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episode:1,目覚め

おはこんばんにちは。アネモネNRです。

2話目もとい1話目です。

ここに書くべきコメントが何も思い浮かびません。助けてください。


※この小説は完全に趣味で作っているので、投稿頻度がテキトーになります。

英数字と漢数字の2種が出てきますが、それに意味は何もありません。

それでもいいって方はゆっくり呼んで下さい。

目が覚めた。


パッチリと効果音が出てきそうなくらいの、気持ちが良いくらいの目覚めを体験した。


朝起きる時に体験するボヤけも全くなく、そのおかげで目の前の天井を見る事になった。


頭はまだ回っていないが、それでも分かる事は一つある。


まるでファンタジー小説に出てきそうな、木材が敷き詰められた、電灯も何もなく、ベットの横にある窓から日差しが真っ直ぐ入る。そんな壁と天井。


毎朝見ている真っ白な天井とは違う、色がある天井。


正直見ている分は居心地は良かったが、それと同時進行で違和感に気づき始める。


見た事のない天井。


身に覚えのない天井。


……ここはドコだ?


何気ない気持ちで頭を横に向かせる。


周りの景色は想像通り、木材をふんだんに使用した質素な空間で、向かい側にも、これまた木製だろうか?机と椅子、それに何も収納されていない棚もある。


確実に知らない場所。ここでようやく頭が働き始めた。


……どうなってるんだ?ここは俺の部屋じゃない。えっなに?誘拐?拉致?状況が掴めない。ここずっとあった早朝特有の寒さも微塵も感じない。


あれ?なんか俺忘れてないか?


……………あっそうだ、確か俺……


……………………あれ?


……と言うか待てよ?



…………なんで俺、生きてんの?



「ぇええなんで!?」


かけられていた毛布(と思われるモノ)を寝起きながら全力で跳ね除け、体を起こす。


瞬間、身体中から冷や汗が噴き上げる。鼓動も徐々に早くなる。


頭から黒煙が上がってるのでは?と思う程に脳が今更フル回転を始める。


…………待て待て待て。確か俺はトラックに轢かれて…確かあの時は夜で……昨日……いや違う。あれ?じゃあれはいつの出来事なんだ?


てか状況を整理しよう。


確か俺は塾の帰り、トラックに轢かれて……助かったのか?あれで?絶対死んでたよねあれは。


……まあそれでも、今こうしているって言うことは、なんとか生きてんのか……


んでここは何処?病院?それにしてはあまりにも設備が揃ってない。


んじゃ俺は誘拐とか拉致とか、その分類の犯罪に合っているのか?それでもあまり事件性を感じないのはなんでなんだろうか。


……分からん。どうして今こうなっているのか、全く検討がつかない。他に有り得そうな可能性は何がある?一番有力な病院説も拉致説も打ち消された。他にあるのか……?


思わず頭を下げてしまう。絶対絶命とまではいかなくても、これまでの人生で一度も体験した事のない自体。それに頭を抱えてしまう。


その影響か、不意に長いもりあげが、スルリと重力で落ちる。


……落ちる?


思わずそれを右手で取る。色は先端が若干緑色で若干の光沢を帯びており、触り心地は良く、指をよく通しそうな髪質になっている。それを根元に向かって、絡めた指を通しながら行く。勿論の事、指の行先には俺の顔面があり、当たった時にちゃんと感覚もあった。


