スーパーとヒロイン
本日2つ目の投稿でーす!どうぞー。
………………。
それから数時間、気づいたら太陽がのぼっていた。
それをぼーっと相坂は眺め。
「そっか、俺は朝までないていたのか。
とゆっくりと呟いた。
「……どっかで、シャワー浴びよ。」
疲れた足取りで自分の家から歩いて2、3分の家に上がりこんだ。
中にゾンビは居なかった。念のため鍵を閉めて、リビングに荷物を置きそれから風呂場に向かった。
脱衣所で制服を脱ぎ風呂場に入った。鏡で自分の顔を見てみると、ひどく泣き腫らした自分の顔があった。
「ははっ、ひでえ顔だなーおい。」
自分の顔を見て笑ったがその顔もひどく引きつってやつれた物だった。
シャワーだけにしようと思っていたが疲れを取りたかったので相坂は風呂に栓をしてお湯を入れ始めた。
その間、髪の毛や体にこびり付いたあかや血を洗い流した。久々に自分の体を洗いずいぶんスッキリした。
「少しは落ち着けたかな……。」
体だけではなく心も多少は軽くなった気がしていた。
風呂が沸き、ゆっくりとつかる。
「んーあーー、あーーーこりゃいいやーー。」
こちらも久々なお風呂。相坂は体の疲れがお湯に溶けていくような感覚だった。
「極楽、極楽ってかー。」
のんきにそんな事を言えるぐらいはメンタルも回復した。
風呂に入ってる間に念入りに足や腕をマッサージする。筋肉痛になってからでは遅いからだ。
「ふーー。まあ筋肉痛もすぐ収まりそうな気するけどな。」
体が遥かに強化されているのでたぶん治癒能力も高まっているだろうという考えだった。
たがそれでも念には念をという事でこうしてマッサージをする。
その後もしっかりとお風呂につかり疲れをとって風呂場から出た。
脱衣所で置いてあったバスタオルでしっかりと体を拭き、ドライヤーで髪の毛を乾かした。
元々相坂の髪の毛は長くは無かったが今では耳が隠れ、首の半分位の長さになってしまっていた。
「女子って髪の毛乾かすの面倒なんだな。長いと乾きにくい。」
中々乾かない髪の毛にイライラしてる時にふとある事に気がついた。
「あっ、そーいや電気は普通に使えるんだな。」
まだ電気が止まっていないのは助かる。だが、それも時間の問題だと相坂は考えた。
(この騒動の規模がデカけりゃすぐに電気は消えるな。そしたら冷蔵庫とか使えないだろうから色々面倒だなー。)
そんな事を思っているうちに髪の毛がだいたい乾いた。
腰にバスタオルを巻き、リビングに入りバックの中の着替えを取り出した。
上は黒のインナーに半袖のピンク色のYシャツ。
下は動きやすい素材のズボンを選んだ。
靴も軽くて動きやすい運動靴に履き替えている。
ぐーっ。
着替えが終わるなり相坂の腹が鳴った。
「そいや俺、なんだかんだまだなんも口にしてない……。」
そう言うがすぐに食事の準備を始める。普通は量を気にするのだが今回はなにせ久し振りの食事なので、量は多めだ。
メニューはカップラーメン、レンジで温めるごはん、そして豆の缶詰めとホールトマトの缶だ。
豆の缶詰めにホールトマトをいれて、台所にある香辛料で味付けをしたらチリビーンズの完成だ。
(生の食材は今後手に入れるか。)
と考えながらお湯を沸かした。お湯を沸かしている間にチンしたごはんとチリビーンズを先に食べる。
「いただきます。」
箸は自分家から持ってきたものだ。
まずはチリビーンズから食べてみる。
「んっ、意外とうまいな。」
香辛料がいい感じに食欲をそそる。
そのままパクパク食べていき、半分くらいになるとお湯が沸騰した。
沸騰したお湯をカップラーメンに注いだ。タイマーは無かったので時計で2分はかることにした。
相坂は麺が固めの方が好きなのだ。
その間に猛烈な勢いでチリビーンズとご飯を一緒にかきこんでいき、2分もたたないうちに食べ終えてしまった。
「ふー、うまかった。さてと…そろそろこっちもいいかなー?」
蓋をめくり、熱々のカップラーメンをすすった。
「ふぁっふぁっ、あ、熱っ!けどうまいなー。」
久し振りの食事はどれもとても美味しかった。
