第6話 全力!魔術校祭
遅れました
暑い…とてつもなく暑い…
なぜこんなにも暑い日の中、俺たちは砂漠施設で魔術や武術の練習を全力でしているかと言うと、今週に『魔術校祭』が開かれるからだ
魔術校祭とは、毎年魔道学校の生徒がいくつかの組に分かれ、魔術、武術をしてそれの評価点で勝敗を決める祭りだ
またその日は一般の竜族も校内に入ることが許される
でも…流石にこの施設での練習は…キツイ
「うっ…もうだめだ…」
と言い紅が隣でぶっ倒れた、それと同時に転移魔術により紅は保険室送りになった
「この授業、下手したら死人でないか?」
「大丈夫なんじゃないの?」
「水の加護で涼んでるお前が言うな」
授業が無事終わり全員がとてつもなく疲れた顔をしている
帰ってきて少し涼んでいる俺たちにあることが伝えられた
「おーい、組の票できたから見とけよー」と言う先生の一言で全員が一箇所に集まった
「俺たちは灰ノ組か、えーっとコイドは白ノ組か」
俺たちはコイドとは違うクラスであり、今回はライバル同士ってことになっている
「うう…頭痛い…」
「起きてきて大丈夫か?紅」
「ああ…まだ調子悪いけど、それより今年は苦戦しそうだな、魔術校祭」
保健室から帰ってきた紅は少し苦い表情を浮かべて言った、それに俺は疑問を感じた
「え?なんでた?」
「ほら、学内で有名な魔術を全く使わず、武術を多く使うやつ」
「あー、あの体術系統の…えーっと名前なんだっけ」
「えーっと物理…」と紅が言おうとした言葉を遮るように
「物理 拳だ」と聞き覚えのない声が聞こえた
「あー、そうだった物理拳って誰?」
「お前らの言っていた物理拳だ」
は?と言う顔を俺と紅はした、そりぁあ急に話していた人物が現れるなんてなと思っていたからである
「誰だって…うぇぇ!?物理拳!?」
「おう、紅じゃないか」
「ん?お前ら知り合いか?」少し親しずぎると思い紅に聞いてみた
「ああ…拳とは幼い時からの知り合いだよ…」
いつもとなぜか紅のテンションが低い…何でた…と気にしていたら
「何でそんなテンション低いんだ?」
と拳が元気よく言った、がその問いに紅は答えなかった、と言うか拳が立ち去るまで一言も喋らなかった、しばらくして拳が立ち去ったらら紅は
「あ、そういやさー最近いい刀を見つけたんだよなー、今度見に行かないか?」
とさっきまでの低すぎるテンションが一変していつもどうりになった、ちなみに誘いはもちろん断った
〜龍黒竜 城内にて〜
「全く…なんかまた面倒なことに巻き込まれそう…」
と城に戻った俺は愚痴をこぼしていた、魔術校祭に関しては過去に何度か見にいったことがあり、見るぶんには良いが自分自身でやるとなるととても辛い…、と思っていつもどうり城の廊下を歩いていると
「あ、竜ご無沙汰してるでござる」
「あー、うんご無沙汰、って風舞!?」
気がつくと目の前に風舞がぶら下がっていた、いやその前になぜ風舞が城内にいるんだ!?
