囮だよ馬鹿が!」


床に着地すると、屈みながら剣の欠片を回収しすぐに魔法を発動する


「赤く 熱せよ 引き寄せよ!」


樹木蟹のハサミに掴まれていた剣の柄が、ハサミから抜け出て刃の欠片の元に戻る。一瞬で砕けた剣の境目が真っ赤に燃え上がり、元の形を取り戻す


「っしゃあ!修復完了」

「ルキア、右のハサミです!」

「任せろ!」


ルキアは剣を握り直すと、飛び出たハサミの付け根に向かって剣を投げる

剣は見事にハサミと壁の間の関節に突き刺さる

蟹は痛みのあまり樹に潜ろうとするが、剣がつっかえてハサミが樹の中に戻らない


「食らえや!」


壁に向かって床を蹴り、その勢いで壁を昇るように走る

剣の元にたどり着くと、柄を勢いのまま押し込んでハサミを貫いて切り離す

蟹の切り口から溢れ出た血液が床を濡らす


「いい調子です!ルキア」

「おう!当然だ」


ルキアは、片手で大剣を回して見せる


「反撃の時間だぜ?」

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