判決する日常
第63話 ~判決~
「判決を言い渡す。文芸部を廃部と処す。」
「そんなーーーー!」
「廃部なんかにさせません。」
文芸部の色々な問題点について、先輩と戸田先生で話している最中、何故かこの話題になった。
僕が裁判長、先輩が被告人、先生が弁護士。
「本当にマズイですよ、2人とも。もし、生徒会がこのことに気づいているのなら私は、懲戒免職かもしれません!」
「落ち着いてください。流石にそれはないですよ。」
弁護士が怖気付いた。
「私が廃部を取り払ってあげるわよ!」
「先輩が消えてくれれば全ての問題は解決しますよ。」
「なんてこと言うの!君はそれでも私の後輩なのかい?」
「先輩の後輩にはなりたくなかったです。」
「ちょっと後で締めてあげるから人気のないところに来なさい。」
「殺す気ですか!」
そこで戸田先生が入り込み、
「もし、活動停止になった理由が、このことであれば廃部は近いかもしれないわよ。私も無職にー!」
「流石にそこまではありませんって。」
「じゃあどの程度なのよ!」
先生が焦っているのを見たのは初めてだ。
「免停くらい?」
「ちょっと泣いていいかな?」
「やめてください。」
「だって、教師歴3年の私がもう免停とか誰も私を拾ってくれないでしょ!」
「だとしたら人生これからじゃないですか。」
「人生バッドエンドだなんて言わないで!」
「誰も言ってませんよ!」
「私もしかして親の脛齧りのニートにジョブチェンジするの?それはそれで•••」
「戸田先生!」
先輩が声を張り上げた。これはもしかして•••
「ニートの世界へようこそ。」
期待と違う。
「あぁ、先輩。」
先生も違う!
「ちょっと先生も先輩もどうかしたのですか?ニートって。先輩ニートじゃないですよね。先生もニート先輩と同類になってはダメですよ!」
「はっ!確かに。私はまだ教師。先輩にはまだ到底及びません!」
「うふふ。ひれ伏しなさい。」
「先輩、調子に乗らないでください。先生、ニートを崇めないでください!」
女王様気取りの先輩と本当にひれ伏す先生。
このカオスな状況から誰か助け出してくれ!
「失礼します。」
扉が開けられた時には2人は定位置のパイプ椅子に座っていた。
さっきまで足を組んで座っていた先輩と本当にひれ伏していた先生が、あの数秒でどうやって座ったのかが知りたい。
ここは生徒会室の前。
丁寧に3つのパイプが用意されていたので腰掛けていた。
扉を開けたのは神楽坂さんだった。
「何か用ですか?」
先生がそう聞く。
先ほどのアレはどこへ行ったのやら。
「そのことについてなんだけど。生徒会のみんなで一度話してみると、部活の再開は来週からだって。」
1ヶ月停止よりよほどマシなな提案だ。
「うん。わかっ•••」
そう言おうとした時、
「ダメ。なんとしてでも文芸部を取り返すわよ!」
「先輩、神楽坂さんの言ってること分かってます?」
「大変だね。鈴木くん。」
「見てないで助けてよ。神楽坂さん。」
「あっ、だけどちょっとだけ文芸部には奉仕活動をしてもらうってことになったから。」
そう神楽坂さんが言うと、
「ちょっと待って。懲戒免職も免停もなし?」
「?」
神楽坂さんは何言ってんだこの人と言う顔をしている。
「あっ気にしないで、神楽坂さん!」
「う、うん。」
なんだろう、このカオス。
まぁ、とりあえず廃部は免れたことだし一件落着なのかもしれない。
先生も曲者化しているって?
そうかもしれません。文芸部の部員はちょっと•••って感じがします。(部員全員がそうだとは言ってませんよ。)
次回は、またお咎めかもしれません。
それでは読んで頂きありがとうございました。