「風舞お前何した?」
「何したって…例の騎士団に技術買われて今拙者は一つの班の隊長でござるけど」
「あーどうりで」
聖竜騎士団はいくつかの班があり、その班の隊長は城内に入ることが認められ、さらに上位の班の隊長であれば竜王族のことを少し知ることができる
「それにしても竜は本当に竜王の息子なんでござるね」
この言葉でわかった、竜王族の『少し』の部分に俺のことが含まれていたようだ
とその話を置いておくように風舞は別の話に切り替えた
「それより魔術校祭ってやつ拙者も…」
「見にくんなや」
まさかとは思うが「拙者も見に行きたいでござる」とか言うつもりじゃないだろと思い風舞の言おうとしたことをぶった切った
「なんでござるか!?あ、炎天下の中倒れないか心配してるんでござるか?」
「違う!全てにおいて違う!」
風舞のいったことを全否定すると「じゃあなんてでござるか?」と聞かれたので
「これ以上面倒なやつ増やしたくないからだ」と言い返した
「えー、いいじゃないでござるか〜」
とこのあとネチネチうるさいので一つ条件を出した
「じゃあ俺と同じ組みの赤いやつと青いやつ、あと一つ組みの違う緑のやつとは絶対に関わるなよ」
「え?なんでござるか?もしかして竜の友達ってやつでござ…」
「断じて違う、とにかくそいつらには絶対関わるなよ!」
と無理矢理話を切り自分の部屋に戻っていった
その道中に兄の部屋があったのでドアを叩いてこう言った
「兄上〜いますかー?」と兄にドア越しで聞いたら
「あー、今手が離せないんだー」とやはりドア越しで返事が来た
先日、兄は四角い城から何かを拾って来た
それからというものの全く外に出ようとしない、一体何を拾ってきたのやら
まあいいかと放り出しておれはその日は部屋に戻り一眠りした
〜龍白剣 自室にて〜
「これは…古代文字か?でも不思議だ…読める…読めるぞおおおおお!」
なぜかこの時兄のテンションが異常なほど上がった
…うん、多分未知との遭遇で変なことになったんだろうな…
〜というわけで大会当日〜
「暑い…なんでこんな暑いんだ…」
大会当日、その日の気温は36℃だと言う、この環境は竜族には厳しい
それもそのはず竜族は変温動物だからだ、実際紅が隣で意識が朦朧としていることがわかる
「あ、暑い…」や「死ぬ…」などと声が聞こえる
なんだかんだで開会式が始まった、が半分以上が暑さで聞いていない
「おい、紅?大丈夫か?」と心配して紅に声をかけるたが
「あーなんか目の前に川が見える」と言ったのでとりあえず救護班を呼んだ
そしてなんだかんだで開会式が終わり水分を取るために水飲み場に俺は向かった
それにしても一般の竜族も多くいるのでいつも以上に騒がしい、と考えていると
「あ!竜さん!」と声が聞こえたので振り向くとそこには凡とコウがいた
「お前らまで来てたのか、よくもまあこんな暑いところに」
「後で一般竜族参加競技がありますし、何より竜さんの勇姿を見たくて…」
「お、おうそうか、まあお前らも頑張れよ」とここで別れた…が
忠告をしとくのを忘れていたことに気づいた時はもう手遅れだった
〜業火紅 激流青 救護室にて〜
「…んあ?あれ?なんで俺こんなところで寝てんだ?」と言いながら紅は起きた
「あ、やっと起きた」と付き添いの青が声をかけた
「なんでお前こんなとこいんだ?」
「あなたの付き添いと、サボリ…」
「いやサボんな!」
のような会話があったようだ、青はこのような人の集まるイベントはあまり好きではない
紅はその逆で好きだが、大体体調を崩す
「ま、体調も治ったことだし行こうぜ!」
と紅と青が戻ろうとしたその時に「救護おおおおお!」と言い黄緑色の変わった服を着た人が白灰色の人を抱えて水色の人ともに救護室に入ってきた
それは言うまでもなく風舞と凡、コウだった
どうやら凡が倒れたのでコウがたまたま近くにいた風舞と協力をして救護室に運んだのだろう、こんなたまたまの連鎖があるのかはわからないがすごいこと(悪い意味で)が起こってしまったことだけははっきりわかった
「うわわ!なんだ!?」と紅は驚いているが青は落ち着いている
風舞は手慣れた手つきでベットに凡を寝かせた
「これで大丈夫でござる、あとは時間が経てば治るでござる」
「ふぅ、ありがとございます、でもなぁ…竜に応援してもらう競技に間に合いそうにna…」
