第2話水の少女
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〜龍黒竜 業火紅 魔道学校にて〜
今日も授業が終わり帰ろうとしたらまたあいつがきた
「おーい!竜!一緒に帰ろうぜ!」
またかよと思いながら返した
「断る」
「よし!行こう!」
「お前ホント人の話を聞けよ」
このやり取りが入校式の日から続いている
相手は俺と交流を深めたいと思っているだろう
だけどそんなのに付き合ってるひまはあんまないからなぁ
よし!今日も逃げよう!
そう思い俺は逃げた
〜龍黒竜 業火紅 帰り道中〜
「俺から逃げれると思うか!竜!」
「なんで追いかけてくるんだよーー!」
俺が逃げたらあいつが追いかけてくる
これが俺らの帰りの日課になってしまった
「もう諦めてくれーー!」
「ハハハハハハハハハハハハハハ!」
どう言う笑い方だよと思っていながら走っていたら
十字路に出た時に誰かとぶつかってしまった
「ウェ!?ウォァァァァァァ!?」
ドンッ!とぶつかってしまった
まずい人とぶつかってしまった謝らないと
「あ…あの…大丈夫ですか?」
そう俺は言ったが相手はこう返した
「無礼」
「え?」
ぶつかってしまった少女は確かに「無礼」と言った
「一般の貴族が私にぶつかるなんて無礼」
「え?え?」
そのまま少女は去って言った
「なぁ竜」
「え?どした?」
なぜか紅は冷静になっていた
そして話した
「あいつは竜王の国で上貴族の中でも最もくらいが高い激流家の娘だぞ」
「え?!ええ!?」
俺は驚いた
この国の貴族達は普通の国の貴族達よりも位が高く
その中でも一部が上貴族であり
そしてその貴族達を取り仕切るものを最上貴族と言う
「「ヤバイヨーー!!」」
〜翌日〜
昨日やばい真実を知ってしまったが
本当に大丈夫なのかと思っている
まぁ昨日は何もなかったからいいk……
「あ、竜お前の戸籍下貴族にしといたから」
「ブフォァ!?」
思わず吹いた
「ハァァァァァア!?なんでですか!父上!」
「だってお前昨日最上貴族に暴力を振るったって噂が…」
「それガセですよ!俺が前方不注意でぶつかっただけですって!」
そんなことが流れてたまるかと思い必死に説明した
「そーなのかでも戸籍下貴族にしとくなー」
「やめてください父上ー!」
〜龍黒竜 魔道学校にて〜
…やばい
この空気はやばい
昨日の起こったことを少しばかり変えられて
それが流れてしまっている…
このままでは卒業までずっとコケにされる…
「おーい竜!」
空気読まずに話しかけてくんなよお前
「俺昨日のことで下貴族になっちまったー☆」
「ハァ!?」
さすがに驚いた
と言うかなんでこいつも同罪なんだよ
「まずいな……あいつの信頼を取り戻さないと最悪退学もあるぞ」
「え?マジで?」
「そりゃあそうだよ!」
実のところを言うと魔道学校では下貴族になったものは
1ヶ月といることはできない
つまり俺たちは早く普通貴族に戻らなければならないと言うことだ
「よし!行こう!竜!」
「待てや紅」
俺は紅を止めた
「止めんなよ!竜!」
「いきなり言ってもダメだ!さらに身分が下がるぞ!」
紅は納得して考え始めた
〜龍黒竜 業火紅 帰り道中にて〜
「あ〜も〜一体どうすればいいんだよー!」
「落ち着いて探して行くしかないけどどうすれば…」
歩きながら身分を元に戻す方法を考えていたが全く思いつかない
これはどうしたものかと思っていて歩いていた時
裏路地を横切ったらなぜかあいつがいた
それも品の悪そうな不良のようなやつと一緒に
「何やってんだ?あいつ」
「ん?何がだ?」
「あれだよ、昨日のあいつ」
「あれ?不良と何やってんだあいつ?」
少し近づいて聞き耳を立ててみた
