校外学習での日常〜自由編〜
第31話 ~敵対者~
僕たちは3班の内の1人 瀬尾 寛治が薪を持っているのを見かけて僕たちは、瀬尾の方に行くと、
鬼龍院が怒り狂ったように、
「おい!コラ!どうなったんだ!」
そう言って瀬尾の襟を掴み上げた。
側から見ればヤンキーそのものだ。
「ふっ。そんなことしていいのか?ルールに違反するぞ。」
ルール、僕はリュックサックの中に入れていた、栞を見る。
そこには、
『ルール:校則、法律に違反しなければ良い』
つまり今、鬼龍院が行なっている行為は脅迫。
つまり脅迫罪ということだ。
そして、寺野が、
「鬼龍院。やめとけ。」
そして、鬼龍院は「チッ」と舌打ちをして瀬尾の襟を離した。
「瀬尾はなんでこんなにも早く着いたの?」
小松原が正直に言う。
そして、瀬尾は、メガネを上げて、
「君たちはまだ何にも知らないのかい?今回のルールは、言ってみれば『ない』『自由』なんだ。つまり何しようが自由。例えば、君たちの班の会話を盗み聞き、鉄塔の方を目指すのも自由。」
そして、それを聞き苛立った鬼龍院は、
「ふざけんな!そんなのが許されてたまるか!」
そして、小松原と寺野は憤る鬼龍院を「まぁまぁ」と言い鬼龍院の苛立ちを抑える。
そして、寺野は、
「そういうのは、いただけないな。いくら何でもそれは、やり過ぎじゃないのか?」
寺野が、そう言い冷静に対応しようとする。だが瀬尾は
「やり過ぎ?そんなものこの校外学習じゃ通用しないよ。それほど、みんな早く下山しようとしているんだ。」
僕は、瀬尾に
「何のために?」
と聞いた。すると、瀬尾は驚いた様子で、
「知らないのか?マジかよ!この校外学習で、1番早く着いた班には、成績の1科目好きなのが、5段階評価のうち5になるんだ。」
そんなこと、神楽坂さんは言っていただろうか。
僕は、急いで栞を見るもそんなこと書いていない。
つまり、噂ということだろう。
だがそれに気づかない馬鹿な小松原は、
「マジかーーー!俺、3学期提出物出してないから終わったって思ったんだよなー。マジ助かる。」
マジでないわ。こいつ。
「それじゃあ、トットとご飯作って食べて下山しよう!」
そう言って、調理場へスタスタ歩こうとする小松原を三佳月が、手を掴み「まぁまぁでござる。」とまた抑えて、行くのを止める。
「まだ、話は終わってない。」
寺野がそう言い鬼龍院を離し、瀬尾の方へと近づく。
そして、瀬尾の耳元で何かを囁く。
そして、瀬尾は表情を変えて
「おい!本当にそんなことしていいのか!これは、立派な脅迫だぞ!」
「俺はそんなことしてないぜ。2つの道を提示しているだけだ。それの何か問題があるのか?」
そして、瀬尾はしばらく考えて。
「無理だ。好きにしろ!」
と言い去っていく。
そして、あとを追うように寺野が、
「このご時世で、学校は信頼に置けないぞー。本当にそれでよかったんだな。」
寺野はそう言い、僕たちを調理場に連れて行く。
僕はその道中で、
「瀬尾さんに何言ったの?」
「この世から消して消えないものだ。」
と寺野は言い、歩くスピードを速める。
調理場に着くと、目の前には学年主任の緑川先生がいた。
「お前らは、このメニューを作れ。食材は、あの建物の中にあるからな。メニューをよく読むように。」
そう言い残し、調理場を後にした。
「よし。ちゃちゃっと作ろう!」
小松原が、張り切って言った。
栞の意味わかってくれましたか?
あれを書いていなかったら、話が進まなくなります。
自由。ひどいですね。ちなみに3班全員、その話を聞いていることになっています。
瀬尾だけが聞いているのではありません。(あくまでその代表の立場)
次回は、小松原が料理センス発揮⁉︎
2つ目の課題です。
それでは今回読んで頂きありがとうございました。




