校外学習での日常〜謎編〜
第35話 ~目覚め~
「ブルルルルルルーーー」
大きな音がして僕は目を覚ました。
「ん?」
まだ完全に目覚めていない僕は、椅子に座っていた。
そこから、宮條さんが僕を覗き込んでいた。
「えっ?」
目が完全に覚め状況を確認する。
お昼ご飯を食べ、片付けをして、山を下ろうとして僕は倒れた。
だけど何故、僕はこんな訳の分からないところにいるんだろうか?
「お目覚めですか。」
宮條さんがそう言い、笑みを浮かべる。
その隣には機嫌の悪そうな鬼龍院が、座っている。
「ここはどこ?」
僕が尋ねると、
「ここは、ヘリコプターの中ですよ。」
ヘリコプター
ヘリコプター⁉︎
「えっ?なんで?」
僕は、外を見ると反射する自分と浮いている自分がいた。
高いところが苦手な僕は、反対を振り向いた。
すると、
「ぐーがーぐーがー」
いびきをして寝ている小松原とうるさそうにして寝ている三佳月と寺野、瀬尾がいた。
「皆さん無事ですよ。鬼龍院がみんなを守っていたみたいですね。まぁそこで私たちが来た。と言う形ですが•••」
それって、鬼龍院が僕たちを助けたのだろうか?
あの鬼龍院が?
会社を襲って、ヤンキーみたいな奴が?
信じられないがこうして僕たちがいると言うことは本当なのだろう。
「んーー?おはよ?」
「おやすみでござる。」
「ここは?」
ちょうど小松原と寺野、三佳月が目覚めたようだ。
「あっ目が覚めた。」
僕がそう言い、窓を指差した。
「なんでござるか?•••うえっ!我はこういうのは無理でござる。」
「ヘリコプター?」
「俺、ヘリコプターになるのなんて初めてだー。
ん?あ、あなたは、く、宮條さん?いやー。お恥ずかしいところを。」
突然、お見合いが始まった。
「えっと、確かあなたは小松原さんですよね。」
宮條さんが確認するように言う。
「えっ?俺の名前覚えててくれたんだ!今度、2人で会えます?」
「えっ?」
急に『2人で会えないか』というのは、お見合いというよりかはナンパだ。
「あっ俺の携帯電話の番号は•••」
「結構です。」
言う前に宮條さんが切った。
それに小松原がシュンとしていた。
「ところで皆さん。」
宮條さんがそう言い瀬尾以外は宮條さんを見る。
「皆さんが、突然倒れた理由が判明しました。
皆さんが倒れた理由は、睡眠薬の投与です。ですが瀬尾だけは殴られていた形跡があるため気絶しています。
睡眠薬の効果は個人差があり鬼龍院から聞いた倒れた順番はたまたまですね。ちなみに睡眠薬は、小松原さんが作った料理に含まれており、鬼龍院が倒れなかったのは、少ししか食べていないからでしょう。」
宮條さんが話し終えると、僕たちは一斉に小松原を見た。
「おい。俺は睡眠薬なんて入れないぞ。それにほら。俺、調理してたときは目を料理から離してないからな。」
僕は、一瞬考えた。
「いいや。お前は目を離していたぞ。それは、ゴルゴを見ていたときだ!」
寺野が名推理を披露して、余計に小松原に疑いの目が向けられる。
「確かに俺は、料理から少し目を離した。だがこれで俺が睡眠薬を入れてないことがわかっただろ。」
あのとき、全員がゴルゴを見ていた。
つまり、
「犯人は、僕たちの班以外の人。」
僕がそう言い、自然と目線は瀬尾に行った。
「やっぱりこいつじゃねーか。」
疑いの晴れた小松原が、嬉しそうにいう。
「いいや。まだ瀬尾が犯人って訳じゃない。じゃあなんで瀬尾は倒れていたんだつまり誰かにやられたということだろ。そんな奴がこんなことをするはずがない。つまり犯人は瀬尾を気絶させた奴だ。」
鬼龍院も、名推理を披露した。
「なるほどでござる。でも誰がやったんでござるか?」
「柳 恭子だと思う。瀬尾と怪しげな会話をしてたし、今瀬尾と接点のある人がその人しかいない。」
僕がそう言った。
「なるほど。そうなると筋が通るな。」
寺野がそう言った。
しばらくして、
「ん?ここはどこだ?」
瀬尾が目覚めた。
「ここは、ヘリコプターの中だ。」
寺野がそう言う。
今、僕たちは瀬尾を尋問のようなものをしている。
「俺は、何も答えないからな。」
どうやら瀬尾も尋問されることは、想定しているらしい。
パニックになる様子が伺えない。
「誰に殴られた。」
寺野はただそれだけ聞いた。
「俺は、何度言われても質問には答えないからな。」
「じゃあ仕方ない。そろそろ林間学校に着くな。じゃあ、また次の機会に話そう。」
寺野がそう締めて、ヘリコプターは林間学校の駐車場に向かい着陸の準備をしている。
ヘリコプターはゆっくり降下して着陸した。
昨日は投稿できなくてすみません。
諸事情によりちょっとドタバタしていました。
なんだかんだで次回第3章最終回です。
いつもの恒例ですが、また「陰キャの日常if」になります。
それでは読んで頂きありがとうございました。