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陰キャの日常  作者: 陰キャ代表
第3章 変化する非日常
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校外学習での日常〜2つ目の課題と陰謀編Part I〜

第31話 ~毒~


小松原がさっと、緑川先生が置いていったメニューを見る。

「何が書いてあるんだー?」

寺野がそう聞く。

「おっ。自分で見て。」

小松原は、メニューを寺野に渡す。

寺野はそれを見て、戸惑いの表情を見せた。

「おい。これ本当に作れるのか?」

寺野が小松原に聞く。

「おう!あったり前だろー!俺の実家は、腐っても食事処だからな!」

腐っても?

そう疑問に思ったが、食事処の息子なら頼り甲斐がある。

「鈴木。お前も見てみろ。」

そう言って、僕にメニューを見せてくれた。


メニューには、『山菜キノコソテー』と書いてあった。

使用するものは、野菜とキノコ類のみ。

調味料は、何を加えてもいいらしい。

ただし、それらは全て、テーブルの上の食材から。

そして、注意書きがあった。

その注意書きには、テーブルの上のキノコは全て安全というわけではありません。

死に至るようなキノコはありませんが、食べると腹痛や頭痛などの症状が現れます。

もし、そうなった場合リタイアの可能性もあります。

リタイアする場合は、救急係のトランシーバーで連絡してください。


普通にやばいヤツだ。

だから最後にこれが残っていたのだろう。

「本当にいけるの?」

僕が小松原に聞いた。

「もちろんだ!俺を何だと思ってやがる。」

ものすごく不安だ。

不安の要素しかない。

「ちょっと待つでござる。」

いつのまにかメニューを持っていた三佳月がみんなを呼び止め、

「このメニューの裏に、毒キノコの名前と写真があるでござる。」


毒キノコ

『オオワライタケ』

これを食すと、寒気,悪寒,ふるえなどの神経症状が出現する。

写真の見た目は、少し黄色がかった色をしていて一目瞭然でわかるくらいだ。


「このキノコさえ入らなければいいんだな!」

小松原が自身有り気に言う。

どうも、小松原の言っていることが信用できない。

「よーし!お前ら仕事に取り掛かるぞい!」

小松原が大きな声で言った。


小松原は、調理と食材選び。

寺野は、その食材を切る係。

鬼龍院と三佳月は、調味料の用意などお皿の用意などの雑用。

僕は、焚き火の用意とその調節などの係。

こんな風に役割分担をして、それぞれの仕事に取り掛かる。

そんな中。

僕は薪を取りに別の班の方に行くと、瀬尾がいた。

「本当にあいつら馬鹿ですね。」

瀬尾は、別の誰かに向かって話す。

「ええ。そうですね。」

その誰かが相槌を打つ。

「毒キノコなんか食べちゃうなんてな。もしかして注意書き読んでいないんじゃないですか?」

瀬尾が、同じように誰かと話す。

「それは、無いと思います。寺野さんはきっと何か見つけると思いますよ。毒キノコも。ふふふ。」

気味の悪く笑う誰か。

なんだろうか。この違和感は。

僕はそっとその場を離れて、自分の班の方に戻った。


僕は、先ほどの出来事を寺野に話した。

「えっ?メニューはどこだ?」

僕はメニューを寺野に渡しメニューの毒キノコの欄を詳しく見た。

すると、

「ベリッ」

毒キノコの欄は印刷ではなく貼り付けだった。

そして、その紙の裏に、

『これは、ダミーよ。むしろヒントかもしれないわね。』

寺野は、

「緑川先生の所へ行こう。」

分担を鬼龍院と三佳月に変わってもらい僕たちは、緑川先生の方へ行った。

先生は、ゆっくりとお茶を啜り午後を満喫しているように見えた。

なんて楽そうなんだ。

「あの。緑川先生。」

寺野がそう言い。

緑川先生は不満そうな顔をした。

「どうかしたか?何か問題でも?料理に関しての質問は受け付けないぞ。」

そして、寺野は、

「毒キノコの件なのですが、先生。これ誰に頼まれたのですか。」

堂々と聞く寺野。

それに、先生は何も動じずに、

「その質問には答えられない。」

そうきっぱり言った。それに寺野は対抗して

「ですが、先生。今回のルールは『自由』です。

何をしようが、僕たちの勝手です。だから先生早く教えて下さい。」

だが先生はなかなか粘り強く、

「ダメだ。」

僕も、

「教えてください。」

と言うものの

「無理だな。」

断られる。

そして、もう一度寺野が、

「教えてください。教えてください。教えてください。教えてください。•••」

延々とその言葉が繰り返された。

「あーー!もう、うるさいぞ!お前らいい加減にしないと本気で殴るぞ!」

そう緑川先生は、言うと寺野は、

「はい。ありがとうございます!」

と笑顔を見せた。

「今の会話録音させてもらいました。これで明日は、パワハラ教師としてテレビで有名人になりますよ。」

そこまで言い、緑川先生は、

「何が言いたい。」

そして、寺野は、

「わかってるでしょ。これ書いたやつだよ。」

緑川先生は、

「わかったよ。これを書いて張れと言ったやつは、やなぎ 恭子きょうこだ。」

つまりあの瀬尾の会話は、柳と話していたのか。

「よし。これでこの記録は消してやるよ。」

そう言って、ボイスレコーダーを操作して、完全にその録音を消した。

「お前。お前の道はそれでいいのか?この校外学習で全てを潰す気か?」

緑川先生は寺野に向かって話す。

「ああそうだよ。こんな校外学習潰してやる。」

そう言って寺野は立ち去った。

「おい。鈴木。」

僕は、緑川先生に止められた。

「鈴木。お前は、本当にあいつについて行く気か?オススメはしないぞ。」

緑川先生は、僕にそう尋ねた。

「僕は、寺野が壊れてもついて行く気です。だって僕を変えるきっかけになった人だから。」

僕もそう言ってその場を立ち去った。


話がどんどんまずい方向に向かって行ってますね。

鈴木もまた、寺野に恩を感じて寺野と同じ道を進むのか⁉︎

それとも鈴木が•••


次回は、今回みたいにシリアスではないと思います。料理が完成してついでにあいつも登場です。


それでは、今回読んでくださった方々ありがとうございます。


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