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陰キャの日常  作者: 陰キャ代表
第5章 燃える日常
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CASE β の日常

第54話 ~β~


「どうして、行き止まりが、ないんですか!」

「でも、行き止まりがあると、捕まっちゃう、わよ!」

僕たちは謎の黒い物体に追いかけられている。

「ど、うするの、お姉ちゃん」

みんな息を切らしているが、それでも走り続けている。

「とにかく、はしるのよ!」

そして、しばらく走ると、

「えっ、また、階段が。」

「もう、嫌です!」

「でも、行くのよ!」

そして、先輩はまた僕の手を掴む。

「お、姉ちゃん、置いて、かないで!」

そして、ようやく階段を登り切ると、

「あれ、追いかけて来た奴が、いない。」

「一体、どうなってるのよ!」

「先輩、あれを、見てください。」

僕はそう言って先輩の方を指差した。

「何、何があるの?」

先輩がスマホのライトを当てると、

それは、あの机と中に埋め込まれている時計だった。

「えっ、嘘!また戻って来たってこと?」

なんとか落ち着きを取り戻して来た梓川 妹がそう言う。

「多分、違うと思うわ。だってこれ。」

先輩は、梓川 妹に時計を見るように促した。

そこには、

『CASE β』

と書かれていた。

「つまりここは似ているけど別の部屋ってこと?」

「そう言うことになるわね。だって黒い奴に追いかけられた時も曲がり道なんてなかったし、ずっと一直線だったわ。」

「じゃあ、シャッターが閉じている間に音楽室の扉がなくなって、別の部屋に繋がっていたということですか。」

「そうだと思うわ。」

「じゃあ、音楽室の扉はどこに消えたのですか!」

「わからないわ。でも、別の道がまだあるようね。」

そう言って先輩はライトを机の奥を照らした。

「まだ道があるんですか。」

「これは進むしかないわね。それにまた階段。」

「早く、家に帰りたいです。」

「それは、私たちみんな同じよ。さぁ早く行きましょ。」

そう言ってまた僕の腕を先輩は掴む。

「もう、逃げませんから。見捨てませんから、離してもらっていいですか。」

「そうよ、お姉ちゃん。」

意外にも梓川 妹がフォローしてくれた。

「本当に、信用してもいいの?」

「大丈夫です。何があっても逃げません。というより逃げられませんし。」

「まぁそうね。ちゃんと付いて来てよ!」

「もちろんです。怖いですから。」

「鈴木くん。男の子の言うセリフじゃないよ。」

「怖いものは怖いですから。」

「まぁとにかく行きましょ。」


そして、階段を降りて数メートルもしないところに、扉があった。

「あっ、先輩!やっとゴールです。やっと家に帰れますよ。」

「よかった。私、決めたわ。これから絶対に怪しいと思う場所には近づかないわ。」

「私は、幽霊は本当にいて楽しかったわ。」

「•••••••••帰ろっか。」

少し黙っていた先輩だったが、ドアノブに手を掛けて扉を開けると、


何もない荒野が広がっていた。

扉の部分はコンクリートでできていてほかに建物らしきものが見当たらない。

山火事でも起きた後なのか地面が黒い。

すると、

『グレネード!』

と誰かが言って緑色をした玉が転がって来た。

「なにこれ?」

そう言って先輩が緑色の玉を拾い上げる。

すると、梓川 妹が、

「お姉ちゃんそれ投げて!」

必死にそう言い先輩は何?という表情をしながら

「わかった。」

そう言って先輩は飛んで転がって来たところにもう一度転がした。その瞬間、

『ドカーン』

とものすごい音がして、緑色の玉が爆発した。

「ぐはっ」

緑色の玉を転がした付近からそんな音が聞こえた。そして、

「突撃ー!」

誰かの声ですぐそばの岩場から迷彩柄の服を来た人たちが出てきた。

その人たちは、黒くて引き金のある典型的なハンドガンというやつで僕たちの方を撃ってきた。

「お姉ちゃん!早く扉閉めて!」

「なに?」

そう言いながら先輩は扉を閉めた。

それと同時にハンドガンの弾が鉄扉にあたり

『カンッ』という音が何度も聞こえた。

「美野里、あれは何?」

「お姉ちゃん!無事?」

「えぇ、もちろん。あれは何?」

「お姉ちゃんを殺そうとしていたのよ!危なかった。あと少しでお姉ちゃん死ぬところだったのよ。」

「えっ、嘘!」

「危なかった。」

「ってことはあれは出口じゃないわね。でも確かに外だったわよ。でもここって3階のはずよね。どうなってるのかさっぱりだわ。」

「もしかすると私たちもう旧校舎にはいない。とか。だって私たち眠っていたのよね。その間に誰かに運ばれたりだとか。」

梓川 妹がそう言う。

「だけど、誰が何のために僕たちを運んだのだろう?」


「これからどうする?この扉を開けたらまた殺されるかもしれないし、後ろはもうちょっと行きたくないし。」

「だから僕は扉を開けるのに賛成します。」

「私もその方がいいと思う。」

梓川 妹もその案にのりもう一度扉を開けることになった。

「今度は僕が開けますよ。」

「わかったわ。でも気をつけてね。」

僕はドアノブに手を掛けて、

「行きますよ。」

2人とも頷いたのを見て僕はゆっくりと扉を開けた。

だが、

「あれっ?」

そこにあったのは階段だった。

「外には繋がっていない?どう言うこと?」

「外はどこに行ったのですか?」

「もしかすると、そもそもあれは外じゃなかったとか?」

「とにかく上がってみましょう。」


今回、何をコンセプトにしているかというと、まぁネタバレになるので言いませんが、この怪談を通して伝わることがあるということです。

ただちょっと七不思議とは関係がなくなってしまいますが。

特にこのCASEというのは重要語句です!

テストに出ますよ! (出ません)


次回は CASE γ です。


それでは読んで頂きありがとうございました。


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