陰キャの非日常
第13話 ~突然の死~
父親が、ついさっきに死んだ。
コンビニに行ってくると言い数時間後、一本の電話がかかって来た。
それは、病院からだった。
「すみません。鈴木様のお宅でしょうか?」
そう、女の人が尋ねてきた。
そして、電話に出た僕は、
「はい、そうですけど。」
そして、その女の人は、
「すみません。こちらは、美智香和病院の者でして今回お電話させていただいたのは、あなたの親族である、鈴木 郁弥様が数時間前にお亡くなりになったことを報告しにお電話させていただきました。」
とても、悲しそうな声で話す女の人。
そして僕は、
「えっ、」
「ドン!」
腰を抜かした。
父親の死因は、大量出血。
トラックに轢かれその拍子にぶっ飛んでしまいぶつかった所が運悪く柵の上に付いている不法侵入防止用の針に刺さってしまったそうだ。
数時間前までは動いていた心臓は、もう二度と動かない。
そんなことを考えると、
悲しい、心が重い。
父親の死から3日後、死体が親族に返され今日は、お通夜の日。
母親が、お通夜の準備で先に葬儀場へ足を運んでおり僕はただ唖然と父親の写真を見ている。
どうしてこうなったのだろうか。
そこに、柵がなかったらもしかすると助かっていたのかもしれない。
そんなことを考えていると、
「ピーンポーン」
家のチャイムが鳴った。
しばらく無視していると、
「ピーンポーン」「ピーンポーン」「ピーンポーン」
とうとう痺れを切らした僕は玄関の方へ行き、チェーンを掛けて扉を開ける。
訪ねて来たのは、20代でスラッとした体型をしたスーツを着た男の人だった。
「なんですか。」
僕が、怒りの視線を相手に向けてそう言う。
「すみません。えっーと、鈴木 稜駿さんはいらっしゃいますか?」
その男の人は、そう言って鞄から何かを取り出そうとしている。
「僕ですけどなにか?」
冷徹にそう答える。
「そうですか、あなたが鈴木 稜駿さんですね。大変申し訳ありません。私こういうもので。」
そう言って、男の人は名刺を見せて来た。
そこには、
《鈴の音international global design company
専務取締役 橘 躬弦》
と電話番号や住所などが記載されていた。
そして僕は、
「なんの用なのですか。ちょっと今忙しいので、また日を改めて来てもらえませんか?」
そう言った。
「いえ、今じゃないとダメなのです。鈴木 稜駿さん。あなたにこの会社 鈴の音international global design company略して『鈴の音IGDC(鈴の音イグディス)』の経営、運営権を持ったことを報告しに参りました。つまりは、あなたが鈴の音IGDC のCEO及びCOOです。
ですので、今回はそのためにも必要書類にサインしていただくために参りました。」
は?
なに言っているの?
「すみません。ちょっとよくわかりません。」
扉を閉めようとすると、
「ちょっと待ってください。」
チェーンがが掛かっているのに、素早く手を入れて閉まるのを妨げる。
「このことはあなたのお父さんの遺言でもあるんです。」
橘さんはそう言った。
えっ?そんなわけない。父親の遺言で社長になるとか馬鹿げている。
それに、まだ僕は未成年だ。
あと僕の父親の仕事は、長距離トラックの運転手だ。
「本当になに言ってるんですか。父親の遺言で、CEOとCOOになるとかおかしいでしょ。僕の父親は長距離トラックの運転手ですよ。それに何なのですかそのCEOとCOOっていうのは。それに僕はまだ未成年です。働けません。」
僕がそう反論すると、
「何言ってるんですか。あなたのお父さんはこの会社のCEO及びCOOでしたよ。そして、未成年の件については心配ありません。別に働くわけではありませんので、ただあなたの決定で会社の方針が決まる。ということのだけです。それに他の仕事は我々部下が分担して取り組んでいますので。
あなたのお父さんはこの会社をあなたに継いで欲しかったようですよ。」
会社の方針が決まるって、それ働いているのでは?
僕は少し考えて、口を開いた。
「わかりました。数日待っていてくれませんか。さっきも言った通り忙しいので。」
「はぁーわかりました。では、また後日に。失礼いたしました。」
そう言って、橘さんはどこかに消えていった。
そして、僕はスマホを取り出してある人に電話をかける。
「もしもし、どうかした。」
母親だった。母親は重い声で聞いて来た。
「ちょっと今から帰って来てくれない。」
僕がそう頼む。
「どうして。」
疑問を浮かべる母親。
そして僕は、
「橘さんっていう人が来た。」
そして母親は今までの重い声ではなく真剣な声で、
「分かったわ。今すぐ帰る。」
そう言ったところで僕は電話を切った。
第2章いきなり急展開ですね。
母親が知っていることは一体⁉︎という次回予告ですね。
もう少し詳しく次回予告すると、母親が帰宅して、稜駿に渡したのは、一通の手紙。それは、父親が最後に残したものだった。そして稜駿は何故こんなにも手際がいいのかそう疑問に思い始める。と言った感じでしょうか。
ちなみに、この「陰キャの日常」はリアルの日本ではありませんので、法律や義務などのことは無視したください。
それでは、第2章1部を読んで頂きありがとうございました。




