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わんワンにゃんニャンワールド  作者: けいたいでんわ
1/2

異世界生活1日目

1話-5話をまとめました。




 俺の名前は、猫山ねこやま 犬之介いぬのすけ

 身長は、ちょこっと低めの160cmで体重51kgの標準の体型だ。

 見た目は、至って普通。髪も染めていなくて長さも普通かな?。

 ちょっとした特徴は、少しタレ目で優しそうな感じくらいだ。

 現在、18歳のピチピチの浪人生だ。

 大学は、残念な事に全滅だった……。

 まあそれは、措いといて……俺の趣味は、犬と猫を愛でる事だ。

 俺のゴッドフィンガーいや、神の癒しの手とも謂われる(本人談)撫で撫で技術を駆使すれば、犬や猫はあっという間に俺にメロメロだ。

 ……で、俺が何故自己紹介をしている理由は……。

 簡単に言えば、現実逃避だ。

 ちなみにこれを書いている作者も現実逃避していたりする。

 では、何故に現実逃避をしているかというと……




☆★☆★☆★




 俺は、予備校に行く為に道を歩いていた。

 いつもと同じ時刻に電車に乗って、いつもと同じ道で予備校に向かっていた。

 ただいつもと違うのは、途中に魔方陣があった事だ。

 俺は子どもの書いた落書きかと思い、気にもかけずに普通にそこに足を踏み入れたんだ。

 そしたら、『ピカーっ』と目の眩むくらい魔方陣が光ったんだ。

 ……まさかの異世界へのテンプレだ…。

 ただ、実際にそんな事なんてある訳ないと心で否定するのもあった。

 ……が、心の一部というか半分くらいは、異世界への召喚が起きることを望んでいた事も事実だな。

 とまあ、そんな訳で召喚されたんだ。

 まさかのネコミミな世界にさ。



☆★☆★☆★




 俺は今、お城の王の間に居る。

 いや、正確にいうと女王の間にいる。

 目の前には、半分獣人のネコミミ女王様だ。

 見た感じは、白いネコ+美人な大人な女性を足して2で割ったような感じだ。

 そして淡いピンクの髪が肩までかかって、とても魅力的だ。

 分かり辛いって……?

 まあそこは、自分の良いように想像して欲しい。

 で、頭に銀色のサークレットをして、淡い水色のドレスを着ている。

 そして周りを茶色のネコミミの衛兵達が固めているような状態だ。

 その衛兵達は、皮の動きやすそうな鎧を身に纏い、手には槍を持っている。

 ただ何故だろう……?

 槍を持っているのに全く怖くないのだ。

 それどころか心が癒される。

 ……駄目だ……。 

 もう前の世界など、どうでもいいと思っている俺がいる。

 この世界で暮らしたいと思っている俺がここに居る。

 あ~白い女王様も撫でたいし、衛兵さん達も撫でてみたい。

 そして、あのピンっと頭に主張しているネコミミをモフモフしたい。

 モフモフして、ゆらゆら揺れている尻尾をニギニギしてみたい……。




☆★☆★☆★





 俺の中で色々と葛藤していると、



「よくいらっしゃいました」


 ネコミミ女王様が鈴のなるような声で軽やかに話しかけてきた。

 すらりとした尻尾をフリフリと揺らしながら……。

 その光景は、ネコ好きの私にとって素晴らしい光景だ……。

 こういうのを『ニャンダフル』というのだな。

 ただ、一つ間違っている。

 俺は、この素晴らしい世界に来たくて来たわけではない。

 どちらかというと、巻き込まれたというか事故に近い感じで招かれたのだ。

 俺は、このような感慨にふけっていると、




「間違えましたね。私達の都合でお呼びたてして大変申し訳ありません。あなた様にも生活があったのに一方的に……ただ、私達で出来る最大限のおもてなしをさせて頂く所存ですので、どうかお許しください」



 と、深々と頭を下げた。

 ふむ。あちらとしては、大分悪いと思っているというかもの凄く悪いと思っているようだ。

 このまま黙っているのも何なので、少しお話をしてみよう!

