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陰キャの日常  作者: 陰キャ代表
第4章 決着する日常
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明らかになる日常

第41話 ~進まない審議~


もう水曜日だ。

今日も会議室で審議だが、みんな黙ったままだ。

俺もそうだが、みんな何を話せばいいのかがわからないのだと思う。

ほぼ前の班は崩壊して新たな班が形成されるはずが俺が手を挙げてなんとか阻止した。

班の形成は、成績欲しい組と欲しくない組。

それぞれ5対5できっちり別れてしまったのも難点の1つだ。

ちなみに成績欲しい組が、『小松原、鬼龍院、矢島、浜井、藤井』で、成績欲しくない組が『俺、柳、瀬尾、鈴木、三佳月』だ。

そして、緑川先生も何も言わずに溜息ばかりしている。

審議中だが、柳は勉強をして鈴木と三佳月は読書で時間を潰し、向こうの班はボートゲームか何かで遊んでいる。

これが審議というものなのか?

みんな自由に過ごしているが、本当にこれでいいのだろうか。

それに緑川先生が何も言わないってことはまだルールは無いというルールだったか?

まだ審議が始まって5分ほどだったが、誰も校外学習のことについて話をしない。

2日目にして飽きたのだろうか?

気持ちは分からなくも無いが、もう少し努力したらどうなんだ。

そう思い俺は、

「おい、お前ら•••」

「待って、寺野さん。」

突然、柳に声をかけられ俺は黙り込む。

その様子を見ていた他の人たちはそれぞれ好き勝手にしていたことを続ける。

もう少し興味関心を持って欲しいが••••

瀬尾だけ俺たちの方を見ているが。まぁ目の前でこんな光景を見るのは辛そうだ。

瀬尾は先程から何もしていない。

不自然なほど。

だがすることがないのだろう。

「なんだよ。」

「ここで何を言おうが意味ないわ。みんなもう飽きている。」

「じゃあどうするんだよ。俺とお前は成績欲しくないんだろう。」

「えぇ。でも相手にあげない訳じゃない。」

柳は成績も優秀であるため成績が必要ないということだ。

柳は他人のことなんてどうでもいいと思う節がありそうだ。

だが、俺は違う。どうせなら欲しいが、もらってしまったらまた俺と鈴木の距離が広がってしまう。

多分、頭脳明晰の柳を打ち破ったとして注目を浴びて元に戻ろうとしていたのに余計に広がってしまう。

それを阻止するためにこの校外学習で差を縮めようとしたのに意味がなくなってしまう。

そして、急に柳が

「寺野くん。今日の放課後付き合ってくれる?」

至って真面目な顔をしている柳。

俺が想像しているものとはどうやら違うみたいだ。

「何かあるんならここでさっさと言ってくれればいいじゃん。」

「それは出来ない。今言ってしまったら大変な事になる。」

言葉はまるで告白の前触れなのに顔がどうもそういう雰囲気じゃない。

「わかったよ。」

はぁー、どうせならもっと可愛いくて、優しくて、スタイルが良くて、完璧じゃなくてちょっと落ち着かない部分があって•••••••••••••••••••••••な人がが良かった。