「おいお前〜身分が高いからって調子に乗ってんじゃねえのかぁ?」
うわーこれ完全に絡まれてるよ
「何?貴方達?私に暴力を振るえば身分が下がるわよ」
「そ〜ゆ〜所がムカつくんだよ」
「少し痛めつけたほうがいいだろうなぁ」
やばい!と思うよりも俺の体は動いてしまった
紅も続いて走り出すがここで俺はわかってしまった
あいつらは俺たちよりもはるかに強いと言うことを
だけど俺は思いもせずまるで誰かに操られたかのように言ってしまった
「やめろ!」
「アァ!?なんだおめぇ?お前も痛い目会いたいのかぁ?」
「なぜ貴方が…、やめなさい!これは私の問題よ!貴方が入ってこないで!」
「だから黙って見てろと!?できるか!バカ!」
「話してる暇はねぇだろうが!」
!?、あれは属種魔術!?あれは魔道学校を卒業しないとあらわれないはず…
「くそ!やるしかねえ!『物質変化!壁!』」
物質変化は周囲の物質からそれを作るための材料とそれを作り出せるだけの質量を使い自分の作りたいものを作ると言う基本魔術
昔は「錬金術」と言ったらしいが今では物質変化となった
話を戻し物質変化で壁を作り不良の魔術を防ぎその隙に彼女の手を掴んで逃げようとした
……が
「ふん!」と言う声とともに俺は大きく吹き飛ばされた
おそらく肉体強化の魔術…
くそ!応戦するしかない!
「『物質変化!剣!』」
物質変化で石の剣を作り出し応戦を始めた
だが力の差は歴然俺はあっけなくやられそうになった
だが二度目に吹き飛ばされた所は道だった
「しめた!早く逃げろ!」
「おい!待て!」
不良達は俺たちを追いかけてきた
「なぜ?」
こいつが静かに呟いた
「なぜなの?私は貴方の身分が を下げたのになぜ助けるの!?」
こいつの問いに俺はすぐに答えた
「なぜだろうな?俺にもわからねえよ」
「え?」
こいつは少々戸惑った
「なんでかわからねえが、俺も考える暇もなく体が先に動いちまってな」
そう言っているうちに俺たちは大通りに出た
そして俺はこいつにこう言った
「お前はなんでも一人で抱え込みすぎだ!自分の身分を守るためにただただ必死になってそして自分で抱え込みすぎる…だけどもうそれはしなくていい!お前はお前自身を信じろ!」
そう言っている間に目の前に不良の一人が立ちふさがった
「今度こそ痛めつけてやるよぉ〜!」
まずい!っと思ったがそう思ったのもつかの間だった
「……ん?」
「聖竜騎士団だ」
聖竜騎士団がきたからだ
「な…なんでこんなところに聖竜騎士団が!?」
「君たちは龍法第26条暴行罪にとられている」
あれおかしいな?暴行罪の場合ただ身分が下がるだけなのに…あ、まさか
「それだけではない龍法第82条違法書の使用の罪もある」
やっぱりか…
魔道学校を卒業しない限りは属種魔術は使えない
だが魔道書を使えばそれに似た芸当をすることができる
その中でも最も危険なのが違法系魔道書だ、使えば罪となる
でもその前になんで聖竜騎士団がきたんだ?
俺は一度も通報したはずは…
「私が呼んだの」
「え?」
「だから私が呼んだの、私の身分なら聖竜騎士団を呼び出せる」
「あ?え?まじで?」
おいおいマジかよ、つい思ってしまった
「まぁ助かったよ……えーっと」
「どうしたの?」
俺は一つだけ忘れていた
「あ〜一度も聞いてなかったけどお前の名前ってなんだ?」
「……それだけ?」
「あ、あぁ……」
「呆れた私の名前を知らないなんて」
「あーすまん」
「まあいいわよ名乗るわ」
「あぁそうしてもらうと助かるよ」
そして自己紹介をし始めた
「私の名前は激流青よろしく」
「あぁよろしくな青 俺は龍黒竜だよろしくな」
そしてその夜俺の戸籍が貴族に戻っていたことを父上が伝えてくれた
特になし