 俺としては、そこまでイヤじゃないし……。

 というか、ネコミミ世界は或る意味、俺にとってパラダイスだしね♪

 そんな訳で、俺が召喚された疑問を含めて質問をしてみる事にした。

 なるべく優しく話してみよう。

 可愛くて美人+ネコミミさんだからね。

 ちなみに、衛兵さんにも優しくしてあげよう。

 ネコミミは俺にとって正義だからね♪




☆★☆★☆★




「こんにちは。あなたは、こちらの国の女王様と認識して宜しいですか?」

「はい。私はこの国を束ねている女王です」

「では何で俺は、こっちの世界に召喚されたのでしょうか?」

「えーっと、それは…………ですね……」


 女王様が口ごもる。

 視線を下にずらし言い難そうにしている。


「それは……?」


 何か、俺に使命があるのか?

 テンプレの勇者なのか?

 魔王を倒す旅に出掛けないと行けないのか?

 ただ、女王様。あなたのネコミミを守る為なら俺は旅立てるよ。

 覚悟を決めたよ。

 さあ、言ってくれーー。

 

「それは、私の飼い主になって欲しいからです」

「なっな……何だってーー!」


 俺のこの覚悟をどうすればいいんだ……。




☆★☆★☆★




「すみません。もう一度言って下さいませんか?」



 聞き間違いなのだろうか?

 きっと、俺の耳がおかしくなったに違いない。

 だって、女王様が自ら飼い主になって欲しい事など、これっぽちも思ってなかったからだ。

 俺の今まで読んだライトノベルに、そんな展開なんてなかった。



 WEBで読んだ『異世界』『チート』『ハーレム』は何処にいった?

 先生……僕は全てを見失いそうです……。

 お母さん、僕はここに居ます。

 王の間の中心で何かを叫びたいです。

 お父さん、今までありがとうございました。

 明日、僕はお婿に行きます……。



 変な走馬灯がグルグル周っている。

 牛乳を噴き出した事。ウンコを踏んだ事。授業中に寝て起こされたら先生の事をお母さんと呼んでしまった事。

 思い出したくもない思い出が、鮮明に思い出される。

 そうじゃない!考えろ俺!

 考えるのを止めたら、そこで終わる……って誰かが言っていた気がするようなしないような……

 頭がグルグル…………。




☆★☆★☆★




「私の飼い主になって欲しいといったのです」



 NO~。考えている最中に、言われてしまった。

 どうする?どう答えたらいい?

 頭がグルグルして思考がまとまらない。

 結果、口から出た言葉が……。



「では、ご主人様という事でお願いします」



 何も考えられずに、OKしてしまった。

 まあこれは、きっと冗談だろう。

 『目には目を、歯には歯を』

 『軽口には、軽口だ』

 グルグルした返答がこれになった……。

 半分正常な思考じゃないが、キャパの少ない俺では、どうしようもない。

 あとは、野となれ山となれ精神でいくしかない。




☆★☆★☆★




「本当ですか?ご主人様♪」



 女王様が、指を組んで幸せそうな声色で言った。



「みなさ~ん、私のご主人様が決まりましたよ~」



 すると、周りの衛兵さん達から歓声が聞こえた。

 女王様が、こちらに向かって歩いて……走ってきて俺の手を組む。

 俺は、なされるがままだ。



 あれ?やっぱり冗談じゃなかったの?

 この流れに乗って突っ走っていいの?

 俺の頭が、再度グルグル…………。




☆★☆★☆★




 衛兵さん達が槍を上下に振り歓声を挙げている。

 俺……この国に受け入れられているよ……。

 しかも、大好評だよ。

 反対意見とか、俺は認めんとか言う人はいないのかよ。



 でも考えてみると悪い事など全く無い。

 それどころか、ネコミミ女王様のご主人様なんて地位は願ったり叶ったりかもしれない。

 なんと言っても可愛くて美人なネコミミ女王様のご主人様でしょ♪

 なんか難易度が非常に楽だけど、血生臭い事もなさそうだし、ゆっくりと楽しい異世界ライフでも送れてとても幸せだ。




☆★☆★☆★




 それからすぐに、俺の歓迎パーティを開催される運びになった。

 ちなみに、ここの割合は、ネコミミ100%だ。

 ネコミミの大好きな俺としては、云う事がない。

 これで文句を言って地球に戻されたら、一生後悔する事間違いないだ。



 そして何時の間にか、パーティが開催されたらしく、俺の前に飲み物が出された。



「ご主人様、どうぞ」



 侍女のネコミミさんから渡されたのは、ミルクっぽい飲み物だった。

 一口飲むとミルクのお酒だった。

 少しぬるいが飲めない訳でもない。

 コクがあって、なかなか味わい深い。

 次にシーチキンのパスタを出された。

 こちらも少し生ぬるい。

 そのせいで、お魚さんの風味がいっぱい活きている料理だ。

 分かりやすくいうと、かなり生臭い。

 料理が熱くないのはやっぱり、猫舌なのか?そうなのか?

