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陰キャの日常  作者: 陰キャ代表
第1章 いつもの日常
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陽キャと陰キャの日常 〜陽キャと陰キャの過去〜

第7話 ~陽キャ死ね‼︎~


神楽坂さんとは、あれ以降、喋ることなく、クラスのみんながゾロゾロ集まってくる。

そして、朝のホームルーム。

学代の司会進行の後、担任のみなもと先生が、今日の連絡事項を言っている。

「保護者会の出欠確認のプリントなんだが•••」

こんなの、自分はかなり前に出していて関係がないので、聞きもせず、頭の中で自分の好きな音楽を聴いている。だが、

「提出していないやつがいるな。特に、寺野。お前の保護者はP.T.A.の副会長なのだから出席してもらわないと困るのだから明日必ず持ってこいよ!」

「ウィー。」

寺野はよくわからない返事をした。

なんだ?その返事は。先生はそんなことは言わなかった。

もう諦めているのだろうか。

だがその返事からして、提出する気がないことがわかる。

この先の展開は目に見えているだろう。


あのタチの悪そうな男は、

寺野てらの 忠彦ただひこクラスの中心的人物で、普段からあのように態度が悪い。

何をしたらあんな態度になるんだろうか。あいつを反面教師にするべきか?

いや、十分に反面教師をしてくれて、今はこの状態だ。

反面教師ということは、陰キャの逆。

そう陽キャである。


源先生が今日の連絡事項を話し終え教室から出て行く。

一時限目は、英語。

そう、頭のおかしい堀田先生だ。

源先生が出て行って数分後にチャイムが鳴り、堀田先生が入ってくる。

「はい。please stand up!」

そう言ってみんなが一斉に立つ。

ほぅ。今回は三佳月は何も言わなかった。

そのまま授業が始まる。

数10分間授業のポイントを話していたが、

「はい、それでは英文に直してみましょう。そうですね。じゃあ鈴木くん。『フランスは日本よりも大きいです。』はい訳してください。」

ふざけるな。手挙げてないぞ!

まぁ。適当に当てられるのは別に構わないのだが、これは本当にランダムで当たっているのか?

5回に1回僕が当たる。

これは、不公平だな。そう言いたいが、言ってしまったら、三佳月のようになってしまう。

それは、避けたい。だから言う。

「France is larger than Japan.」

「はい。そうです。」

みんな僕を哀れな目で見る。

代わりに言ってくれよー。

と言いたいが、みんな理解している。そんなことをすると、堀田先生の牙の矛先は自分に向くと。

もっと公平にしてくれたらいいのに。いやていうか僕を贔屓ひいきしてほしい。

そんな切実な願いは叶うことなく。次の人へ矛先が変わる。

「では次に、寺野さん。『ナイル川は世界で一番長い川です』を訳してください。」

「えっ。知りませんよ。」

はい。今回地雷を踏んだのは、寺野だ。

「知らないではありません。答えてください。さぁ。」

堀田先生はそういうが、

「いや、だからわかりません。」

「言ってることが違うのではありませんか。わからなくても言う!」

そんな無茶な。多分みんなそう思っているだろう。

「えっー。Nile River is large river.」

一応言う、寺野だが堀田先生は、

「違うー。話、聞いてました?」

「はい。聞いていないから今この状況になっているんですよね。」

そう言うが、

「そうですよ。わかっているなら最初っから話を聞く!でさっきの例文訳してください。」

それでも無理難題をぶつける堀田先生。

それでもうしびれを切らしたある生徒が、堀田先生にバレないように、寺野に耳打ちをする。

「それは、The Nile River is the longest river in the world.」

「おう、サンキュー。」

感謝の意が篭っていない感謝をすると、早速、

「The Neil River is the longest river in the world.」

すると、堀田先生は呆れたように、

「わかっているじゃないですか。ちゃんとポイントを聞いておいてください。」

堀田先生は、授業に戻った。


チャイムが鳴り堀田先生の授業が終わり、休み時間。

三佳月はどこかに言ったようで、神楽坂さんも他の人と話していて今は、1人。

読書をしようと本を取ろうとすると、

「お〜い、稜駿く〜ん。」

人の名前を見下すように話しかけてきたやつは他でもない、寺野だった。

その周りには人が集り、邪魔だ。

もう、興味がないので、小さな声で、

「なんですか。」

そう言う。それを聞いた、寺野はそれをスルーするかのように、本題に移った。

「こいつと俺、どっちの方が気持ち悪い?」

そう言って、寺野と側にいた生徒が、急に変顔をし始めた。

気持ちが悪い。見ていて不快だ。

「あの、知っていますか、好きの反対は嫌いではなく、無関心なんですよ。僕は、あなたに興味も関心もないんですが。」

そんなことを言うが気にせず寺野は、

「そんなこと、どうでもいいから、さぁ早く。」

どうでもよかったので、

「どっちも。」

仲良く気持ちが悪い。と言ってやった。

が、寺野は、

「やっぱり、稜駿くんは面白いねー。」

そう言って他の人が笑う。

訳がわからない。

「で、それがどうかしたの?」

僕はそう聞くと、

「いや別に、それだけ。」

おい。フザケンナよ!と言いたいが、理性がそれを止める。

それだけ言い残して、寺野と他の人も何処かへ消えていく。

やっぱり陽キャは意味がわからない。

マジ死ね。


第8話 ~あー友達って....part III ~


別に寺野とは友達だとは思っていない。

こども園からの幼馴染だとしても現在は対極の存在。それが例え自分が元陽キャだとしても、寺野を友達だとは思わない。

ここからは、少し昔話をしよう。


美智香和こども園の年長の頃。

僕と寺野は仲が良かった。

その仲は、母親同士が仲が良かったためであったが、

2人で、青葉組の人たちを笑わせていた。

別に大したことでもないことを2人で話し合ったり、一緒にグループを組んで遊んだりと、その頃は何もかもが充実していた。

今は嫌だと思っている、外でも遊んでいた。

それも元気よく。

そして、美智香和こども園を卒園するとき、ちょうど引っ越しが決まった。

そして、疎遠になった。

だが、また美智香和に帰って来た。

一年生は違うクラスでわからなかったが、二年生になって同じクラスになるまで、ずっと忘れていたが、思い出した。


そして、今に至る。

寺野は僕に気づいているのかいないのか、わからないが、あの時とは違う僕を見てまだ気づいていないのかもしれない。

あまりにも対極の存在。

あまりにもあの時とは違う僕。

僕が変わって、対極をではなく対等の立場になるか。

それとも、今までと変わらず対極の存在としていくのか。

そんな悩みが頭の中でグルグル回転している。

難しい問題。

授業では習わない問題。

1人の人間として僕はどう考えるべきか。

一体どうすればいいだろうか。



人と会うたび主人公はこんな考えばっかりしていて、なんだか人間不信のような状態です。(人間不信ではありません。)

陰キャの鈴木は元陽キャ。

そんな衝撃事実が発覚したのに重みが無いというか、なんというか。


そんなこんなで、次回は、新たなお友達2人が出てきますが、重い話ではありません。普通に陰キャの日常です。崩壊の前の安らぎは必要ですから。


また、「陰キャの日常」のスピンオフのタイトルが「陰キャの日常 if」 にしました。

ifの意味は、「もし」この「もし」に掛かることは、主人公がある決断をしなかった世界のことを指しています。ある決断はまだまだ言えませんが、「陰キャの日常」とは別世界なので、「if」の方だけ読むというのもアリかもしれません。


それでは、今回も読んで頂きありがとうございます。超ゆっくりペースで投稿していますが、付き合ってくれると嬉しいです。





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