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プロローグ
1秒が1分に、10分が1時間に感じるほど、時間の流れが遅い。
何度も左腕の白い時計を見る。
早く終われと願う。
残り10分。
薄く呼吸を整える。
もう担任になった男性の話は耳に届かない。
汚れのない新しい鞄から鏡を取り出す。
髪型とメイクが崩れていないか入念にチェック。
チャイムは終わりと同時に開始の合図。
話しかけてくる同級生や上級生を躱し、彼のもとへ。
私の長い長いプロローグが終わる。
今日から私も高校生。
また先輩の後輩になる。
一世一代の大勝負。
ではない。
負けても続く。
諦めないから。
勝っても続く。
そこがゴールではないから。
私は今日、先輩に告白する。
これにて過去編が終わります。
お付き合いありがとうございました。
正直この二人は書いていて楽しいので、ブクマと評価をいただけたのがとても嬉しく思います。
前にも伝えた通り、短編の連載版を始めます。
https://ncode.syosetu.com/n3210hr/
1,2話は短編を少しだけ弄ったものになるので読み飛ばしても大丈夫です。




