episode:0,事故
前書きって何を書けばいいんですかね…?
(´・ω・`)
あくまで本編に繋げる為の第1話であり、物語の根幹にも関わる情報をも載せています。
※この小説は完全に趣味で作っているので、投稿頻度がテキトーになります。
英数字と漢数字の2種が出てきますが、それに意味は何もありません。
それでもいいって方はゆっくり呼んで下さい。
別にこれから先の事を考えてない訳ではなかった。
むしろ、これから訪れる(もとい勝ち取る)高校生活については、夜な夜な色々と考えていた。
それなりの高校に入った後、そこでの新しい人間関係と、今ある友情を大切にしながら、文武両道とは言わなくとも、それなりに充実した高校生活を過ごそうと思っていた。
小説みたいに、新しい出会いに想いを走らせるつもりだった。
絵に描いた様な放課後を送るつもりだった。
そうなるのが当たり前だとも思っていた。
けれどもこの社会と言うのは、どうやらそう甘くはないらしい。
少し前、ネットの何処かの記事で読んだ事があるが、人は一日の間に約四万人増え、16万人死ぬらしい。
最初こそこは、世界はなんて理不尽なんだろうと心の中で静かに嘆いていたが、そんなのは半日で跡形も無く消え去った。
そんな情報が何故今、こんな時に思いだせれるのか。理由は至極単純である。
結論から言おう。今俺の目と鼻の先には、赤信号を全力で無視したであろうトラックが、やはりその影響か、言葉にする程もないほどの全力走行を進行形で行っている。
そう言えば、今も爆発的人気を測る某少年漫画の中で、走馬灯と言うものが出て来た事がある。
その時の描写として、死に面していた主人公が、目の前にある死を回避しようと、これまでの人生を短時間で思い出している場面がある。その時に、周りの風景が極端に短くなる描写もあった。
どうやら今の俺はその状況らしい。
どうにかして目の前にある『死』を回避しようと、この体が本能的に、今までろくに使わなかったこの脳ミソをフル回転してくれてるらしい。
がしかし、本能がどう足掻こうと、申し訳ないが理性の方がこの状況を遅く流れる時間の中で導き出された答えが、結論から言うといわゆる『降参』と言うものだ。
と言うのも、今現在の時刻は夜十一時。そして今渡っている横断歩道は十字形。周りに車はいなかった。
そんな道を塾で疲弊した体に鞭打って帰っていたのだ。いくら青信号だからと言っても周りを確認もせず渡ってしまったのは、俺の責任でもあるだろう。
急に飛び出して来た車。それに咄嗟に反応出来ず、高速で俺に引き込まれる車に、ただただ目を丸くし、体を強ばらせながら見届けるしか出来なかった俺は……やはり今現在に至る。
走馬灯が何の為にあるのか、結局最後の最後までわかる事がなかったが、そんな事はどうでも良い。
いくら自分の中の時間が勝手に遅くなっても、どうやらこの結末を変える事は不可能に近い。と言うかもう不可能だ。
高速で突っ込む車。
強ばる体。
誰が何とか言おうと、これは即死ルートだ。
正直やり残した事は沢山ある。
明日だって学校がある。買ったばかりの小説も、まだクリアしていないゲームもある。来週の週末にはアイツらとカラオケに行く約束があるし、貸した漫画も帰ってきてない。もうすぐ公開される映画だって見たい。今年の夏こそは皆とプールに行きたい。
春の予定も……夏も予定も……秋も冬も。全部妄想だけど、それでもまだ見ぬ未来に期待している。
………そうだ。俺には明日学校がある。
アイツらとこの週末何があったか、話す事が出来る。
アイツにも話す話題が沢山ある。
俺には明日がある。
明日が待っている。
そんな俺から明日を奪うなんて……そんなの絶対嫌だ。
嫌だ。こんなの嫌だ。こんな死に方は嫌だ。こんな中途半端な所で死ぬなんて嫌だ。
そうだ。まだ死にたくない。
死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。 死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。あっもう死ぬ。
衝撃。
周りの全ての音がその衝撃に吸い込まれる。
飛ぶ体。
視界がゆっくり、この狭い世界を映す。
トラックのライトに一部照らされただけの、この真っ暗な世界で、最後にこの瞳が映した、反対車線にあった『ソレ』は。
この世界にあまりにも不似合いな、本当の黒色の『丸』だった。
再びの衝撃。
世界、暗転。
─結局、貴方の思うツボに事が進んだわね。全く、嫌気がさすわ。
声が聞こえた。綺麗な、女性の声。
─り前でじゃ。ここまでが彼が■■■■結果なんじゃ。
声が聞こえた。少し声質に幼さが残る、女性の声。
─これで私が協力する仕事は終わり。○番目の犠牲者もとい被検体も回収出来たし、これで私も御役目が済んだ訳だ。
─そうじゃな、魂型の取り出しは完了じゃ。ベース自体はそこら辺に瓶詰めされている魂と何ら変わりはないが、それを補う潜在能力が素晴らしい……引っ張り出すのは仕事じゃないけどな。
─そう、ありがとう。これで私の使命を果たせるわ。
─しかし小娘、◇◇がコレを煮こうが焼こうが、知った事ではないのじゃが……よいのか?取り出している時、コレの記憶ファイルを、バグがないか覗かせて貰ったんじゃが………その……◇◇が居たぞ。それもコレを成り立たせる□□□の中にあった。
─………………
─本当に良いのか?今からコレをあの世界に送んじゃぞ?二度と会える機会はほぼ無いんじゃ……それに小娘、◇◇の□□□にもコレの……
─分かってるわ。そんな事。最初の最初から……それに、貴方がコレを取って来いって言ったんじゃない。全く、皮肉かしら。
─それはそうじゃ。あの世界の中で、彼が出した条件に当てはまる人間はコレしかなかった。けれどもな…………見てしまったモノは仕方ないじゃないか。
─無駄な感傷は仕事に影響するわよ。
─じゃがな……じゃがな!それでも…………△△△いる人を失う、この辛さを貴様にも体験して欲しくない……欲しくないんじゃ………
─……そうね。そんなに私を思っているなら、二つ、お願いを聞いて貰えるかしら。
─……なんじゃ、言ってみろ。
─そんなに眉間にシワを寄せるべきではないわよ。せっかくの顔が台無しよ…………昔からの仲だわ、これからの依頼の報酬は全てチャラにしてよね……まず一つ目、コレ……いや、彼の潜在能力を、あんな世界に行く前に引っ張り出して。あそこに無能力のままで現界しても、生き残れなからね……そして二つ目……………私の▲の基礎を彼の新しい▲のコピー品にして。
─……………!!それってまさか……待て、それをすると貴様の●●●●●が不安定になるぞ!
─別に他の次元にいるもの、そこまで恐れる必要はないわ…………彼に………
どこかで聞いた事があるような声が、震えながら最後の言葉を言った。
彼に、私の全てを………それが私が出来る、最大の恩返しであり、最後の謝罪なんだから。
episode:0,END
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