校外学習での日常〜到着編〜
第28話 ~林間学校~
バスに乗って1時間ほどで、バスは止まった。
バスを降りて建物のホールのようなところに行く。そして、整列すると緑川先生が話し出す。
「よーし。ここが君たちの校外学習先『美智香和少年自然の家』まぁ早い話、林間学校だ。」
冬なので木は活気を失い、山頂の方は雪が軽く積もっている。
「ここでは、寒い中での体力をつけることと目標の2つを重視してもらう。」
肌寒いを通り越してクソ寒い冬に山に来るなんてどうかしている。
「それでは、実行委員による、今からすることや、配布物の説明を行う。 はい!それじゃあ班になって!」
しばらくして班同士固まり実行委員の神楽坂がはなしを進める。
「えっーと。今からすることを説明します。まず今から、山に登ってもらいます。」
すると、
「「エッーーー!」」
ほとんどの人がそう言った。
「静かにしてください。山を登りますが班それぞれゴールが3つあります。」
また面倒臭いことを。
「今回、12の班があり、それぞれゴールが違います。だから1つのゴールで4班の人達がそのゴールを目指すということです。
そして、そのゴール先は後で配布するマップに記してあるので地図係さんは、よく読んで班を引っ張って行ってください。」
すると小松原は、
「マジかよー。俺そういうの苦手なんだよなー。」
だが、寺野は、
「残念だったな。」
ただそれだけ言った。
「次に2つ目は、そのゴール地点で料理をしてもらいます。料理のお題は、ゴールした順から好きなものを選ぶことができ食材は1つのテーブルにまとめてあるので、必要なものを取って調理してください。これは、協調性を目的としていますので、班長や副班長が中心となって取り組んでください。そして、自分たちで作った料理は不味くても残さず食べてもらいます。なので材料の調整をしっかり行ってください。」
すると、鬼龍院が、
「マジかよ!ってかこんなの学校がしていいのか?訴えることできないのか?」
この学校は公立だから国がこういうのを決めていると思うのだが、中々ハードだ。
「3つ目は、下山してもらいこのホールに来た順に並んでおいてください。早い人達には、あるものを用意していますので頑張ってください。」
そして、先生らが各班に1つ小さなポーチのようなものを渡してきた。
「最後にこのポーチについて説明します。このポーチは、救急係の人が持っておいてください。この中身は、登山中の擦り傷、火傷などの怪我の治療薬と治療方法の紙が入っているので、班員が怪我した時は、それで治療してください。また、このポーチには、時計、GPS機能と、トランシーバなどが入っているので、必要に応じて先生に連絡してください。」
そう言われたので、僕はポーチを持つ。
「それでは、この校外学習、楽しんでいきましょう。これで実行委員の説明を終わります。」
これも全部、目標のためなのだろうか?
正直、目標というのは、言っておいてあまり重視しないというのがほとんどだったのに、急にこんな目標に忠実な校外学習が入ってきた。
それにこんなの難しすぎる。
初めに闇雲に班を組んでいたら終わるやつだ。
ちゃんと協力しあえる人達でないといけない。
僕たちのような、あまり仲のいいとは言い難いメンバーでは、達成できることも困難となる。
社会に出るときには必要なスキルだろう。
3年生が忙しくなるからってこんなにも予定を詰めなくてもいい気がする。
それに、なにかと救急係が一番重要な気がする。なぜならポーチをなくしてしまった場合、先生とも連絡が取れず、『戻ってこい』という指示が出なくなるし、時間も分からなくなる。自分が心配だ。
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「おい!あのポーチはどこだ?」
「あっ?そんなの知らねーけど。」
「クソ!それじゃあこの怪我の治療も時間も、それに先生を呼ぶこともできないじゃないか!」
「あれっ?幻覚?」
「み、みなさん落ち着くのでござる!」
「うっせー!その気持ち悪い口調やめろ!」
「き、気持ち悪い!」
「おい!みんなしっかりしろ!バラバラになってどうする。」
「誰のせいでこんなにもバラバラになったんだ!」
「•••••••••」
いよいよ、波乱の校外学習がスタートです!
前回から最後に書いている、あのセリフは一体!
4人の会話ですけど、1人誰かはわかりますよね。
(ござる•••)
次回は、いよいよ登山開始です。
バラバラになる班員?もしくは、結託して—
そもそもこんな校外学習あるか!
って話ですけど、そこは、未成年でも社長になれると同様の扱いでお願いします。
それでは今回も読んで頂きありがとうございました。