30分が経過してみんなが帰るが、俺と柳は会議室に残ったままだ。

「何か用があるならさっさと言ってくれ。」

急かすように言うと柳は、

「わかったわ。できるだけ手短に言う。校外学習あなたはどう過ごした?」

「普通に過ごした。」

「あなた本気でそれを言ってるの?じゃあどうして睡眠薬が盛られていたり、瀬尾があんなところで倒れていたのか分かる?」

「まさか、お前がやったのか?」

「そんな訳ないじゃない。だって毒キノコの注意書きをわざわざ置いておく親切な人なのにどうしてそんなことをするの。」

「じゃあどうして、俺たちが倒れた理由が睡眠薬だってこと知ってるんだよ。誰にも言ってないぞ。」

「疑い過ぎよ。私じゃないって言ってるじゃない。じゃなきゃわざわざあなたを呼び止めたりしないわ。」

「じゃあなんで呼び止めたんだよ。」

「犯人を知っているからよ。」

「えっ?どういうことだ?」

「あら、ビックリさせちゃいましたか。犯人は確実にこの2つの班の中に潜んでいるんですよ。

そう断言できる理由は、

昼食の時、あなたの班と私の班そしてもう1つ班がありました。

もうこの時点で、犯人はこの3つの班に絞られます。だってルートが別々な他の班を犯人にするのには無理があります。A地点の場所もわからないのにまずたどり着くことができらはずがない。

じゃあこの3つの班の中から、私達以外の班を犯人じゃないと言える理由が、私達より先にゴールへと向かっていたからです。

ですが、残念ながら毒キノコにやられてしまいましちなみに毒キノコを盛ったのは私です。あの班は邪魔でしたから排除して、リタイアさせました。

となると、残るはあなたの班と私の班のみ、もう1つの班は全員腹痛で睡眠薬なんて入れる暇もありません。

じゃあ誰が睡眠薬を盛ったのか。

もう答えは見えてきましたか?」

そう言って柳はニヤリと笑った。

「睡眠薬が投与可能な奴らは柳の班全員と、鬼龍院だ。あいつは何故小松原の料理を食べなかったんだ?今思えばあいつがやったとすれば、睡眠薬を投与する時間だってあったはずだ。」

「甘いですよ。寺野さん。じゃあなんで鬼龍院さんは、わざわざヘリコプターに乗る前までは懸命にみんなを助けようとしたのかわかりますか?」

「俺たちが1番にゴールするため。」

「じゃあなんで瀬尾をわざわざヘリコプターに乗

せたのでしょうか。正直、瀬尾を助けるメリットはありません。厄介な人物が1人増えるだけです。仮にヘリコプターに乗っていた人が乗せろ!と言われたので乗せたのであれば、何故ゴールの地点で、瀬尾をあの中に入らせたのですか?」

「そんなの誰も知らないからに決まってんじゃないのか?」

「確かにそうです。ですが、こんなことをして最後の最後で、こんなミスをしますか?鬼龍院さんは慎重な人です。彼が犯人ならそんなミスをしたりしません。慎重だからこそ小松原さんの料理を食べなかったのではないでしょうか?」

「たしかにそうだが、じゃあ誰が犯人なんだよ!」

「残っているのは私の班の人のみですよ。私以外の人であれば1番しっくりくる人は誰ですか?」

誰が犯人なのか検討もつかない。

柳が犯人じゃないのなら、犯人は瀬尾、矢島、浜井、藤井の4人。

だが瀬尾はむしろ被害者だろう。

残るは3人、この3人には全く接点が無いため全く見当がつかない。唯一ある矢島とだけだが、スパイをするほどだから睡眠薬を盛るとは考えにくい。

じゃあ浜井と藤井の2人だ。

こいつらの中に、俺たちを陥れて得するのは誰なのか?

この2人は成績が欲しい。

じゃあ睡眠薬を入れると言うのにはどちらも納得できる。

そして、柳が

「随分と長い間考えましたけどわかりましたか?」

「あぁ。あと2人なんだどっちかが犯人なんだよ。」

「誰と誰で悩んでいるんですか?」

「浜井と藤井だよ。」

すると柳はお腹を抱えて、

「ハハハハハ。違いますよ。あの2人は面倒なことは避ける性格上そこまでして成績を手に入れようとはしません。」

「じゃあ誰なんだよ。」

「こんなの簡単ですよ。誰があなた達を眠らせて利益があるのか。

それを考えた場合1人該当する人物が出てきます。

犯人は瀬尾です。」

「はぁ?意味がわかんねーよ。」

「瀬尾は倒れていた。確か気絶した理由は誰かに殴られたからですよね。

じゃあ誰が殴ったのか、それは瀬尾自身です。

まずあなた達の班は猿を見ている間に睡眠薬を投与しておき、私たちが出発する頃瀬尾は“トイレに行く”と言っていましたが、実際には睡眠薬を投与してその次出発して5分ほどで“忘れ物をしたので取りに帰る”と言って自分を殴り気絶して、あなた達の班が通るときに見える位置に瀬尾は気絶しておきます。これが通常ならば瀬尾は自分を殴っておりそして、周りにはあなた達が倒れている。

