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攻撃魔法が使えない騎士の何が悪い  作者: リプチー
ユグドラシル調査
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ユグドラシル内部

ユグドラシルの内部は、外側から見た焦げ茶色の外皮に覆われた姿ではなく鮮やかな狐色の樹皮をしていて、その巨大な空洞の中を緑色の球体の形をしたマナ(魔力結晶)が妖精のように舞っていた

「なんだよこれ」

「世界の命を維持するもの。これがユグドラシルです」

レイスが横で自慢気に教えてくる

「いやそれは分かってるわ。俺が聞いてるのはこのマナの数だよ」

「ユグドラシルは魔力自分を作り出す力を持ちますが、その魔力を溜め込む為の魔導ウロが非常に少ないんです。大きさを妖精の森の木と同じと考えるとにの魔導ウロの数に比べて、その4/1なんです」

「あー。つまり?」

「ユグドラシルは魔力を蓄積することが難しいので、魔力を外側ではなく内側で作り、この空洞に溜めているということです。ユグドラシルの層の幅が平均四十三キロメートル以上あるのはそのためという説もあるくらいですから」

「なるほどな。全く分からん」

「本当にココ入ってるんですか?」

首をかしげるルキアを見ながら、レイスは自分の頭を指で軽くつつく

「ほっとけ」

「まあ、立ち話をしてると遅れを取りますし、登りながら話しますよ」

「器用だなあ?」

「勿論ルキアに合わせてもらう形になってしまいますが」

「だろうな」

ルキアは呆れたように肩をすくめると、ユグドラシに触れる

《リクレイション》(複製)

樹皮が柔らかく変形し、上に向かって、階段のように広がっていく

「これは.....」

「これでも俺がお前に合わせなきゃならないと?」

「い、いえ」

「そもそも誰が地道にクライミングするって言ったよ。歩くに決まってんだろそんなめんどくさい」

ルキアはにやつきながらレイスをバカにするようにそう言う

「ふっ、まさかの発想で驚きましたよ。恐れ入ります」

レイスはルキアの煽りを苦笑して流すと、先を行く彼を追う

「急げよ相棒。置いてくぞー」

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