池田先生と僕
やっと顧問です。
よろしくお願いします。
「ちょいとそこで暇そうに珈琲啜ってる池田先生、授業で分からなかった所聞いてもいいですか?」
「……担当教師はどうしたのよ 」
「午後から出張行ったみたいでーす。」
ある日、ものすごく珍しく先生に質問しようと職員室に来たのだが僕のクラスを担当している先生が午後から出張に出てしまっていた。
ので、ちょうど聞きたかった教科の先生でこの学校一美人と言われている先生の池田先生に声をかけてみた。
「ってか、暇じゃないわよ!すこーし、休憩してた、だ・け・よ!」
「引き出しにしまっているゴマ煎餅食べようとしてたのにですか?」
「なに?そこまで見てたのぉ?」
「いえ、鈴木先輩情報で『あの化け物は暇さえあれば引き出しにしまっているゴマ煎餅を食ってる』と」
「あ゛ん゛の゛ぉ゛野郎ぉ」
「せんせ、素が」
「あらやだ、うふふ?」
「…ぉぇぇ……あ、そうそう先生ここ聞きたいんですよ」
「聞こえてっからな、おい……これ、生物じゃないのよぉ」
池田先生は理系で主に科学と物理を教えているのだが今回聞きに来たのは生物である。
僕は「生物も科学も同じ理科だよね!」と考え池田先生に声をかけたのだ。
「んで?…えー、面倒くさーい。ここ私があんまり得意じゃないとこなのにぃ?」
「…分かりました!理系の僕に分からなくて理系の先生でも分からないなら勉強のスペシャリストの鈴木先輩に聞くしかないですね!鈴木先輩には池田先生も頭を抱えてましたって言っておきますね!ありがとうございました!!失礼しました!!!」
先生が仕事であるはずの教えることを放棄したのでいそいで職員室から出て走ってはいけない廊下を走る。
すぐ後ろで職員室のドアを勢いよく開ける音と「待てゴラ、一年!!!」と池田先生の怒鳴り声が響く。
因みに僕がこんなにフレンドリーに話している訳は池田先生が僕が所属している部活、「遊部」の顧問であるからと池田先生は年も近く元・男の先生なので話しが合うのだ。
誤解の無いように言っておくが池田先生は恋愛対象は男の理系ニューハーフである。
池田先生:金髪に染めたロングヘアに少しつり目。口には赤のルージュを必ずつけているため見た目は気が強そうな美人の女性。
担当科目は科学や物理で生物ではない。ただ理科なのでできるにはできるが面倒。
生徒からはすごく人気なニューハーフ教師。
鈴木先輩にどうやら弱みを握られているらしく仕方なく「遊部」の顧問になった。