ゾンビ遭遇と情報収集
一気に場面飛びます。
「…………………………ッ…。」
「………………………んー。」
「………んーーー………」
「んーーふぁぁー…………あ?」
暗い部屋の中、相坂 恭弥は目を覚ました。
「んーーー、あー寝てたのか……?」
辺り一面真っ暗な部屋、彼はそこにある手術台のようなものに横たわっていた。
「そういや…黒いスーツに捕まって……。ここどこ?」
そう言って彼は起き上がり地面に足を下ろした。
「おっとっと…」
立とうとしたら相坂はフラッとよろけてしまった。
「随分と長い間寝てたのか。さてと……何か情報が欲しいな。」
と言うと相坂はあたりをキョロキョロと見渡して室内の電気をつけるスイッチを探した。
「おっ、あった。」
スイッチは相坂が寝てた台から3m後方にあった。スイッチをつけてみたが…
「あれ?つかない。………あ」
上を見ると電灯が壊れていた。
「しかたない、ライトでも探すしか………」
「ォ゛ォ゛ォ゛………………」
「‼︎⁉︎」
突然響く不気味なうめき声
(なんだ⁈この変な声)
そう思いつつ息を殺しながらいそいでライトを探した。
(つかさっきまで気づかなかったけどこの異臭はなんだ?…あ、あった!よし電気もつくな)
ライトの電源をいれてうめき声が聞こえてくる方に向けた。
(……何もないな。あ、その扉の向こうからか?)
ライトが扉の一部分を照らし扉全体に相坂がライトがを照らすと
「なっ………⁉︎」
扉の一部分ではわからなかったが扉の全体を照らすと血がベッタリとついていた。暗めの扉の色とあいまって不気味さがより一層際立つ。
「グッ、この匂いは血の匂いか。ここはいったいなんだ?」
(それに………………………あの中では何が起きてる?危険だけど調べないと。今は少しでも情報が欲しい。だけど。)
彼は頭では必死に扉に向かおうとしようとしていたが本能では全身に警報を鳴らしていた。
「ハー…ハーー…。」
数分の葛藤の末相坂は扉に向かって歩き始めた。息が荒い。心臓が早鐘ように脈を打っている。
ドアノブに手をかけた。
「ふーー…。」
(落ち着け、俺。平常心を保て。)
自分にそう言い聞かせてドアノブをゆっくりと下げた。
ガチャとドアノブが完全に下がりきり、相坂はゆっくりと扉を押した。
ゆっくりと扉が開き、最初に彼が感じたのはもの凄い血の匂いだった。
「ック…………!」
こみ上げる吐き気を抑えながら相坂はライトを部屋の中に向けた。
すると何か物を食べているような
グチャ、グチャ、グチャ
という音が鳴り響き相坂はゆっくりとその音の方向にライトを向けた。
「なっ……えっ……は?」
そこには彼が想像を絶する物があった、いや元は人だったのだろう何かが人間を食べている。
よくよく見てみると食べられている死体は白衣を着ているが、自分の血で真っ赤に染まっていた。
そしてもっと驚かされたのは食べている何かだ。
目は白く、顔は血まみれで、肌には全く生気が感じられず真っ青、そして何より死体を捕食している何かも腹の大部分が食いちぎられている。
そう捕食している何かも既に死んでいたのだ。
相坂はそれを見てすぐにそれが何かわかった。だが、頭が理解していても決して認めたくはなかった。なにせそれは漫画やゲームでよくみられるようなものだった。そう本来存在しない物、存在してはいけない物。
(………………………ゾンビ)
彼の目の前には間違いなくゾンビと言っていいものが存在していた。
相坂は目の前の行動が衝撃的すぎて頭が一瞬フリーズしてしまった。
ハッと頭が覚醒した時にはゾンビはライトを照らしている先をじっと見ていた。
そう、相坂の事をジッと見ていたのだった。
相坂は逃げ出そうとしたが足が震えて言うことを聞かず、その場で尻餅をついてしまった。
するとゾンビは相坂に向かってゆっくり、ゆっくり近づいてきた。
彼は自分の死を覚悟し目をつむった。彼はただ出来るだけ楽に死にたいと考えてその時を待った。
だがいっこうにその時は来ない。
相坂は薄目を開け、自分の前を見た。が、そこにはゾンビは居なかった。まさかと思って後ろを見てると自分の事を完全にスルーし、先ほどまで相坂が寝てた部屋から出て行った。
(……………助かったのか?ゾンビって人を食わないんじゃないのかよ……。)
だが、現にさっきまでここでゾンビは白衣の男を食べていた。よって彼はすぐにその考えをNOと判断した。
(あーー、くそッ!何が何だか全然わかんねえ‼︎つかまずは情報だ。何か情報を手に入れられる物は……
そうだ、パソコン。この部屋にパソコンは……。)
相坂は立ちか上がり部屋を見回した。その部屋は誰かの自室だったのか、たくさんの本が並べてある大きい本棚、観葉植物が2,3個、そして立派なデスクと椅子がありデスクの上には相坂が探していたパソコンがあった。
(あった!よし後は電源さえ付けば…。)
彼は祈るようにパソコンの電源ボタンを押した。すると画面が明るくなり無事に起動できた。
「おっしゃ!……………」
大きな声を出しガッツポーズをしてしまい、慌ててデスクに隠れて辺りを見てゾンビが来ないか探した。
充分に確認をし、再びパソコンの画面を見てみるとすでにそこはパソコンのホーム画面が写し出されてあった。
(パスワードが無いのは幸いだな。さてどれから見て行くか。適当にアイコンをクリックしていき怪しい物がないか探して行った。するとひとつのアイコンに目が止まった。それは何かのファイルのようで、下にはシークレットと書かれてあった。
(シークレット…………。これは怪しさ満点だな。よし確認するか。)
相坂はシークレットと書かれてあるアイコンをダブルクリックし、起動させた。するとそこには………
[〜アダルトビデオコレクション〜]
「……………は?」
そこには数多くのアダルトビデオのコレクションがあった。ジャンルは痴漢物や強姦物など、かなりSっ気が強い物が多く、このパソコンの持ち主の性癖がよくわかる物だった。
が、攫われ、眠らされ、ゾンビを見て、ゾンビに襲いかけられて、必死に情報を求めていた彼にとってこれは大変不満を持たされた。簡単に言えばブチ切れた。
「っざけやがって‼︎いらんわ!んな情報‼︎‼︎」
ともうゾンビの事などお構いなしに机に向かって拳を叩きつけた。すると
バキャゴッゴッ!と言う音が鳴り響きハッとして自分の手元を見ると拳を叩きつけたあたりが粉々に壊れていた。
「あっ……もろかったのかな?」
それを見て少し冷静さを取り戻した彼はまた画面に視線を戻し、そのファイルを削除して、再び使えそうな情報を求めてパソコンをいじり始めた。
(はーー全くふざけた話だ。紛らわしいからシークレットとか言う名前やめろよ、いやマジで。
つかホント使えそうな情報あんのかよ………………………。
ん?なんだこれ?)
彼はマウスの手を止め娯楽のカテゴリーに入ってあるには不自然なファイルの名前を見た。
「Project Z?」
基本2日に1つ投稿します。