カップラーメンも完食した後、容器を軽く洗いビニール袋に放り込みゴミ捨て場に捨てに行った。
誰も居ないからといって家をよごしっぱなしにするのを躊躇われたからだ。
相坂な腹ごなしの運動として腕立てや腹筋もした。
腹いっぱいの状態で急に動いたりしたら腹を痛めて本来の動きができないと考えたからだった。
そうしていくうちに完璧に朝となり、家を出て行く事にした。
その前に家で食料や使えそうな物を持っていく事にした。
キッチンに行くと粗方の保存食は無くなっていた。
(まあ、だろうと思ったけど。むしろ本命はこっちだし。)
相坂は台所の棚を片っ端から開けてお目当ての物を探した。
「おっ、あったあった。」
相坂のお目当ての物は包丁だった。
今使っている物は刃こぼれが激しくもうほとんど使い物にならなかった。
(へー。中々良い物があるんだな。つか今使ってるのは研究所の食堂にあった安物だからしゃーないか。)
切れ味の良さそうな包丁を2本チョイスし、包帯でぐるぐるに巻き同じように腰に下げた。
「斧もどーすっかなー。邪魔だし1本にしよっかなー。」
斧は剥き出しのまま手に持って行動してるので正直邪魔になっていた。
「もういらん武器は次に投げてゾンビにぶち当てればいっか。」
という結論に結局達し、次に風呂場からシャンプーとボディーソープを取った。
(まあ念のためだ、念のため。バックにも余裕はあるし。食料はスーパーに行きゃあるだろうし、まずはスーパーだな。)
と今後の行き先を決め、家を出て行った。
道中。ゾンビを大量に見かけたがとりあえずスルーした。
(手も塞がってるし後で掃除しますか。)
と考えながら歩いているとスーパーに到着した。スーパーは3階建てで、1階に食料や日用品、2階に洋服、3階は家電といった感じの作りになっている。
相坂も昔、よくここを利用していた。
「ふー、とりあえず荷物置こ。包丁と斧だけで充分だな。」
そう言って。バックと鉄棒を置いて、相坂が装備しているのは新しい包丁と古い包丁が2本ずつ、そして手に2本の斧だ、
中に入り、辺りに目を配る
(1階にはゾンビはざっと15体かー。多いなー。シャッターがあるならここを閉めた方がいいな。)
そんな事を考えながらゆっくりとゾンビが居るであろうエリアに行った。
相坂が気配を感じ取ったところにはゾンビが8体居た。
「イライラ溜まってるんでなー…悪いけど速攻で終わらせる!」
そう叫び、手に持ってある2本の斧を思いっきり投げた。
ズサッ!ズサッ!
と脳天に斧が突き刺さりゾンビが絶命する。その時に脳天から出た血が食品が陳列している棚にかかってしまった。
(あんまり血を出して食品をダメにしたくないな。ちょっとめんどいがしゃーない。)
と古びた包丁2本を取り出しゾンビに急接近した。
(接近戦で食品に血がいかないよう始末してやらー‼︎)
相坂はゾンビの大股5歩手前で思いっきり踏み切りをしジャンプした。
長い滞空時間の間に相坂は思いっきり足を下げて、ゾンビの上空から首目掛けて足を叩き込んだ。
「うっっっらあ‼︎」
ゾンビは地面に叩き込まれた。血は出ているが大した量ではない。
クルッと空中で一回転し、ゾンビの横に着地。首に包丁の柄をくらわせ完璧に絶命させた。
(こうなるんだったら棒持ってくれば良かったな。何か代わりの物はないかなー。)
そう思いあたりをキョロキョロすると日用品コーナにある洗濯竿が目に入った。
「これ使ってみっか。」
そう言って洗濯竿を手に持ち変え、構えた。
(ここは高さはあるが、横はあんまり余裕ないな……。横に振り回しちゃ貴重な物資が傷つくか。そんなら…。)
しっかりと今の状況を判断し、相坂は再びジャンプした。
だが今回は前回より大きくジャンプし、ゾンビの後ろから思いっきり竿で打撃を加えた。
着地をし、攻撃を加えたゾンビを見ながら自分の後方にいるゾンビに向かって竿を突き出す。
その勢いを使って前方のゾンビに更にキツイ突きをおみまいする。
そのままひたすらゾンビの至る所を突きまくった。
ゾンビがダメージに耐えられず、態勢が崩れたスキに脳天におもいっきり竿を叩きつけた。
グシャッ!
