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半分ゾンビな俺のゾンビ殲滅伝記  作者: 紫亜 靡生
第一章〜呪われた体に宿るチート〜
2/8

プロローグ〜誘拐〜

相坂は学校に到着した。


日向高校の校舎は公立の学校の割にはつい最近改装工事が行われていた為、外観は綺麗に見えている。そして校舎の横にはポツンとプレハブの校舎が建っていた。


改装工事中に世話になったプレハブだが相坂本人は改装工事で学校が数ヶ月通わなくて済むはずがプレハブの、しかもさらに小さくなったクラスでの生活を強いられプレハブというものがに本当に嫌になっていた。



ガラガラッ

教室に入る。クラスメイトは入ってきた彼を一瞥するなり、誰も声を掛けたりしない。別に彼も声を掛けられる事を望んで無いので問題はないのだが。


「マジかよ……まだアイツ来てんのかよ…。」


「ホント学校来たくないなら来なきゃいいのにさ。」


「クールぶっちゃってマジキモいんですけど〜。」


否、彼に聞こえるような声で彼の陰口を言っている。だがそんな風に言われていても席に着き頬をついていた彼はボケっとしていた。


(帰りにでも…近所の本屋で漫画の最新刊買おっかな…。)


とそんな事を考えながら終業式までの時間を潰していたところを


「おはよ、相坂君。」


という声で彼は現実に引き戻された


「…………。」


こんな状況で彼に声を掛ける女子は1人しかいない。生徒会長の倉橋(くらはし) (あかね)だ。


(来たな…面倒な会長、さてどうやってあしらおうか…。)


これも彼の日常だ。倉橋はいつも孤立している相坂を心配してよく声をかけたりする。が、相坂にとってはそれはただのいらんお節介であり


「………何かようか?」


とそっけない声で返事をした。


「いや、特に用事があるわけじゃないんだけど……。あっ今日学校来てくれたんだね?よかっ」


「来たら悪いか?」


「えっ?いやそういうわけじゃ…」

戸惑うように答える生徒会長


「じゃあいちいちそんな事を言わなくていい、あと話しかけないでくれ。」

淡々と答えていく相坂。


「あっ……ごめんね、けど今日で当分クラスのみんなと会うこともないから最後の日は来てくれ嬉しいなって思っただけだから。」


「別にお前らはどうせ夏休み中にどっかでじゃれ合うんだろ?俺の知った事じゃないが。」


「それはそうだけど……。あっ相坂君も来る?」


(何を言っているんだこの女…)


普段からクラスを毛嫌いしている彼をクラスの集まりに誘うなんて普通するはずがないから相坂は呆れていた。


もちろん周りも


「ちょっ!茜ちゃんなにやってんのよー」


「おい、あいつ来たらどうする?」


「バーカ行くわけないだろ、あいつと遊ぶとか無理。」


との声があがってきており。


(安心しろ、こっちもてめえらと群れる気はねーよ。)


と心の中で悪態をつき


「行くわけないだろ。」


「けどきっと楽しいと思うよ?」


「興味ない。」


「でも……」


「あのさ………」


しつこく遊びに誘ってくる倉橋にイラつき始めた相坂はギロリと倉橋を睨みつけ


「話しかけんなって言ったよな俺?

何、俺を可哀想なやつに見たてて、救いの手を差し伸べようとして、そんなに自己満に浸りたいの?悪いが俺はそういうのはヘドが出るほど嫌いなんだ。わかったらとっと失せろよ、生徒会長様様。」


と語り、言われた本人は顔を青くして震えている。


「うわっ誘ってやってんのにないわー。」


「つか倉橋さん大丈夫か?あんの野郎調子に乗りやがって」


「だからいつもボッチなんだよ。つかもうほっとこうぜ。」


と周りからの批判の声。


(ったく、誘われても断っても非難されるなんてな…全くもってふざけた連中だ。)


気分をすっかり害した彼は席から立ち自分のカバンをもって教室を出た。


途中担任である教師から


「おい‼︎相坂‼︎‼︎お前どこに行く⁈」と言われたのだが本人は相変わらずスルーした。


(……本屋行くか。)


気を取り直し校門を出て駅にある本屋に向かっていく。すると校門の前にどうみても不釣り合いの黒のM3が止まっていた。


(どこのバカだこんな目立つ車での送迎をしてる親は)


と呆れながら相坂は歩いていく。


一方そのころM3の車内の男は


「ターゲットが学校を出てったぞ?後を追いかけるべきか?

