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陰キャの日常  作者: 陰キャ代表
season 2 第2章 差し伸べる日常
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手伝う日常

あのー、大変申しにくいですが『陰キャの日常if』は中途半端ですが中断してこちらに移ります。

『陰キャの日常if』を楽しみにしていた方がいれば申し訳ありません。

これからは取り敢えずこっちを完結させたいので、不定期になるかもですが『陰キャの日常』を投稿していきたいと思います。


第13話 ~手伝い~


僕の家族は元々は普通だった。

僕のほかに3人弟と妹がいて母がいて父がいて。

家族6人、幸せな日々のはずだったのに。

いつからか幸せはそがれていった。


だから僕は現実を見なくなった。

____________________________________________

 

神楽坂 桜喜から想像画を受け取って1週間が経った。

この1週間は特に何も無かった。

僕は何もないことが幸せだった。

普通に朝起きて、学校行って、授業受けて、部活して、屋敷に帰ってそして寝る。

もしくは屋敷でゴロゴロする。

を7回繰り返して、今が8回目。

今日も普通だと思っていたのに、そうはいかなかった。

「どうもでござる鈴木殿。」

別に三佳月と話すことは普通だ。

「どうも。」

「鈴木殿、ちょっと頼みたいことがあるのだがよろしいでござろうか?」

そう、これ。問題の発端。

「別にいいけど。何を頼みたいの?」

「その、弟たちの子守を頼みたいのでござる。」

「えっ、三佳月って弟いたの?」

「弟1人と妹が2人いて、弟と歳下の妹は双子なんでござる。」

「へぇー。別にいいけど。予定とかあるわけないし。」

「ならお願いでござる。」

「了解。」

そういえば三佳月の家に行ったことはなかったな。

というか1つ疑問なんだが、三佳月は家でも“ござる”と言ってるんだろうか?

家に行けば分かるか。

だが、その前に宮條さんに許可を取らなければ。


早いようでもう放課後。

部活はなく、後はいつもなら帰るだけなのだが今日は違う。

僕は終礼が終わると三佳月の机の方へ行った。

三佳月はまだ鞄に教科書を入れている途中なので手伝うことにした。

「手伝うよ。」

僕はそう言い教科書やノート類をまとめて三佳月に渡す。

その時、一冊のノートが落ちた。

タイトルには『数学』それとクラス番号名前が記載され、さらに去年のクラスと番号もあったが二重線が引かれていた。

「前のノート使ってるんだ。」

「そうでござる。去年に習ったこと復習しやすいでござるから。」

「そう。」

そう言って僕は落としたノートを拾い三佳月に渡す。

「あっ、そういえば僕1問解けなかった問題があるんだけど見せてくれる。」

「左様でござるか、だが我もその問題とやらは解いてない可能性が大であるが大丈夫でござるか?」

「大丈夫、ちょっと見せて。」

「わかったでござる。」

僕は三佳月のノートを受け取り問2の(5)の問題を探そうとしページをめくると、僕は目を疑った。

文字が異様に小さい。

ひとつの行にさらに1本、線を引いてそこに書いている。

もう文字が潰れている。

計算問題と少しの板書だけでノート1ページが真っ黒に染まっている。

「真っ黒。」

「ノートは節約しないといけないのでござる。」

「節約?」

「そうでござる。そういえば言ってなかったでござるね。」

僕は何故か固唾が溜まりそれを飲み込んだ。

そして、三佳月は口を開き、

「我が家は貧乏なんでござる。」

三佳月は屈託のない笑顔でそう言った。








別に貧乏を屈託のない表情で言っても、屈託のある表情で言ってもあまり話は変わらないと思いますが、印象的なのは屈託のある方かなと思ったので屈託のない笑顔にしました。


そんなわけで次回は別の話になります。


それでは読んで頂きありがとうございました。

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