とコウが言いかけたその時に紅と青と風舞が「「「竜!?」」」と三人合わせて言ってしまった
「…ん?お前も竜の知り合い?」
「あなた方も竜の知り合いでござるか?」
と同じ意味の言葉を言い合ってる、とここでそれぞれ名前を言い合い俺との同期を話した
「へーそんなことがあったのか…ん?あれは…」
と紅がさした方向にいたのは俺だった
「おーい!竜〜!」と紅が俺を呼んだ
そして振り返った時に俺の目には最悪の状況が写り込んでいた……
「……どうしてこうなった」と半分涙目で俺は呟いた
「風〜舞〜、お前あんだけ念入りに言っただろうが〜!」
「あはは〜単なる事故でござる〜」
「いっぺん締めてやろうかてめえは……」
10分前に最も恐れていた状況になってしまっていた場所に俺はたまたま通りかけてしまい
こんな状況になってしまった。
「はぁ……全くいつかこうなるとは予想してはいたけどこんなタイミングでなっちまったとは……」
と部屋にいるやつらのことを見てみたが……1人いないことに気づいた
「あれ?そういやコイドは?」
「あーあいつなら拳と一緒に暴走(競技の範囲で)してたけど」
「何してんだあいつら…」
という会話を終えて回復した紅を連れて俺たちは競技に戻った
そして少しして気づいた
「やべえ……凡のこと忘れてた……」
その言葉を聞いてコウは大急ぎで救護室に向かって行った
それからというものの競技は順調に進んでいき俺たちの『灰ノ組』とコイドたちの『白ノ組』とで接戦が繰り広げられた。
そして迎えた最後の競技、それは放送で鳴り響いた
『さあ!魔術校祭もいよいよ最後の競技です!そしてそれは〜』
と少しのための後にとてつもなく大きな音が流れた
『組対抗リレー極限まで自由形です!!!!』
組対抗リレー(以下略)はその名前のとうり他の組にダメージを与えない程度に妨害しても良いと言う競技だ、それでも毎年けが人は出るものの人気なため毎年行われているこの校の伝統競技だ。
最初の走者は俺と聞いているので俺は走る準備をしつつ魔術の準備もしていた
そして「位置について」という声とともに構え
「ドン」と言う開始を合図する太鼓の音とともに一斉に走り出した
そして開始とともに一斉に障害物が流れ込んできた
それを翼を使い弾き飛ばした。そしてその他の組がい障害物に足を取られている隙に一気に突き放そう、と思っていたら 足に植物のようなものが絡み付いていた
「そう簡単に行かせはしないよ」
という声とともに俺を抜かして行ったのはコイドだった
それを追うために足に絡みついた植物を切り落としてコイドを追った、だがなかなか追いつけない。タスキを次の選手に渡して組の列に戻った
それからというものの順位は変動しなくなっていて等々最後の周になった
最後の走者は紅、対して相手は拳果たしてどちらが勝つのか…
拳は余裕を持って全速力でスタートをきった
それに3秒ほど遅れて紅もスタートをした
紅も拳もほぼ同じスピード、あとは体力がどこまで持つかの勝負だ
「紅さーん!頑張ってくださーい!」と凡からの声援が聞こえる
紅はそれに応えるようにスピードを上げる、だが拳もそれとは比にならないスピードで走る
「紅ー!ここで勝たないと負けちまうぞー!」などと様々な声援が聞こえてくる
最後の10メートル、紅は距離を詰める、9メートル拳はさらにスピードを上げる
8メートル紅も必死に走る、7メートル紅は少し疲れを見せる、それがわかってしまいほぼ全員が諦めかけた…が拳も体力がもうほぼ無いようだ、そして紅は追いついた
残り5メートル、2人ともほぼ同じスピード、4メートル拳が紅を抜く、3メートル紅が抜き返す、2メートル、1メートル、そしてついにゴールをした
ほぼ同着に見えた、あとは判定結果を待つ、そして放送が流れた
『組対抗リレー、ただいまの結果は』
会場全体に緊張が走った、そしてその結果は……
『白ノ組、灰ノ組同着1位です!』
そしてものすごい歓声が鳴り響いた、選手たちはボーゼンとしたが少しして騒ぎが広まった
「紅、お前やったな!」と拳が紅に手を差し伸べた
「おう!拳!」と紅はそれに応えて手を握った
それからというものの紅は拳のことが苦手ではなくなっていた
しばらくは投稿ができなくなります




