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陰キャの日常  作者: 陰キャ代表
最終章 春休みの日常
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危機の日常

第76話 ~危機~


「ちょっと待ってください。お風呂のお湯を止めて、着替えとか済ませるので。」

「わ、わかりました。でも急いでください!」

宮條さんはいつになく落ち着いていない。

動揺しまくっている。

僕はお風呂場へ行きボタンを止めてある程度マシな服に着替えてから宮條さんの元へ行った。

「お待たせしました。」

「遅いですよ!さぁ早く行きますよ!」

「は、はい。」

完全に圧に負けている。

僕と宮條さんは車に乗り込み、全速力で美智香和の中心部へと向かった。


美智香和の中心部はオフィス、娯楽、ショッピングとなんでも揃っている。

僕が住んでいるあたりは美智香和の郊外で隣の市の畔蒜廳鵺あびちょうや市の方が近い。

だからこんなところには滅多に来ない。

なんなら濰纉颶埜魅夜いつくのみやの方が近い気がする。

美智香和の大通りは夜になっても人が絶えない。ここは薹卿とうきょうではないのだが。

そして車が行き着いた場所はほぼ全面ガラス張りの大企業の所有するビルだった。

車はそのビルの地下に入り車を駐車する。

車を降りるとたちばなさんや僕の母親、その他諸々の会社員と思われる人たちが深刻な表情をしていた。

何がどうなっているんだ?

ここに来るのも初めてなのにいきなりそんな表情されても、一体どうすればいいのか。

そして、地下を少し歩いた先にあるの3台のエレベーターが全て地下1階に止まっていた。

そのエレベーターに僕と宮條さんと母親、橘さんその他重役っぽい人が乗り込み、その他の人は他のエレベーターに乗った。

そして宮條さんが押した階数は25階この会社の最上階だ。

乗っている時間は短かった。

あっという間に25階に着きエレベーターを降りる。

その後は、早かった。

大きな会議室に入った。

その部屋は大きなプロジェクターと楕円形の机が中心に置かれて、その周りに沢山の椅子が並べられている。

重役の人達が続々と部屋に入り座って始まるのを待っている。

僕はその1番奥の突出しているところに座る。

エレベーターよりも長い時間がかかり、ようやく全員が座ったようだ。


「皆さん、御着席致しましたでしょうか?」

そう言ったのは、ここの専属弁護士の樹原きはらさんだ。

樹原さんは前に一度、記者会見の時に会っている。

記者会見を第三者から通じて色々答えてもらった。

そして、今はここで書類やプロジェクターのリモコンを持っており今から樹原さんのプレゼンテーションが始まるかのようだった。

「御着席頂けましたら、こちらの資料を配布します。」

樹原さんは部下らしき人と手分けしてこのプレゼンの資料を配布していく。

そして、僕の手にも資料は回ってきた。

資料のタイトルは、『経営権譲渡の可能性』

これを見て『あー、なるほど。』

と言ってみたいものだ。

だが、社員みんな驚愕の表情を浮かべている。

僕は隣に立っていた宮條さんに小さな声で聞いた。

「これってどういう意味ですか?」

宮條さんは腰を下ろして僕の耳に囁くように言った。

「つまり、あなたが社長じゃなくなる可能性があるということです。」

ということは、僕は社長という重い荷物を背負わなくていいって言うことじゃないのか?

「いいことじゃないですか。」

そういうと宮條さんは焦り始めて、

「あなたが社長ではなくなるということは、この会社は他の人に乗っ取られるってことなんです。こんなことすら奴は、絶対この会社をブラックにすることを狙っているんです。」

終始何言ってるかわからなかった。

次に樹原さんがこう言った。

「この会社は株式会社です。つまりは、株を所有する株主という人が存在している訳です。

その株というのは会社の経営にも口出し出来るほどの強大な力を持っており、株の半数を所有すると経営に口を出し会社の経営権を選ぶことができます。

以前までは、鈴木 郁弥ふみや様が、株の60%を所有しており現在は亡くなられているので、遺書の通りに分配して鈴木 稜駿様にその50%分を、鈴木 真由子まゆこ様に10%所有し、残りの40%は株主様が所有しています。

なので現在は過半数をお持ちの鈴木 稜駿様が総会を開いて経営権を変えることが出来ますが、それは鈴木 郁弥様の意向とは違うので承諾はできません。

ですが、その株がこの会社にいる何者かによって鈴木 真由子様の株の2%が流出していることが判明しました。

真由子様の承諾、売ってもいないのに流出するということは明らかに内部的な犯行と見られます。

この株流出は先週辺りに発覚し流出先は不明です。

もし、鈴木 真由子様の株全てが無くなってしまい、残り40%の株とその10%の株が1つに集まって50%であれば、鈴木 稜駿様が所有する50%と同じになり会社経営が難航し、さらには鈴木 真由子様の株が流出するということは、鈴木 稜駿様の株も内部によって流出される可能性がありそうなってしまうと、株が1番所有する存在Xによって総会を開かれて経営交代になってしまう可能性もあります。ですが、これはあくまでもの話ですので2%が流出したのは事実ですが、残りの40%と50%はまだ無事ですので、今のところは安心できます。

しかしながらこのようなことになってしまったのであれば、現在鈴木 稜駿様が所有する50%では危険です。

なので会社の株の3分2以上は所有しておけば安心です。ですが残り40%の人の株をさらに買い取るというのは難しいため今のところは現状維持という形になってしまいます。

以上で経営権譲渡の可能性を終わります。」

株、株主、50%、40%、10%、2%?

何それ美味しいの?

だけど、何かヤバイ状況だということは伝わった。

だけどその意味まではわからない。

その後は、何をしてるのかよくわからなかった。

社員が質問した樹原さんが答えるだとか、焦って取り乱していたりなど。

よくわからないまま会議は終了した。





あまり株とかには詳しくないので、?って思ったところがあれば作者も?ですのでご了承下さい。

(読み終わった後に書くことなんですかね?)


ですが、会社がヤバイということはわかった筈です。

そうなんです。ヤバイです。

前回のアレは、一体何だったのでしょうか?(意味深)


それでは読んで頂きありがとうございました。

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