 そして、俺はもう熱いラーメンを食べられないのか?




☆★☆★☆★




 結論……。

 あれから熱い料理は、一個も出てきませんでした。

 そして野菜より肉。肉より魚でした。

 良かった事はネズミが料理に入ってこなくて本当に良かったです。




☆★☆★☆★




 パーティは、俺のお披露目といった感じで、終始ネコミミ女王様がエスコートしてくれた。

 紹介されたネコミミ宰相やらネコミミ大臣にネコミミ将軍。

 少し話してみると、とても面白かった。

 で、今度ネコミミ将軍に武勇伝を聞かせて貰う約束をとった。

 他に、ネコミミ宰相やネコミミ大臣と少しお話したところ、この世界にはネコミミ族とイヌミミ族が住んでいるとの事が分かった。

 犬好きでもある俺にとっては、とても興味深い話だ。

 今度、その辺りもじっくり聞かせて貰いたいと思っている。

 とまあ、今日のパーティは、お披露目とだけあって、2時間程度で終わった。




☆★☆★☆★




 パーティが終わると、すっかり夜の帳がおりていた。

 パーティが終わり、ネコミミ女王様と一緒に居て、お互いに自己紹介をしていない事に気がついた。

 そんな訳で女王の名前を聞く事にした。




「私の名前は、シロナ・タマーラⅧ世です。シロナとお呼び下さい」

「俺の名は、猫山 犬之介だ。犬之介とでも呼んでくれ」

「わかりました。ご主人様」

「えーっといぬの……「ご主人さま」とで」

「ご主人様で……」

「はい♪」




 ご主人様が正式な名前になったみたいだ。

 やっぱ、犬がいけないのだろうか……?




☆★☆★☆★




 とりあえず自己紹介も終わり、シロナと少し話をしていたのだが、パーティで始めに出されたミルク酒が効いたのか異常に眠い。

 体も少し火照っている気がするが、睡眠欲には全く敵わないのだ……。

 シロナに少し眠い事を告げると、



「それは、いけません。ご主人様は、今日こちらに来てお疲れなのでしょう。こちらの部屋でお休み下さい」



 と言って、シロナに寝室まで案内された。

 そこで俺は寝巻きというか、バスローブに着替えさせられると、そなままベッドに寝かされた。

 本当は、ゆっくり風呂にでも入りたかったが、どうやらそれすらも叶わないみたいだ。

 ベッドに着くと、俺は目を開けることも億劫になり、すぐに意識を手放した。




☆★☆★☆★

 どうやら、ご主人様は、ぐっすり眠られたようです。

 ご主人様の匂いを嗅ぎます。

 ~っ!!とても、いい匂いです。

 では、ちょこっと味見を。

 ペロっと首筋を舐めてみます。

 なんかゾクゾクします。

 私は、我慢できずに全身を舐めてしまいました。

 なんて甘美な味でしょう。

 でも、これ以上は我慢です。

 もしばれてご主人様に嫌われてしまったら、生きていけません。

 私は手ぬぐいを絞り、ご主人様を拭いていきます。

 本当なら、侍女達の仕事かもしれませんが、『私の』ご主人さまには、女の人に触れて欲しくないのです。例え、老女や幼子であってさえ……。

 ご主人様に会う5分前なら一笑に伏してしまう考えでしたが、今は違います。

 そんな自分の心の変化に笑ってしまいそうです。

 それにしても、こんな幸せな気分を味わえるなら、もっと早く召喚をすれば良かったです。

 ……でも、もし違う人が呼び出されたら、私はこんなに幸せな気分を味わえたでしょうか?

 なら、今回ので良かったかも。

 今まで女王として甘えられられなかった分、これからはいっぱいご主人様に甘えるんです。




☆★☆★☆★




 翌朝、起きると少し腰が軽いみたいだ。

 スッキリした気分で朝日も清々しい。

 異世界に行くと、朝まで気分よく起きれるみたいだ。

 うん♪素晴らしい!

 よし、異世界2日目。

 今日も一日頑張るぞ!


お読み頂きありがとうございます。

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