CASE α の日常
第53話 ~α~
「この時計を一体何に使うのかが知りたいです。」
僕がそう言って時針をクルクル回す。
「それは、わたしも同じよ。それに解けなかったから私たちは一生ここで生活する羽目になっちゃうんだから。」
「その前に飢餓で死にますね。」
「お姉ちゃん、この部屋この時計以外何もない。」
「じゃあこの時計の謎を解くしかないのね。」
そう言って先輩はペタペタ机を触る。
「何かないのー?隠しボタンとかヒント見たいなものが。」
「そもそもここって屋根裏見たいなところのはずですよね。なのに、なんでこんなにもこの部屋は天井も高くて広いんですか。」
「私に聞かれても。」
先輩がそう言ったその時、
『カチャ』
「ん?お姉ちゃん何かした?」
「うん。これ触ってたら急に。」
「何か新たな道か何かですか。それなら出口につながっていて欲しいです。」
『ガシャン』
するとその瞬間、屋根裏のはずなのに上からシャッターのようなものが階段を塞いだ。
「えっ、またですか。閉じ込めるのはもう充分です!」
「そんなこと言って開くわけないでしょ!」
「先輩、何を押したのですか!」
「そ、そんなこと言われても机を触っていただけだから。」
「お姉ちゃんを責めるのはやめて!」
「じゃあどうする?このままだと本気で餓死で死ぬよ!」
「お姉ちゃん!あの紙見せて。」
そう言って、梓川 妹は紙をもらい。
「これよ!暗号の最初の部分『⇨6、⇦4』ってやつよ。きっとこれを。」
そう言って梓川 妹は時計のところへ行き、時針を時計回りに6時のところに合わせて、反時計回りに4時のところに合わせた。すると、
『プシューーーーー』
「えっ、何?美野里、何をしたの?」
「私は暗号通りに時計を回しただけよ。」
「ちょっと眠気がしてきました。」
僕がそう言い、直ぐに
『バタン』
と倒れた。
「これってもしかして睡眠•••」
『『バタン』』
全員倒れてしまった。
そして、
『ガラガラガラ』
とシャッターらしきものが開いた音だけが聞こえた。
「んー•••••••」
目を覚ますとそこには何もなかった。
階段と時計とおまけにすぐ近くに先輩と梓川 妹が寝ていた。
「夢じゃないのか?」
正直こんなの全て夢であって欲しい。
僕は近くにいた先輩を揺らして、
「起きてください。」
そういうと、
「あ、あと五分。必ず起きるから。」
「すみません、ここは家ではありませんよ。まだ旧校舎だと思うのですが。」
そういうと、先輩は目を覚ました。
「何か睡眠ガスのようなものが撒かれていたんだと思うわ。」
そう言いながら先輩は梓川 妹を起こす。
「もう、朝?」
「朝だと思う?」
「真っ暗だね。」
「一体どのくらい寝ていたのでしょうか。」
「さぁ、わからないわ。でもシャッターは開いたようね。」
「ちょっと待って、あそこに何か落ちてる。」
梓川 妹が時計の近くに何かが落ちているのを発見しこちらに持ってくる。
「お姉ちゃん、これ何?」
それは筒状で真ん中にボタンがあるもの。まさしく
「懐中電灯ね。」
「最初、ここに来た時はこんなのなかったわよ!」
「えぇつまり誰かが持ってきた。」
「えっ。やっぱり誰か居るのですか!」
「その可能性は高いわね。あれっ?私たち箒やバケツってどこに置いたかしら。」
「確かにないですね。これも、誰かが持って行ってしまったと。」
「ちょっと、これを見て。」
そう言って梓川 妹は手招きをする。
「何?」
「これ、何か書いていない?」
梓川 妹は時計に何か書かれていると言い先輩はスマホのライトを当てる。
『CASE α』
「?どういう意味。」
先輩は全く分かっていないようだ。
僕もあまりわからないけど。
「『ケース エー』ってことですよね。」
「ケースって何?エーって何?」
「もしかしたら『ケース アルファ』って読むのかも。」
「アルファって何?」
「アルファってギリシャ語のアルファベットのことよ。」
「じゃあ普通に英語読みでもどっちでも良くない?」
「多分、何か意味があるんだよ。」
「あーーー!もう、訳がわかんない!とにかくある道を進みましょ!」
「でも先輩、シャッターが開いただけで道は変わっていないと思うのですが。」
「とにかく行くのよ!この部屋に残っていてもよくわからない英語かギリシャ語が出てくるだけなんだから。」
そう言ってまた強引に僕の腕を引っ張る。
「痛いです!そんなに強く引っ張らないでください。」
「あっお姉ちゃん待って!」
僕たちは階段を降りて行った。
「おかしいわね。」
「何がおかしいのですか。」
「こんなにも長い距離、歩いたかしら。」
「まだ10分しか経っていませんよ。」
「もう10分も経っているじゃない!おかしいわ、ここは一体どこ?」
「考えたくないです!もう10分も歩いているのに行き止まりすらないって。だからまだ10分しか経っていないと考えるのはどうですか。」
「鈴木くん、しっかりして!やっぱり引き返しましょう!」
そう言って先輩は後ろを振り返る。
「ん?眩しよお姉ちゃん。」
「••••••て。」
「なにか言った?」
「逃げて!」
そう言われて全員後ろを振り返る。
黒色の服を着た人型の何がこちらにゆっくり近づいて来ていた。
「「きゃーーーーーー!」」
「うわっーーーーーーー!」
僕たちがその場から逃げ出すと、相手も走り出した!
さっぱり意味がわからなくなってきたって感じた方は必ずというかほとんどの人が感じていると思います。
今までの話とはかけ離れているので、
もう『夏休み特別編:燃える日常』とでも思っていてください。
ですが今後のストーリーには少しだけ影響があるのでまぁ読むか読まないかは読んで欲しいですが、読んでも筆者が今日も活発に執筆することができるだけなのでどちらでもいいです。
次回は追いかけられるところからです。
それでは、読んで頂きありがとうございました。




