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陰キャの日常  作者: 陰キャ代表
第4章 決着する日常
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バラバラな日常

第39話 ~話し合い~


結局のところ、作戦はうまくいきそうだ。

矢島やじま さきはアッサリ受け入れた。

矢島を使って、柳の動向を探るのが目的だ。

さらにこの班の構成の欠点は、自らが信頼できる相手だと踏んで、班を組んでいる。つまり矢島がスパイだということにバレる可能性は低い。


そして、審議の時は来た。

放課後会議室で寺野の班と柳の班が揃っている。

そして、遅れて学年主任の緑川先生が来た。

「それでは、今から報酬についての審議を行う。制限時間は4時00分までだ。今は3時30分だから30分間話し合いをしてくれ。もし今回で決まらなかったらこの1週間で審議をしてもらう。わかったな。」

「「はい。」」

双方の班長がそう言った。

「まず、俺たちは成績に5なんて欲しくない。柳はどうだ。」

寺野はまず相手の意思を伺った。

「私は、成績に5は•••••••いりません。」

「は?どいうことだ。」

柳の班員も驚いていた。

つまりみんな初耳だったのだろう。

「私は成績に5なんていりません。なぜならもう既に5なんて取ってますから。それに臨機応変だとか協調性などは偽りです。

私は班員をその辺りにいた人たちに声をかけて、後は班員が勝手にやってくれたことですから。」

瀬尾がビクッとなっていた。

「じゃあどうすればいいんだ。緑川先生こう言ったときにはどうすればいいですか。」

すると緑川先生は腕を組み、

「そうだな。やはりどちらかに成績の恩恵を譲るということになりそうだな。棄権することは両方に認められていない。期限が来るまで話し合ってくれ。」

そしてまた寺野が、

「じゃあ期限が切れたらどうしますか?」

「簡単だ。教師の方で勝手に付け加えておく。」

「成績の恩恵を両方受けないということは可能ですか?」

「いいや。不可能だ。最終的にはどちらかの班に成績を付ける。」

このままでは優勢、劣勢の概念もなくなる。

どちらも成績はいらないと言った時点でこの話し合いは泥沼化している。

戦う意欲が双方にないため、1週間ただ無駄な1時間を過ごすしかない。

そして最終的には教師によって決められる。

これじゃあ何しようが、成績はどちらかの班に行ってしまう。

「クソ!抜け道も何もねぇじゃねーか。」

机をバン!と叩く寺野。

本当に、元に戻すためにこんなことしているのだろうか。

「あのー。俺は成績欲しいけど。」

小松原が手を挙げていった。

「俺も!」「私も」

と向こうの班も数名手を挙げた。

手を挙げたのは合計5人

僕たちの班では、小松原と鬼龍院。

柳の班では、矢島と浜井、藤井という人が手を挙げた。

「まさか、班がバラバラになるなんてな。協調性0だなお前らの班は。」

「じゃあなんで俺たちがここにいるんだよ。」

「そりゃあわかるだろう。それでも君たちが1番他の班よりも優秀だからだよ。

俺は何度もこういうのを見て来たがこんなのは初めてだぞ。」

バラバラになった班はもう機能しない。

班という飾りがあるだけで、みんな自由気ままに言い合っている。

「これじゃあラチが明かない。班を変更することは認められてるのか?」

「認められているぞ。変更禁止だというルールはないからな。じゃあどうする?変更するか?」

「はい。」「いいえ。」

もちろん意見は別れる。

寺野は成績をいらないというが、誰かにあげる気もない。つまりは、班を解散してしまった時点で、この審議は終了となり成績も小松原の班へと行ってしまう。

「じゃあ多数決を•••と思ったが、5対5では意味がないな。

じゃあ今回はこれで終了としよう。」

緑川先生はそう言って会議室から出て行く。

そして、寺野が帰ろうとする僕を呼び止めて、

「あのさ、鈴木後でちょっといいか?」

「うん。わかった。」

こうして審議の1日目が終了した。




皆さんはルールってあった方がいいと思いますか?

どこかの誰かが、「ルールってものは幸せに暮らすためにあって縛られるものじゃない。」というのを聞いたことがあります。

では、今ルールのおかげで幸せですか?

スケールをデカくすると、法律があって幸せですか?

意見は人それぞれ違うと思いますが、自分個人の意見としては、はい。です。


次回は“無力”についてです。


それでは今回も読んで頂きありがとうございました。

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