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ロストクラウン  作者: 柿の木
第四章
93/175

22、寝てか覚めてか




 ああ、目が覚めましたか。


 良かった。

 どうです、具合は?

 いえ、答えなくて、大丈夫です。

 と言うか、答えられないですよね。

 無理もないです。

 三日、いえもう四日ですか。

 ずっと、眠っていましたから。

 それに自分で言うのも何ですが、私の薬も副作用が酷いと思いますし。

 まだ、研究段階ですよ?

 思わぬ臨床試験になってしまいましたね。

 でもあのまま死んでしまうよりは、良かったでしょう?

 すみません。

 私のせいなのに、不謹慎でしたね。

 それにしてもお弟子さん、リーゼさんでしたか。

 研究所に引き抜きたいくらいですね。

 私より先に、穢竜(えりょう)の毒に思い当たるなんて。

 穢竜の毒ですよ?

 あれ、あまり驚きませんか。

 私は、驚きましたけどね。

 お弟子さん、以前貴方がした解毒薬の話を憶えていたんだそうですよ。

 必要な材料もかなりありましたけど、皆さん驚くほど協力して下さって。

 間に合わないかと焦りましたが、素晴らしい連携でした。

 大切にされていますね、貴方は。

 助けることが出来て、ほっとしましたよ。

 こうして目を覚まされたのなら、もう、大丈夫でしょう。

 どうかしました? 

 ああ、いいえ。

 そうですね、もう少し寝ていた方が良い。

 首都に帰る前に、お話出来て、良かったです。


 フィル・ラーティアさん。

 貴方に逢えて、本当に良かった。


 さて、感動の目覚めは、お弟子さんに譲らないと怒られてしまいますね。

 どうか、夢として、忘れて下さい。

 おやすみなさい、フィルさん。

 またいつか必ず、お逢いしましょう。







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