部活動と日常
第10話 ~放課後の過ごし方~
帰宅した後、何事もなく1日が終わり、その次の日。今日も朝8時10分頃に学校に着き、神楽坂さんと緩い会話をして、三佳月と会話したり、読書で休み時間を潰した後。
「キーンコーンカーンコーン」
学校全体に鳴り響くうるさいチャイム。
そんな音が、今日の授業の終わりを告げる。
「それでは、国語の授業を終わります。礼!」
今日は、女子学代がそう言う。
「はい、ありがとうございました。おーい、今から掃除だからな。机後ろへ運んで各自、自分の持ち場へ行けよー。」
担任兼国語教師の源先生が大きな声でそう言う。
それを、はい。とは誰1人答えず黙って後ろへ運んでいる。
そして僕は、自分の持ち場へと行く。途中で職員室で鍵を取り、向かう。
資料室と会議室が僕の持ち場。
会議室の鍵を開けて中へ入る。そして、資料室の鍵も開ける。
会議室と資料室が繋がっており、一度に2つの部屋を掃除する。と言うシステムだ。
机を端へ追いやる。そして、箒を手に取る。ゴミをはき始める。
この掃除場所の割り当ては、大人しい人達の集まりだ。
その理由は、大切な資料や情報が資料室にあり、会議室は来校した人も使うことが多いので、暴れまわられて物が壊れたり、資料がなくなったりするのが不安なので、僕みたいな陰キャが、ここの掃除の担当になる。
正直。生徒に掃除をさせなければいい話なのだが、教師も掃除する暇がないそうだ。本当かどうかは知らないが。
そんな掃除場所でもいいことはある。
「あっ、稜駿くん。そこの塵取りとって。」
「うん。」
神楽坂さんと一緒なところ。
みんなの人気はあるが生徒会長ということで、こう言った場所に指定されることが多い。もっともな意見だと思う。生徒会長がまさか間違いを起こすわけがない。本人がどう思うかは別として。
「いつも掃除してるのに、この部屋埃まみれだね。」
僕がそう言うと、
「確かに、会議するときとかに、窓を開けていないからなんじゃないかな。」
そう応えてくれる神楽坂さん。
「よし。これで一通り大丈夫かな。」箒でゴミを集め、ゴミをゴミ箱に捨てて、みんなが部屋を出たのを確認して、鍵をかける。そしてまた、職員室に行き今度は鍵を返して、教室へ向かう。
喋りながら掃除をしている、クラスの人たちをなんとなく見て、中途半端な自分の席に着く。
もう机運びは、終わっているようだ。
読書をして時間を潰す中、ゾロゾロ掃除を終えた人たちが席についていく。
「これから終礼を始めます。礼!」
男子学代が大きな声でそう言う。
「月曜日の時間割は•••」
今日の日直の人がそう話し始める。
「•••以上です。」
日直が言い終える。
「次に、先生のお話です。」
男子学代がそう言い、今まで端っこにいた源先生が教卓の前で話す態勢をとる。
そして、
「2つ話しがある。まず1つめが、寺野。お前昨日『ウィー』とか言っておきながら、出席のプリントもらってないのだがどう言うことだ。」
みんなが一斉に寺野の方を向く。
「あっそれっすか?プリントが無くて家に帰って探したのですが見つからなくてそのまんまです。」
寺野がそう弁解する。
「おい。そう言うことは昨日のうちに行っておけ。はい。」
そう言って源先生がプリントを取りに来いと言うジェスチャーを寺野に送る。
「ありがとうございます。」
そして、源先生は次の話に移った。
「2つめだが、真剣に聞いてほしい。最近この辺りで通り魔事件が起きたそうだ。被害者はなんとか致命傷ではなく助かったが、みんな気をつけておいてほしい。 以上だ。」
「それでは、起立。」
一斉にみんなが立つ。
「さようなら。」
女子学代がそう言って1週間の終わりを告げた。
歩いて、職員室の黒板を見た。
「あり。」
そう書かれた文字を見て、また歩き出す。
昇降口へ行き、靴を履き替えて自転車置き場•••
ではなく、別の道を歩く。