という嫌な音がし、ゾンビの頭蓋骨はペシャンコになった。
(くそッ!めんどくさい!もうやっぱいいや。)
結局、竿を思いっきり槍投げの感覚で投擲し、いつかと同じようにゾンビを3体串刺しにした。
串刺しのゾンビに向かい走り、再びジャンプした。左手には包丁1本、右手には包丁2本持っていた。
右手の1本の包丁を最初のゾンビの脳天に突き刺し、包丁の柄をグルリと捻り、それと一緒に自分もグルリと体の向きを変えた。
「あらっ…よっと。」
そのまま左手の包丁を同じように2番目のゾンビの脳天に突き刺し、同じように柄をグルリと捻り、再び自分の体の向きを変えた。
3体目も同じく、右手のもう1本の包丁を脳天に突き刺した。
「ほっ、よっと。」
着地して後ろをみると見事に脳天に包丁が刺さり死んでいるゾンビが3体いた。
「ふー…なんか楽しかったな……。よしあと2体はこれ1本で大丈夫かな。」
先ほどの家で拝借した1番切れ味が良かった包丁を手に取った。
ダッシュでゾンビに走っていく。
髪を掴み、動けないようにして
ズドッ、ズドッ、ズドッ、ズドッ、ズドッ、ズドッ、ズドッ、ズドッ‼︎
包丁でめった刺しにする。
バッと手を離しめった刺しにされたゾンビを蹴飛ばし最後のゾンビにぶつけた。
そしてゆっくりと倒れているゾンビに向かって歩き、首に包丁を刺してトドメをさした。
血が出たが周りには商品がなかったので心配は無かった。
「ふー、とりあえずこれで一旦は終いか。………ん?こいつ警察官じゃん。」
最後にトドメをさしたゾンビは警察官だった。
警察官だという事がわかり、相坂は警察官の腰に目をやった。
すると…
「………あった…。」
腰にはガンベルトと拳銃があった。
相坂はゆっくりと警察官の腰からガンベルトを取った。
ゆっくりと銃をホルダーから取り出し、手に取ってみる。銃はリボルバーで弾は5弾入れられるものだった。
「やばい、本物だ…。つかうまく使えるかな。」
そういいつつ、銃をいじくってみる。もちろん弾は抜いてある。
「ふむ、トリガーの後ろにゴムがある……。これが安全装置のかわりみたいだな。撃つ時はこれを外してトリガーが引けるのか。」
と、オモチャをいじる子供みたいに相坂は夢中になって銃をいじっていた。
「つか、この人全然撃っていないな…。」
銃弾はほとんど消費されていなかった。
「まあ、ゾンビが急に来てこんなの渡されて市民守れとか言われても無理だわなー。」
ため息をつきながら相坂はガンベルトを自分の腰に着けた。
それから警察官の手荷物を確認し、銃の弾を20発ほど手に入れた。
「こんだけあればまずは大丈夫だろう。」
後ろのポケットに弾をしっかりと入れた。
「………ちょっと試してみるかな。」
といい、相坂は2階に上がっていった。2階にはゾンビが4体居た。
「よし、試し打ちにはもってこいの人数だな。が、その前にと……。」
相坂は1階や3階に続く階段にシャッターを下ろした。途中で余計なゾンビが入らないようにするためだ。
移動はエレベーターがあるから下ろしたところで別に問題ない。
そして銃を握りしめ銃口を下に向けながら移動した。
(どっかで銃は銃口を上か下に向けてトリガーは撃たない時は指をかけないとか書いてあったからな。)
ゾンビを目視できる距離まで来た。
「ふーー。スーー、ハーー。スーー、ハーー。」
ゆっくりと深呼吸をする。
(けど、銃を打つんだったらもう少し近づいた方がいいな。)
こっそりとゾンビに気付かれないよう並んでいる洋服などに隠れながら進んで行った。
そして大体ターゲットから15mくらいの距離でとまり、隠れながら銃口をゾンビの頭に向けた。
息を止め、片目を閉じ、開いている目でしっかりと目標を見る。
ダンッ!
