抗議する日常
第62話 ~抗議~
翌朝の7時50分。
先輩は来なかった。
?
あの人の頭は既にパンクしているようだ。
『いやーーーー!』なんて言って逃げ出して家に帰り荷物を全部、梓川 妹に持たせて帰った最低で卑劣な先輩のことはもう野放しにしている方が楽だ。
あの後宮條さんが僕に対してペチャクチャ説教していた。
説教するなら先輩にしてほしい。
肉親では説教するが他人の子供であれば怒らないよくあるやつだろう。
宮條さんは肉親ではないか。
だからと言って僕に言われてもな。正直この件に関しては宮條さんも悪い。
だが1番悪いのは梓川 翔子先輩。
先輩が強制的に家に押し入った感じだ。
放課後、先輩が宮條さんが運転する車の前で出待ちしていた。
こんなの断るに断れない。
最初は無理です。と言って帰ってもらおうとしたのだが、宮條さんが「面倒なんで連れて行ってはどうですか?」と言われて仕方なく連れて行っただけで後に宮條さんもしかあの問題児の破壊力が凄まじい牙を向くことに気づかされた。
「お菓子もっといっぱい持ってきてー!」
「何?この紅茶美味しい!おかわり!」
などで来客用の菓子や紅茶の茶葉が品薄状態だ。
挙句の果てには逃げ出したものの家が広すぎて迷子になり宮條さんが救助していた。
先輩がいると宮條さんの仕事が増え、梓川 妹は荷物持ちになり、僕は振り回される。理不尽すぎるだろ!
そしてサボる。
前に文芸部に来なかったから6時までみっちりやらされた•••?
そういえばあれも夢だったのか?
どこからが夢なのだろうか?
ってそもそも寝る前の記憶が何1つない。
いつからが夢でいつからが現実なのか?
考えるほどこんがらがる。
多分、先輩が僕を呼び止めた所から夢なのだろう。
現実ではいつも通り家に帰りそのまま寝たのだろう。
そういえば、先輩のあんな怠惰を知ったのは夢でだよな。それまでは先生とコンクールについて企画して、作品の良さの発表も全部良かった。
まるで先輩が別人みたい。
いや、人前では流石に怠惰を見せないのだろう。
僕も一応他人なんだがな。
長い廊下を歩き終えやってきたのは2年5組の教室。
ちょっと頼むだけ。
部室だけでも使わせて。と頼むだけ。
先輩が家に居座られて困ってる。と言えばいい。
よし。僕は扉をあけた。
「おはよう。神楽坂さん。」
「うん、おはよう。」
「あの、その頼み事なんだけれども、部室だけでも使わせてくれないかな?」
「どうして?」
「それは、今執筆中の作品があってもうしばらくで大会の締め切りにも近くて。」
「•••ごめん、鈴木くん。それはできないよ。少なくとも後1ヶ月は閉鎖したままで今後の方針を決めるから。」
大会の締め切りまでもう1ヶ月も残っていない。
正直、僕はそんな大会のことはどうでもいいが、頑張って書いている先輩以外の人たちがより良い環境で書けるようにするにはやはり部室だけでも取り返さなくてはならない。
「部室が封鎖になってるから、何故か梓川先輩と妹さんも家に来て執筆していて暴飲暴食でお菓子と紅茶の在庫がないから使用人の人達もどうにかしてって苦情が来て。だからせめて先輩だけでも部室使わせちゃダメかな?」
「先輩ってもう退部してるよね?」
「あっ!そのOGとしてお手本を見せてもらってるんだけど、邪魔で仕方なくて。」
「先輩は受験勉強してないってこと?」
「えっと、執筆の手伝いと勉強を交互にしてるんだけど、先輩もちょっとは静かな場所で勉強させてあげたいなー。と思って。」
「なんだか話がぐちゃぐちゃになってきていない?」
「そんなことないよ。とにかく先輩のためにも部室を使わせてくれないかな?」
「うーん。わかった、一度生徒会のみんなで話し合ってみるよ。」
「ありがとう。神楽坂さん。」
「別にいいよ。梓川先輩も大変だね。じゃあ鈴木くん、美智香和ノート提出しに行こ。」
大変なのはこっちなのだが、まぁいいや。この調子で行くと部室も使えることになるかもしれない。
本当に、どうして生徒会会計がそんなことを言うのだろうか?
•••
一瞬頭に過るものがあった。
部費の申告の改竄。
原稿用紙を無断で買ったこと。
支給額にあっていない。
マズイかもしれない。
それに戸田先生も改竄に関与している。
廃部は近いような気がする。
そして、今日の放課後。
「帰ってくれます?」
「お断りよ。」
「じゃあ質問してもいいですか。」
「お断りよ。」
「どうして、今日の朝来なかったのか説明してもらえますか?」
「あぁー、ごめんごめん寝坊しちゃって。テヘペロ。」
軽く舌を出しごめんなさいとか言う先輩。
「全然可愛くないです。」
「冷たいわねー、そう言う人ほど女ウケは悪いのよ。」
「女ウケなんてどうでもいいです。特に先輩に女ウケしても僕が嫌ですよ。」
「酷いわよね。」
「怒ってる理由分かってますか?」
「知りたくない。」
「梓川 美野里さんも何か言ってください!」
「お姉ちゃんは悪いことしてないわよ!」
「どこをどう取ったら悪事をしていないと言い切れるのかが知りたいですよ!
というか、梓川 美野里さんはいつも荷物持ちでそれでいいのですか?」
「別にいいわよ。お姉ちゃんのいい香りが漂って•••」
「ごめんなさい。変なこと聞きました。」
このシスコンめ!
その言葉を聞いていたのかはわからないが先輩が、
「すみません!この紅茶のおかわりください。」
明らかに聞いていなかったようだ。
「ここはファミレスじゃありませんよ。ファミレスに行ったらどうですか?」
そして論破すると先輩は責任から逃れ荷物はシスコンの梓川 妹が請け負った。
本当に面倒な姉妹だ。
えっと、特に、書くことが、ありません。
そうですね。雑談程度に、昔『陰キャの日常if』で書いた『陰キャの日常if 〜◯◯◯◯〜』について話しましょう。
この本の中で重要になってくるのは第5章と第1章のある部分です。
確か、以前『陰キャの日常とifをつなげるお話』だとか書いたと思います。たしかにそうなんですよ。
でもどうつなげるのか?
それが第5章です。
ちなみに『?の日常』で登場した人物3人もこの『陰キャの日常』ではあまり関係ありませんが、〜◯◯◯◯〜では重要人物です。
まぁあの人達が何者なのかもわからない状態で重要人物だとか言われても、『は?』となる気持ちはすごくわかります。ですがネタバレするわけにはいきません。
鈴木 稜駿のある決断が、この話を盛り上げてくるので決断は要チェックです!
大丈夫です。鈴木 稜駿の決断は壮大だと思うのでチェックしなくても分かりますよ。(多分•••)
長々と雑談をしてしまいましたが、次回は、
生徒会の判決です。
それでは読んで頂きありがとうございました。




