勧誘!
ある日、1人の少女がとある高校に転校してきた。
その少女は高校に入るや否や言葉巧みに先生を説得し、実戦部を創立したのであった!
そして実戦部が創立してから3日経つある日…。
「人がこない…」
机にだらーっとうつ伏せしている黒髪のショートの少女はこの物語の主人公、砂刀真理である。
真理は部を建てたのは良かったものの、その後の事は何も考えていなかったのである。
そしてお世辞にも賢いとは言えない頭をフルに使って、勧誘しようという結論に至ったのであった。そして勧誘すべき相手は意外にもすぐに見つかった。
少女が男に流れるような連撃を繰り出し、しまいには投げとばしたのを見て、真理はこれだ!と思った。
投げとばした少女は男に向かってこう言った。
「か弱い女性を乱暴に扱うから天罰が下るのだ、さぁ!今すぐこの女の子に謝れ!」
「あ、あの、私は乱暴にされたわけじゃ…」
「だめだ!このままではお前は好きなようにやられてしまうぞ!」
強気に言い放つ少女、しかし言われた方は困惑しながら話しを続ける。
「い、いや…この男の人は私が車に轢かれそうだったから突き飛ばして、助けてくれて…それが乱暴にしてるように見えちゃったのかも…」
「………………えっ」
「と、とりあえず、面倒になる前に、この男の子を病院に連れていくね…」
女の子はボロボロになって実は気絶していた男を介抱し、病院に連れて行った。
残った少女は、というとベンチに座り頭を抱え込んでしまった。
「また、無駄な正義感を出して他人に迷惑をかけてしまった……」
少女は呟き、ふと顔をあげると満面の笑みの真理が居た。
「はじめまして!私、砂刀真理って言うの!単刀直入に言うけど実戦部に入らない!?」
「いやいい」
即答した少女は、ベンチから立ち、離れて行く。
慌てて真理は追いかける。
「ま、待って!そうだ、な、名前!
私、砂刀真理って言うの!
あなたの名前を聞かせてください!」
「宮ノ内清麗だ、それではさようならだ、もう会うことはないだろう。」
真理の方を向かずに清麗は自己紹介をし、そそくさと行ってしまった。だが真理は諦めなかった。
「ちょっと待ったぁ!!」
真理は後ろから清麗を締め上げ、携帯を清麗に見せ、先ほどから撮っていたムービーを見せた。
真理は悪知恵の方は良く働くらしい。
「なっ…これは…!」
「そうだよ~、さっきの暴行のやつだよ~、これがバレちゃったらやばいんじゃないカナー?
あっ、動いたら投稿しちゃうよー?」
耳元でささやき、指でつんつんしながら清麗を拘束(?)した。
「わ、私にどうしろというのだ……」
「実戦部に入ってくれれば、この事は内緒にしてあげるよっ!」
「わ、分かった……入ったら見逃しくれるんだな…」
「もっちろん!やったー!記念すべき第1号よ!」
「くっ…おのれぇぇ……」
強引に入らされた清麗、そもそも実戦部とはなんなのか!?実戦部の明日はどっちだ!