つまり寺野の班に暴行されたと学校側に訴えて、罰を受けてもらうという仕組みだったんですよ。

ですが、あなた達の行動が予想外の行動になってしまい、作戦は失敗に終わったんです。

ではどうして、そんなことをすると瀬尾は得するのか。それは寺野さんの力で考えてください。

では私はこれで。」

そう言って声もかける暇もなくすぐに出て行った。

何故瀬尾があんなことを。いや。その前に何故柳が瀬尾の作戦を知っているんだ?

誰が1番怪しいのか、それは柳だ。

何か柳と瀬尾には接点がある気がする。

だが何かがわからない。

どんな接点だ?

何があって瀬尾の作戦を理解しているんだ?

柳が自分で考えたのか?

いや。それは考えにくい。

じゃあ柳が俺に教えたことは嘘だったってことは?

あーー!あれやこれや考えても全くわからない。


そして、俺はあることを思い出して時計を見ると、

4時20分。

ヤバイ!

俺はサッカー部の副部長なのに何やってんだ。

絶対顧問に怒られる。

どう言い訳しようか?

俺は全力でダッシュして、昇降口に行き靴を履き替えて、運動場の方に行くが、

「俺はやれること全てやった。なぁお願いだ。付き合ってくれ!」

こんな時間にそんな声。

みんな青春を謳歌しているんだな。

好奇心もあり俺は声のする方をちらっと覗く。

⁉︎

そこにいたのは、瀬尾とショートヘアの女子。

この女子は先ほど見た柳だった。

「何度も言ってるでしょ。やり遂げきれなかったことに対して報酬を与えるのは矛盾していると。」

「だけど俺は頑張って審議まで持ってかれたんだぞ。」

「私言ったでしょ。成績なんていらないって。ただ楽しめたら良かったのよ。」

「ふざけんなよ!」

そう言って瀬尾はギクシャクしながら俺とは反対方向の道を歩いたていった。

そして柳が突然

「ハハハハハ。見ちゃいましたか。」

そして、柳は俺の方を振り向く。

「どいうことだ。」

「瀬尾は私のことが好きなんですよ。私はあんな低レベルの人間なんて興味ありませんけど。

それじゃあさようなら。」

そして、俺の前を横切り柳は校門を抜けていった。


サッカー部の練習と顧問にみっちり叱られて自宅へ帰ってきた俺は、ささっと食事やお風呂を済ませて考え込んだ。

ある程度は見えてきた。

まず、瀬尾は柳のことが好きだ。

そしてあの会話から察するに、瀬尾は柳へ既に何回か告白しており柳からある条件が言い渡さされ、それをすることができたのなら付き合うどいうことだろう。

その条件というのが、1番になることなのか、俺たちの班を潰すことなのかはわからないが俺の推理ではこうだ。

また明日直接、柳に聞いてみよう。

今日はもう疲れた。

寝よ。

俺は部屋の電気を消した。









超超超絶自分の中では長編だと思います。

初めてこんなに字の量を書いたと思います。

なので木曜日は明日に回します!

すみません。本当に疲れました。

結局のところ謎が解けてもあと2日で色々解決しなければなりません。

面倒です。


次回は、もうそのままです。本文の最後で次回予告しているようなものです。

ただし視点は鈴木に戻ります。


それでは今回も読んで頂きありがとうございました。


追伸:前回投票だとかいっていましたが、twitterで、

“@reading-sword”で調べてもらって“SR”というユーザーが自分です。

肝心なこと書いてなくてすみませんでした。

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