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捻くれ者の独り言

妬み

作者: 壱宮 なごみ

「いいなあ」という相槌が嫌い


何が良いもんか

そんな言葉を聞きたくて

私は身の上話をしたんじゃない

そんな目で見られたくて

自分の持ち物晒したんじゃない


それを欲しがる人もいる

引き出そうとする人もいる

だから迷わず言ってやる

口先だけで発する「いいなあ」


この言葉は狂気の種だ

この言葉は悪意で育つ

この言葉は涙を咲かす


それでも欲しがる人がいる

言われて喜ぶ人がいる

だから迷わず言っておく

まるで本心のような「いいなあ」


おいしいご飯

高級なホテル

優しい恋人に

輝くジュエル


私が「いいなあ」と言ったところで

価値の変動なんて起きない

つまらない事実を知ってか知らずか

勝ち誇った顔をするんだね


君が「いいなあ」と言ったところで

私の自信が増すわけでもない

欲しくもない言葉を放ってその上

仄かな敵意を匂わせるんだね


「いいなあ」

何が良いもんか


その意識は闘争の糧だ

その意識は自信を貪り

その意識は傷を広げる

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― 新着の感想 ―
[一言] 読ませていただきました。 痛み、歪み、と来て、妬みですか……。 ちょっと理屈っぽい、皮肉っぽい文体、何気に好きなんですよね(笑) 壱宮さんらしくて良いと思います。 構成も、これぞ自由詩のお手…
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