偉大な王の死
戦いの日々が続くが、ターラーの外交戦略、モーリー、イーグの内政政略、ケーマ、サンド、サキ達将軍達の戦場外、内の活躍で支配範囲を広げていった。
最後の国がターラーに膝を折りターラーは戦乱の大陸を治めたのだ。
ターラーは戦乱の終了の宣言として自国を自分の名前を冠し、ターラー帝国と名付けたのだった。
ターラーは自分の支配を戦乱で乱れた大陸を回復させる為に連日、激務と言っていいほどの政務をこなしていた。
一人の正妃と二人の寵妃の間に五人の子供がいたのだが、全員が娘であった。
その為、ターラーの兄の子に娘を嫁がせる案をケーマが進言し、その者を後継者として立てた。
だが、その後、攻め滅ぼした国で、王家が倒れても最後まで徹底抵抗した貴族家の娘をヒトミちゃんが推薦し、ターラーの寵妃となった。
その娘が二年後に男子を出産した為に後継者問題が解決し、新たに生まれるのだった。
その寵妃と子供は何度か暗殺されかけるが、伝説の傭兵ナオヤの娘で、魔剣と魔槍の使い手であるリノの護衛によって悉く防がれていった。
ターラー四十八歳の時、大陸平定から四年の月日が経っていた。
日々の激務がたたり倒れてしまった。
ターラー無しで国が動くようにモーリー、イーグが官僚軍団を育てていた。
始めるのが早くなったが、なんとか国は動き続けていた。
本来はターラーを休める為に作り出した官僚軍団がターラーが倒れてから起動しだすという皮肉だった。
一度回復をしたターラーだった。その時にバッシはターラーに呼ばれる。
「ターラー調子はどうだ?」
「あまり良いとは言えません」
「そっか」
ターラーの顔色は明らかに良くないとバッシは見てわかった。
「師匠、お願いがあります」
「どうした?」
「本来はずっとこの国にいて欲しいと思います。ですが、サキちゃんが死ねば師匠はここを去るでしょう」
ターラーの言葉にバッシは何も言わないでいた。多分そうなるだろうとバッシも理解していた。
「もし、もしこの国が滅びる時は、子孫達、男子は国と共に滅びるのは仕方ないとしてまだ物心つかない女子は先生が救って欲しいのです」
ターラーの願いをバッシは考えた。
「わかった。その時は……な」
「ありがとうございます」
ターラーはバッシの言葉に安堵したのかもう一度眠りだすのだった。
その後、何度か起き上がっていたターラーなのだが、すぐにベッドに寝込む日々が続く。
倒れてから三月後、大きく咳き込みそのまま死んでしまうのだった。
咳き込みながら言った彼の遺言は後追いは忠義者の行為ではなく国に対する不忠であるという宣言だった。
ターラーが倒れた今こそといって降伏した国々が動き出そうするのをケーマが潰して回った。
潰された貴族化した元王家は十以上となり。ターラー帝国の支配力を増していった。
少しの混乱があったとはいえ、七歳の息子へと無事に移冠する事が出来ると思った矢先に事件は起きた。
ターラーの兄の子が自分こそがターラー帝国の皇帝であると宣言し謀反を起こしたのである。
自分が王太子であった事を宣言し兵を集めたのだ。
今までのすぐに潰された反乱と今回の反乱は決定的に違うものがあった。
謀反をしたターラーの兄の子の軍勢を率いていたのはケーマだったのだ。
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