……と言うことは、この謎の髪の毛は俺のモノなのか……


……おかしい。更なる謎が出て来た。俺は生まれてきてからこの一度も、自分の髪を染めた事もないし、もみあげがこんな胸元まで伸ばした事もないしそんな趣味もない。


考えられる可能性は主に二つ。


一つは俺が覚えてないだけで、育毛剤を使用し、髪の毛を伸ばした後、カラーリング剤なる物で色を変えた説。


もう一つは、俺があの時事故起こしてから、こんなに髪が伸びるまで眠ってしまった。その時に誰かに髪の毛を変えられてしまった説。


正直、後者の説の方が一番説得力がある。あまり信じたくないが……というかもう無理矢理呑み込むしかない。


しかし、そう考えると後は辻褄が合ってくる。


あの事故を経て長く昏睡した俺は、その後何らかの出来事でこんな場所に移された。そう考えるのが普通だろう。


だからと言って、この不安がそれで消える事はない。恐らくこの部屋は何処かの家の一部屋の一つ。だったら目覚めた事を誰かに伝えた方がいいだろう。


だったらさっさと行動に移してしまおう。ベットから降りた俺はこの部屋を出るべく、近くにあるドアノブに手を伸ばす。


……このドアノブ、少し高くないか?……まあ気のせいだろう。長く寝ていたら感覚も狂うもんなのだろう。


深くは考えず、ドアを開き、俺は廊下へと出る。廊下は想像通り、オール木材で出来ていた。


……なんて事は今回はなく、俺の目の前には、真ん中が巨大な正方形の空間が一階部分と吹き抜けになっており、美しい形の手摺りを乗せた螺旋階段が隅に設置されており、至る所に窓が嵌められ、朝の暖かかい光が入り込んだ、まるで絵本の世界から出て来た様な、そんな今まででは見た事がなかった、西洋な造りの空間が目の前に広がっていた。


「……凄っ……」


言葉に出来ない美しさに感嘆の声を漏らしつつ、俺は取り敢えず一階を目指すべく、そこに行くための階段を目指す為、朝日が真っ直ぐ入り込んだ廊下を進んだ。


すれ違う窓からは、あまりにも眩しすぎる朝日が入り込むせいか、窓の外までは見れなかった。


それでもこの形容し難いこの光景が美しいと思った。将来家を買う機会があればこんな造りにしてみようかな……と思った時だった。


不意に目の前に一つの窓が入り込んだ。


朝日が入り込むことなく、けれども優しく光るその窓に、俺は近づき、そして……


……目を見開いた。


恐らく今いるこの場所が高過ぎるのが影響したのだろう。窓越しの眼下に広がるその景色は、我が母国である日本では絶対にお目にかかる事が確実な不可能な『街』であった。


中世の西洋造りと思われるであろう建造物がめいっぱい広がり、そんな街を横切る大きな道には、出店が至る所に構えており、活気盛んな雰囲気が感じ取れた。


街と捉えるのにはあまりにも大きすぎるその場所は、まるで西洋史に出てくる『国』だ。


そんな街の隅に広がるは、地平線まで続く、青く輝いた海がこれまためいっぱい広がっていた。


もはや別世界のその景色。俺はそんな景色に、そんな場所に心を完全に奪われた。



──訳ではなかった。



そんな幻想的な景色が広がっていたのに気がついたのはそれから30分後も後の話。


俺が本当に目を、心を奪われた原因になった目線の先には──




──窓ガラスに反射した、自分の姿が映し出されていた。





いや、その情報には訂正が必要だ。


反射して見える俺の姿は、けれども確実に俺のではなかった。


目元が少し釣り上がり、まん丸く大きな瞳と二重まぶたが特徴的な目。


小さく、けれども形が綺麗な鼻。


ぷっくりと健康的に膨れた紅い唇。


腰まで綺麗に伸びた例の髪。


年相応に育ったとも言える胸元。


細く、けれどもワンピース越しでも分かるくらいのしなやかさが特徴的な体付き。


本来は俺が写し出されるその窓には、15歳相応とは言い難いものの、健康的に育った、誰がどう見ても女の子の体が写し出されていた。


これがごく一般の人ならば、あまりの事に混乱し、叫ぶかその場に棒立ちする。主にこの二つだろう。


おれがこの二つを回避し、小さく呟く程度に至ったのは、二つ理由がある。


一つは、あまりの現実離れした現状にただただ驚愕した事。


もう一つは、俺が純粋に、その顔付きのせいで、どうしようもなく幼さが残る、目の前の顔に心当たりがあったからだ。


ありすぎるくらいだ。


毎朝学校でおはようを交わし、帰りにはその日起きたくだらない事を話しながら一緒に帰る。


今までに一度しか別のクラスになった事がないと言う記録を一緒に持つアイツの……


小学生時代からの付き合いのアイツの顔が……


「……………………もみじ…………?」


俺がこの世で一番信頼している、唯一無二の親友の顔が映し出されていた。


episode:1、END


TSはロマンって、はっきりわかんだね(唐突な淫夢語録)

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