校外学習での日常〜終焉編〜
第33話 ~計画の欠点~
僕たちは、A地点から去って5分が経過した頃。
僕は、少し肌寒くなってきた。
「はぁ、はぁ」
僕はだんだん呼吸が荒くなり、やがて
「バタン!」
僕は倒れた。
それは、一瞬にして起きた出来事で、みんな慌てはためいていた。
「おい!しっかりしろ!」
寺野がそう言い、倒れている僕を揺らす。
だが僕はそれに応えられずに倒れたまま。
そして、鬼龍院が
「いや。ほっとけそんな奴!」
と言い、小松原は、
「俺は宮條さんに会いたい。」
とおかしなことを言っている。
三佳月は、
「どうしてこんなことになったのでござるか?」
と言い僕の周りをグルグル回っている。
「おい!みんなこう言う時こそ、落ち着くんだ。」
寺野は、パニックになる小松原と三佳月を抑えた。
「そ、そうでござるね。一度落ち着く•••.アーーー!落ち着かないでござる!しんどいでござる。」
「クッソ!三佳月もか!」
そして、寺野は僕の方に来て、
「おい!あのポーチはどこだ?」
寺野は必死で探している。
「あっ、そんなの知らねーけど。」
何も起きていない鬼龍院がそう言う。
「クソ!それじゃあこの状況も時間も、先生を呼ぶことだってできないじゃないか!」
寺野が大慌てでそう言うが、小松原は、
「あれっ?幻覚?」
と訳のわからないことを言っている。
「み、みなさん落ち着くのでござる。」
と1番落ち着いてない三佳月が言う。
それに、痺れを切らした鬼龍院が、
「うっせー!その気持ち悪い口調やめろ!」
それに、三佳月は、
「き、気持ち悪い!」
とショックを受けている。
「おい!みんなしっかりしろ!バラバラになってどうする。」
と寺野が言うが、
「誰のせいでこんなにもバラバラになったんだ!」
と鬼龍院が寺野の方を見ていった。
「•••••••••」
寺野は黙ったままだった。
だが寺野は、
「あのポーチがなきゃ何もできない!コンパスもあの中だ。」
「そ、そうでござる。でも地図はここにあるでござるよ。」
だが、小松原が、
「おい。あれってポーチじゃないのか?」
と言い指差した方向には、
「なんでゴルゴが持ってるんだよ!」
と寺野が言い、それに応えるように三佳月が、
「わからないでござる。とにかくあれを取り返さなくては!」
と言い寺野、小松原、三佳月は必死でゴルゴを捕まえようとしているが、ゴルゴはすばしっこく3人の攻撃を避けている。
「クッソ!なんであんなにゴルゴはすばしっこいんだ!」
寺野が諦めかけていたその時、小松原が、
「これは、現実?夢?」
とおかしなことを言い出したので、寺野は、
「おい!小松原しっかり•••えっ?なんでこんなところに•••」
と寺野が見たのは、瀬尾だった。
瀬尾は、僕と同じように倒れていた。
「なんで瀬尾まで、」
寺野がそう言うと
「わからないのか?」
と言い鬼龍院は続けて、
「俺たちが、お前がリーダーシップがあると勝手に決めつけてリーダーにしたのは、俺たちのせいだ。だけど、この作戦を考えて実行しようとしてるのは、お前だ。それに、俺たちを巻き込むな!もしかすると、鈴木は毒キノコで倒れたんじゃなくて、お前の作戦で倒れたのかもしれないぞ!瀬尾は、お前が『いじめてやる』なんて言わなかったらこんなことにはならなかったんじゃないのか。」
「•••••••••」
寺野が黙っているということは、自分でもわかっているのだろう。
「別に俺は、お前を責めているわけじゃない。ただわかってほしいんだ。お前がこの状況を引き起こしたこと。」
鬼龍院がそう言い、みんな黙ったまま時間が過ぎた。
そして、
「バタン」
小松原が倒れた。
「ちょっと、小松原さんが倒れたでござるよ!」
と大慌てで三佳月が言い、みんなも慌てる。
「おい、本当にどうなってんだ!」
寺野がそう言い鬼龍院も驚く。
「おい!なんとかここからみんな連れて降りるのは、流石に無理だ!荷物もあるんだし。」
寺野が言うと、
「そうでござるね。あぁ一体どうすればいいのでござるか?」
「本当に、どうしよう。」
寺野が迷っていた時、
「バタン」
今度は、三佳月が倒れた。
「なんだよ!徐々に人が倒れていくってどう言うことだよ!」
寺野がそう言うと、
「わからない。」
鬼龍院がそう疲れたように言う。
「これからどうする?」
寺野がそう言うと、
「とにかく、こいつらを放っておいて降りて先生を呼ぶか?それとも、他の班がここを通るのを待つか?」
鬼龍院がそう提案する。
「うーん。2つとも無理だな。こんな寒い中全員を放っておくのは無理だ。それに、俺たちは、A地点の最後の班だから他の班がここを通る可能性は低い。」
寺野が、そう言い考えていると、
「あっ!そうだ•••••••『バタン』」
寺野も倒れた。
「えっ?」
これからどうなっていくのでしょうか?
取り残された鬼龍院は•••
次回は、そんな鬼龍院のしたことについてです。
短いですが今回はこれで終わりです。
ありがとうございました。