という音が鳴り響き空薬莢がカツーンと落ちた。
弾は見事にゾンビの眉間を貫き、死に追いやった。
(よし!残りもこの距離から狙ってやらあ。)
こっからでも充分狙える距離だった為ゾンビに向けて再び銃口を向け、トリガーに指をかけた。
距離は大体20m
ダンッ!
見事命中。
相坂は小さくガッツポーズをとり、再びゾンビの方に視線を向けた。
(あと2体はお互い結構近くにいるんだな…。連続で撃ってみよっと。)
そう考えて相坂は再び深呼吸をした。
「……よし!」
そう小さく呟き、銃を構える。
ゾンビとの距離は大体25m
連続に打ってもぶれない腕と射撃精度が求められる。
相坂はトリガーを引いた。
ダンッ!
1発目、眉間に命中、成功。
ダンッ!
2発目、若干ずれてしまい鼻の辺りに命中したが絶命したので成功。
初心者にしては相坂は実戦での射撃をなんなくこなした。
(これもこの体のおかげだな。)
そう思い複雑になるが、とりあえず今は殺したゾンビを外に出す事にした。
買い物カートに4体のゾンビを乗せ、エレベーターに向かった。
エレベーターに乗り、1階におりて出口を目指した。
スーパーから出てスーパーの駐車場に死体を放り投げていると、ふと貸しコンテナが大量にある場所が目に入った。
別にそこに貸しコンテナがあるのは相坂はもちろん知っていたのだがその周りが少し騒がしかったからだ。
「………ゾンビがなんであんなコンテナの周りに居るんだ?……あっ!まさか…。」
そう言ってコンテナがある場所に近づいて行った。
すると……。
「やっぱり、この中に人間の匂いがする。…周りのこいつらは匂いに誘われて来たのか。」
ゾンビは呻きながらコンテナをガンガン叩いている。
相坂は腰に下げてある包丁を手にし、ゾンビの群れに近づいき1体、1体首を掻き切って行った。
「ふーー、これでよしと。はーーめんどくさいが中の人を呼ぶか。」
と言い、コンテナの入り口をトントンとノックし、大きな声で…
「すいませーん!周りのゾンビ全員始末したんでもう出て来ても大丈夫ですよー‼︎」
と言った。
すると中にいる人は
「あっ、ありがとうございます‼︎本当に助かりました!……あ、あのすいません今1人なんで安全な場所探してるんですけれども…。」
「あーー…なら今自分が拠点にしているスーパーに来てください。食料もありますし、外に比べれば遥かに安全ですよ。」
最初に答えるのを戸惑ったのは声の主が女だったからだ。相坂は女の人が苦手なのだがまあなんとかなるだろうと思い、来ることを承諾した。
(はー女性かー。女性なのかー。……つかなんか声に聞き覚えが……?気のせいか?)
そんな事を思っているとは中に居る人は露知らず、
「本当ですか⁉︎ありがとうございます‼︎本当に助かります!あっそれなら開けてくれて大丈夫ですよ。」
「あっ、わかりましたー。」
そう言って鍵を開けてコンテナの扉を開けた。
(うわーコンテナの中暗っ!ライト、ライトと。)
そう思い、スマホのライトを起動して中に居る人の安否を確認した。
「……………………………は?」
そして相坂はとんでもない物を見てしまった。
「あっ、まぶしっ!あーすいません本当にありがとうございます。助かりまし……え?」
中に居た女性も相坂を見ると同じようなリアクションをした。
(………おいおい、嘘だろ?冗談キツイぜ。)
そう思うのも無理は無い。
相坂が救出し、今目の前に居る人物は相坂 恭弥の幼馴染であり、現在仲が最悪な、土代 優だったからだ。
すいません!ヒロインちょっとしか出ませんでした汗次は土代目線から今までの経緯を書いていきますんでよろしくです。