広い運動場の横を通り過ぎ、体育館の手前を通り、しばらく歩いての、右に曲がり古い木造建築物の前に着く。
旧校舎。
ニュータウン建設前からここには学校がありその名残がこの旧校舎。一部破壊されて新校舎に建て替えられているが見た目は、古い建物だ。
鍵がかかっているわけでもなく、扉を開けて、昇降口の隅にあるスリッパを履いて階段を上る。
ギシギシと音を立てる床が、どれだけ古いかを物語る。
三階の1番手前の部屋の扉には、《文芸部》その扉を開ける。
キューと音が鳴る。その部屋の中は図書室だ。
カウンターに、本棚、そして、真ん中に長机と椅子がそれぞれ置かれている。
まだ誰も来ていないようだ。
そして、鞄をカウンター近くに置いて、椅子に座り本の続きを読み始めた。
第11話 ~文芸部~
しばらく本を読んで待っていると、人が入ってきた。
「おっ早いね。さすが部長。」
3年の元部長。梓川 翔子先輩がそう言う。
「確かに見込んだだけあるね。」
また別の人、3年の先輩。佐藤 弘先輩がそう言う。
「いえ。今日はたまたま終礼が終わるのが早かっただけですよ。」
僕がそう言うと、梓川先輩は、
「確かに源先生って短気というかやることはすぐに終わらせるよね。」
すると、
「ここには、部活しにきたわけじゃないでしょ。」
そう言う、矢田 伊吹先輩。
そう。この先輩達は、すでに引退している。ここには、部活ではなくこの図書室で勉強をしていると言っているが実際には、部活をしている。
それ以降、人が数人入ってきた。
五十嵐 拓也同学年3組の陰キャ。
松本 遥同学年3組のなんでもない人。要は小松原さんと同じ。
梓川 美野里同学年同クラスクラスの人気者で、陽キャ。梓川先輩の義理の妹。
「今日は1年生がいないのか。それじゃあ、顧問の先生が来るまで待つだけだね。」
元部長梓川先輩がまとめる。
「遅れてすみません。」
そう言って慌てて入ってきたのが、顧問の戸田 灯先生。3年の国語教師をしていて、最近は暇を持て余しているらしい?
「それでは、今回は自分の好きな小説の紹介をしましょう。それによって、みんなの価値観を広げましょう。」
戸田先生がそう言った。
「好きなと言っても幅が広いと思うので、ジャンルを決めましょう。そうですね。ミステリーなんてどうでしょうか?」
さらに。元部長の梓川先輩が言った。
「いいですね。」
誰かが言った。
「それじゃあ、最初に提案した梓川元部長、お先にどうぞ。」
戸田先生がそう言った。
「元部長は••• まぁいいです。私が好きなのは、コナン•トイル作の名探偵シャーロック•ハウシーズです。少しコメディー要素とシャーロックの奇想天外の推理にいつも驚かされていて面白いです。」
熱く、シャーロック•ハウシーズについて語った。
「じゃあ現部長の鈴木くん。」
戸田先生が僕を指名した。
「現部長もちょっと。なんだか梓川先輩が悲しんでいますよ。 まぁ僕は、アンガサクリスティーのエルキュール•アポロシリーズです。理由は、犯人の巧妙な手口や、その犯人の人物像がしっかり描写が描かれていているところが好きです。」
僕が語り終えると、
「それじゃ、次は•••」
「お疲れ様でした。」
「「「「お疲れ様でした」」」」
みんな一斉に言ってそのまま帰る。
僕も部長のやることを軽くやって、家に帰った。
いよいよ、第1章の終盤です。次回で第1章のが終わり、崩壊が訪れます。フラグが一応立ったのですが、気づきましたか?誰がどうなるかはわかりませんが、どうなっても話は続きます。
次回は、休日です。1番最後に休日を持ってきましたが、必要なことです。
第1章が終わると「陰キャの日常if」が始まります。そのためしばらく「陰キャの日常」の第2章はしばらくお休みです。すみません。
それでは、今回も読んで頂きありがとうございます。これからも頑張っていきたいです。