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簡単すぎる木登り3
ユグドラシル第六階層中間地点
「走ってもこれかよ」
「仕方ないじゃないですか。ユグドラシルもそう易く人間を受け入れてくれませんよ」
「わかってるけど。でもこんな高くする必要あるか」
「こうでもしないと魔力を維持できないんですよ」
レイスが言うには、問題は第八と第九階層らしいが、疲労がたまってきているルキアにはここまでの道のりも充分苦痛なのだ
「日頃から運動をしないからですよ」
「ジジイの訓練を運動じゃないと!」
「あ、それがありましたか」
「お前!」
ルキアはレイスの発言にいちいち反応しながら進んでいく
それが疲労の原因なのだということに気づかないルキアにレイスは呆れる
「ってか、もうここ第七じゃないか?」
「はい。第六と第七階層は走れば一分くらいで抜けられます」
「お前のその頭どうなってんだよ。計算速すぎるだろが」
「あなたが馬鹿なだけでは?」
「寝言は寝て言え!それは絶対ねえから」
「自覚ないんですか?」
「その目を止めろって言ってんだろうが!」
現在 ユグドラシル第七階層中間地点
目的地まで残り二十三層




