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陰キャの日常  作者: 陰キャ代表
最終章 春休みの日常
81/98

踏み出す日常

第84話 ~春休みの終わり~


50日。

そして、また1日、1日。

時が過ぎて無気力で、適当に部活に参加して適当にまとめて。

なんの感情もなく人を撃ち殺すゲーム。

適当に過ごしていた。

気づけば、春休み最後の日。

明日から3年生なのだ。


時間が早い。考えると、それは楽しいからではない。

先輩が1日部長になった時は楽しかった。だから時間が過ぎるのが早かったのだと思う。

だけど今はちっとも楽しくなんかない。

富、権力、社長という座。

それがあれば全て幸せにしてくれるわけではない。

お金はある。

だけど楽しいとは思わない。

会社の権力を使ってちょっと不正なことをしても楽しいとは思えないだろう。

社長でからと言ってパワハラはダメだし寧ろ社長というのは仕事量が多い。

どれもこれも楽しくなんかない。

お金持ちだろうと貧乏だろうと、同じ世界に生きていて何が不平等を産むのか。簡単、人間自身だ。

環境の悪さを生むのも人間、この世をルールで縛っているのも人間。逆にルールが無くとも悪さをするのは人間だ。

こんな世界だから楽しくない。

平等。

平等。

貧富の差がある時点で平等なんて存在しない。

日本でも男女の平等とか言っている。

勿論、江戸時代などは男子の方が地位は高かった。

だがそれの配慮をしすぎて現在では立場が逆ではないか?

障がい者の人たちは守られるべきだ。だがそれでも虐めは減らない。逆に身体の障がいじゃなくて目に見えない障がいだったら人はその人を傷つける。虐める。

見た目で判断している時点でもう平等なんて何もない。

平等は憲法、法律などで守られているはずなのに、一体どうして平等じゃないのか。

人間が私欲のために作ったルールだから。

醜い。みんな醜い。僕も醜い。

本当に嫌になってくる。


橘さんが言った、成長って何?

僕は父親のこと何にも知らないのにそんなこと言って一体どうしろと言うんだ!

醜くて、残酷で、不平等なこの世界でどう成長したのか?

実際は成長なんてしていないんじゃないか?





最終話 ~成長~


実際は成長なんてしていないんじゃないか?

僕は屋敷で1番小さな部屋、社長室に来た。

何かには誰もいない。

あるのは片付いていない椅子や父親の遺骨などだ。

僕は片付いていない椅子を持ってお寺の人が座ったあたりに置き、そこに座る。

僕はため息をついて

「一体何が成長?」

僕はまるで父親が生きているかのように話しかけた。

実際は無いものに話しかけても返事が返ってくるわけない。

遺影と遺骨と燭台に刺さった蝋燭に三つ折りにされた線香。

どれもまだ鮮やかで線香のいい香りが部屋を包んでいる。

その時、ふっと蝋燭の火が消えた。

誰かが息を吹きかけたように。

だが実際の正体は風で窓が開きっぱなしになっていた。

僕はもう一度蝋燭に火を灯すため窓を閉めに窓へと行った。窓は遺影の奥で社長室のデスクの背後。

窓を閉めて振り返ると•••

デスクに見たことのあるものが置いてあった。

《稜駿へ》と書かれた白い手紙。

これは父親の字だ。

僕はそれを手に取り中身を見る。

そこには、見たことのある文章があった。


《稜駿へ このことを隠していて本当にすまない。この手紙を今読んでいるのなら、私に何か起きたのだろう。何もできなくてすまない。

もうこの手紙を読んでいるのならわかると思うが私は『鈴の音IGDC のCEO及びCOO』の者だ。何故、父さんがこのことを隠していたのかというと、稜駿にはお金持ちの日常ではなく普通の日常を送って欲しかった。時折思ったりしなかったか?『お金持ちになりたい。』と。もし、お金持ちになれば、“欲”というものがなくなる。“欲”というのは、叶わないから存在するものだ。“欲”が叶ってしまったらどんどん自分の欲を満たしていくだろう。そうなったら一体どうなるか。“欲”のためにお金を散財しお金が尽きる。そうなった時に、人とういのは満たしたいという気持ちが上回り理性を失ってしまう。そんな日々は稜駿には送って欲しくなかった。だからこんな大きな嘘をついてしまった。本当に申し訳ない。

最後に、稜駿が何歳なのかはわからないが、時期CEO及びCOOになるだろう。だからお金もたくさん手に入る。だけどお金があるからってさっきも書いた通り“欲”を極力満たさないで欲しい。もちろん絶対というわけではないが仕方がない。

本来なら私が稜駿に直接話すべきだったのだがそういう訳にはいかないようだ。

本当に申し訳ない。これからも頑張って欲しい。

鈴木 郁弥》


僕はそれを見て涙を堪えきれなかった。

お父さんはちゃんと成長していた。

欲についてちゃんとわかっていた。

富、権力、社長の座とかそんなの全部初めからお父さんがちゃんと忠告してくれていたはずなのに。

僕は忘れて、どっぷりと“欲”にハマってしまった。

最初から気をつけていればこんな思いしなくてよかったのに。

どうして?

でも、この手紙がなかったら僕は一生、“欲”の沼に浸かりぱっなしだったかもしれない。

ありがとう。

今はこの気持ちしかない。


本当に、

「ありがとう、父さん。」

口に出して。

涙を拭い。

そして、僕は成長する。





第××.5話


「そろそろ動き出しますか。」

「そうですね。」

「わかりました。」

_________________________________________


鈴木 稜駿は鈴木 郁弥の棺桶に白い手紙を入れて手を合わせる。

「ありがとう。」

鈴木 稜駿はそう言いまたいた場所に戻っていく。

それと同時に棺桶の蓋が閉じられた。

そこから一切開けることなく、棺桶は燃やされた。

_________________________________________

これを書いている作者は大丈夫なのか?

と作者自身が思っています。

『自分は正常』と思って今日も生きております。


これでseason 1が終わりです。

次回からはseason 2です!

season 2で物語は急展開を迎えますよ!

(最後の方ですが)


あと、そろそろ登場人物を紹介してもいい頃合いというか遅いくらいですね。

『登場人物の情報』は各章の始めに設けるとかでもいいかもしれません。

その章の主要メンバーみたいな枠でその章をわかりやすく出来ればベストかも?


それでは、読んで頂きありがとうございました。


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