武官としての活躍
先の戦いに置いてサンドはその武勇と魔法を響かせた。
その隣で、サキは槍を振り回し敵をなぎ倒し武勇を轟かせた。
美しい少女が、身の丈よりも長い槍を振り回し、華麗に敵を屠る姿と胸部の二つの巨大な塊が動きに合わせて縦横無尽に動き回る様は、敵味方問わず兵士達の目に焼きついて離さなかった。
二人の活躍にターラーは、褒美として自らの領地の軍の軍長にサンドを、三百人将にサキを宛がった。
そして二人に軍の編成と強化を命じるのだった。
モーリーの行政処理とイーグの財政潤滑化によって資金は豊富なのでターラーの軍は三年で瞬く間に強化されていくのだった。
「サンド様、軍の強化といっても何から始めればいいですかね」
「やはり他の将軍からの意見も聞いた方がいいですね」
「はい」
二人はタイラーの下へ来た将軍達に軍の今後の事を相談しに行くのであった。
シュゾー将軍の場合
シュゾー将軍は絵に描いたような熱血漢の男であった。
「もっと訓練を厳しくしましょう。私に任せてください」
胸をドンと叩くシュゾー将軍に二人は兵の訓練を任すのだった。
「もっと! もっと熱くなれよ! 俺だってこの寒い中、槍を千回突きしたんだ。もっと、腰を入れて槍を突けよ! そこ! 何休んでいる! もうやめるか? やめてすごすごと逃げ出すのか? 出来る! 諦めんなよ! お前なら出来る!」
今日もシュゾー将軍の熱苦しい叫び声が兵舎に響いていた。
サンドとサキは治安維持の山賊退治に出かけていた。
「いやぁ、凄いねサキちゃん。兵士達の気合が違うね」
「はい、山賊相手に一歩も引かずにまさに蹂躙といった感じですね」
「でも、兵士の半分が訓練で脱落しちゃったね」
「駄目じゃん……」
フォック将軍の場合
フォック将軍は目つきが鋭いながらも、威圧感があるわけではなく。目の前にいながらもいないように感じるほど気配を消すのが上手な人物である。
「部隊の命令系統をスムーズにさせ、伝令による情報伝達を早めましょう」
不敵な笑みを浮かべたフォック将軍による部隊による命令伝達系統の見直しと再構築を行われた。
後方で指揮をしている将軍の命令をいち早く前線にいる将軍に伝え、その将軍から部隊へと情報が伝わり動き出す速度が上がった。
それによって軍単位での初動と行軍速度が著しく上がった。そして、軍が動くためにフォック将軍は諜報、防諜の為の部隊を作り出し、早く安全に動くための軍整備を行うのだった。
サンドとサキは山賊退治に出かけていた。
「いやあ、圧勝だったねサキちゃん」
「ええ、敵にこちらを察知される前に攻撃出来ましたしね。準備の出来ていない山賊部隊なんて赤子の手を捻るも同然ですね」
「本当だね……。でも、確かに軍は強くなったけど、兵は強くなってないよね」
「あっ!」
ヤマゴエ将軍の場合
ヤマゴエ将軍は穏やかな目と甘いマスクをした男で料理人という顔も持つ将軍であった。
「兵士達の糧食をおいしくしましょう」
「サンド様、帰りましょう」
「待ってサキちゃん。話を聞いてみようよ」
ヤマゴエの指揮のもと、糧食の乾燥方法の改善、糧食の調理方法の改善を行った。
サンドとサキは山賊退治に出かけていた。
「いやぁ、勝った勝った」
「今回も楽勝だったな」
「飯だ飯だ」
「ああ、実家じゃ飢えるかどうかだったけど、軍に入ったとたん毎日美味い飯が食えるもんな」
「おいどんは、今日、山賊の砦攻めに参加したから、デザートに果物が付いてるでごわす」
「お、いいな。美味い飯がありゃ、シュゾー将軍のしごきにも頑張ろうってなるもんな」
「ああ、本当に軍にはいって良かったぜ」
兵士達の会話を聞いてサンドとサキは複雑な表情をしていた。
「成功でいいんだよね?」
「う、うん」
二人の後ろでヤマゴエはにっこりと笑顔を見せるのだった。
誤字、脱字があれば報告おねがいします。
感想をいただけるとうれしいです。
批判もどんとこいです。