ああわかった。追跡し機を伺って捕獲する。」と無線でのやりとりが行われてたことを相坂は知る由もない。


「よし、漫画ゲット。」


駅にある本屋で彼はお目当ての商品を手にして小さくガッツポーズをとっていた。こういったところは普通の男子高生である。


会計を済まし、さてこれからどうしようと辺りを見渡してみると、先ほど校門の前に止まっていたM3が駅のすぐそばに止まっていた。


(あの車は目立つなー。つか一面スモークガラス張りじゃねーか。ますます目立ってるな。)


と考えつつ、近くにあったカフェに入る。


「いらっしゃいませ。お一人でよろしいでしょうか?」


「はい。」


見ず知らずの相手にても普通に簡単な会話はできる。むしろこんな簡単な会話ができないなら立派な社会不適合者だ。


席に着き、カフェオレを頼み、先ほど買った漫画を読む。漫画をじっくり読む事が好きな相坂は一冊を読むのに30分はかける。しかも手元にはスマホもあるし余裕で2時間は潰せる。そのあとに家に帰ればよい、といったプランを相坂は頭の中で組み立てていた。


そして2時間後、頼んだカフェオレも飲み干し漫画も読み終わり店を出た相坂はこれからどうするか考えた。


(さてと、家に帰るのもいいが成績表を持ってないことがバレたら面倒だし一旦学校に戻って……ん?)


考えてた途中で彼は駅のすぐそばにあるM3を再び見た。


(いくらなんでも同じ時間に2時間以上いるのは少し妙だな。しかも駅の前に。駐禁も取られてないっぽいし、変だな。)


が、そこにずっと突っ立ってるわけにもいかず。


彼はゆっくりと歩き始めた。


駅から離れ、住宅街の通りに入り学校に向かう。するとすぐ後ろからの気配を感じ何気無く後ろを振り返ってみると、

(またあのM3かよ。つか俺をつけてる?まさか、バカバカしい。だがもしかすると…。)

試しにと思い彼は急に歩くスピードを早くしてみたら車もスピードを上げついてきた。右に曲がったら車も右へ、左に曲がったら車も左へ。


(完璧、つけてきてるな。理由はどうであれ、後にいられるのは不愉快だ。)


さてどうやってまこうかと考えてると目の前からも黒いM3が迫ってきた。


(もしかして…挟まれた?左には塀があって曲がれないし…右だな。)


と右に曲がると


(んげ、こっちもかよ。)


M3が待ち構えていた、しかも車体を横にし完璧に通せんぼの状態だ。後ろをみても同じ状況。完璧に閉じ込められた状況だ。


すると車から続々と黒いスーツを着たいかにもそれっぽい人達が来て。相坂の周りを囲んだ。


「さっきからずっとストーキングされてると思ったらまたすんごい状況だな。しかも、それが男子高校生だしな。で要件はなんですか?」


「何も話すことはない。お前を捕獲する。」


淡々と答える黒いスーツの男、


「はいそうですかわかりました。なんて、言うかボケ!」


と怒鳴り相坂は自分の持っていたカバンを先ほどの質問に答えた男の顔面に投げつける。が男はそれを簡単につかむ。

それでもひるまず相坂は身を低くし男に接近し、腹に体当たりを決めた。男はカバンのせいで視界が悪く反応が遅れたためそれをモロにくらった。そのスキにと無理矢理作った隙間から逃げようと試みたが


「ッチィ!クソガキが!」と他の男に後ろから抑えられてしまった。


「っがぁ‼︎は、離しらやがれ。」

地面に抑えられ息もままならない相坂。すると先ほどの体当たりをくらった男がフラフラとこっちに来て。


「おい!手荒な真似はよせ!博士はなるべく傷が少ない実験体を求めているんだ。」


(実験体?、なんだよそれ…)

と聞こうと口を開けたその瞬間彼の意識はブラックアウトした。

次回からやっと本編に入れます。

あと時間がだいぶ飛ぶのであしからず。

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