表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

風の波音に、耳を澄まして

作者: 逢乃 雫

十一月も終わりの


晴れた木洩れ日は


どこまでも優しく



小さな陽だまりの中


風にそよぐ


時の流れを見つめて



足元を埋め尽くす


夢見草の色づいた葉



夢は枯れることなく


心の中で色づいて




風の波音に


耳を澄まして



季節は少しずつ


前へと進んでいく



海のように一面に広がる


晴れ渡る空のどこかで



時に降り出す時雨の雫が


時無草の葉を揺らす小径で



華やかな飾り付けが


始まった街中で



銀杏落葉がサラサラと


銀色に揺れる月明かりに



聴こえてくる風の音


それは季節の足音




風の波音に


耳を澄まして



夜空の海には


オリオン座の七つ星が


もうあんなに高く


駆け上がり



地上の樹々は


イルミネーションに輝く


星のなる樹のように



まばゆい光の木立を


すり抜けてゆく風が


やさしく頬をかすめて




風の波音に


耳を澄まして



空のどこかで


冬が風のとびらを開けて


木枯らしとともに


やって来る



気づけば聴こえてくる


風の音



せわしなく過ぎていく


一日一日の時の中で



何気なく過ぎて


しまうものが


あるかもしれない



季節の移り変わりも


波のように寄せては返す


様々な想いも


夢へと繋がるきっかけも


人との出逢いも


誰かの思いやりも




だから


耳を澄まして


心を澄まして



巡りゆく季節が


教えてくれる


一瞬一瞬の大切さ



風の波音に、


耳を澄まして











夢見草ゆめみぐさ」は桜のことで、「時無草ときなしぐさ」は季節外れに芽吹く草を表す言葉とされます。また、「木枯らし」は元は秋の始まりを表しましたが、現在は冬を運んで来る風となっています。街のあちらこちらで季節の移り変わりを感じるこの頃ですが、心を澄まして様々なことを感じ、大切にしていけたら、との願いを描かせていただきました。お読みいただき、ありがとうございます。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 11月の暖かだったときを思い出しつつ再読し、 少しやさしく感じられた深まる秋を堪能した気持ちになりました(*^^*) どうもありがとうございます("⌒∇⌒") [一言] 月が改まって師走…
[良い点]  風の波音、のとする辺りに含みをもたせる音の波♪  冬のオリオン座と街のイルミネーション☆  この二つでもう12月を感じます。
[良い点] 風の波音に耳を澄ませてという旋律が綺麗ですね。 私は、詩を書いた事がないので、私も書いてみたくなりました。 [一言] 季節の移り変わりですね。これから、イルミネーションの季節です。上手く…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