三好先輩と僕
作者は手裏剣得意です。
「あれ、こーちゃん?」
「三好先輩」
今日も今日とて部室に来てみれば鈴木先輩がいない。珍しいこともあるもんだと思いながら椅子を拝借して本を読んでいた。
すると、またもや珍しく鈴木先輩と一緒にいない三好先輩が部室に来た。
「珍しいですね、鈴木先輩と一緒にいないの」
「ん?あぁ、いつも一緒にいるわけじゃないし…まだ誰も来てないの?」
「はい、多分、僕が最初です。」
「そっか!じゃー、皆が来るまでこれで遊んでよー!」
「はい」
三好先輩はすごいイケメンだ。
顔もだけど性格もいいし他にも鈴木先輩の次に成績がいいし運動神経抜群、先生、女子生徒、保護者受けもいい。本物のイケメンだ。
ただ、生まれる前からの仲が鈴木先輩ってところでイケメン度が落ちる。
三好先輩は鈴木先輩が幼なじみだからという理由で鈴木先輩の面倒は学校公認で三好先輩の係になっている。
そんな三好先輩が鞄から取り出したのは、いろんな色が揃った折り紙だ。
大きさは小さめのと中ぐらいのよく見るサイズの二種類だ。
「子供の頃によくやりました。」
「俺、妹いるから中学ぶり~」
「僕、一人っ子なんですよ、いいな~妹さんおいくつなんですか?」
「小5と中2」
「思いっきり思春期ですね、はい、手裏剣~」
「おお~上手い、でも可愛いよ~っと、はいっ、風船うさぎ~」
にこにこしならがら三好先輩は机にぽんっとピンクで作った風船にウサギのような耳がついている折り紙を置いた。
「何普通に難しそうな折り紙折ってるんですか」
「結構簡単だよ~」
「ってか、すっごい折り紙で立体的なもの産み出してません?!」
「あはは~あ、これカエルね」
「なんか、先輩って何でも出来ますね」
「何でもは無理だよ、俺だって隣に立つために頑張ったんだから」
「…誰のですか?」
ガタ、
「…、なんだ、お前ら早いなって三好何やってんだ」
「お望みならドラゴンも作るよ」
「ドラゴンよりカメ作ってくれ」
「鈴木先輩、カメ好きですね」
「俺はカメ派だ」
「いらない情報ありがとうございます」
三好先輩:イケメン。鈴木先輩の世話係。鈴木先輩の隣に立ち続けるためにずっと努力をしていた。あまり知られていないが元、地味メンだったらしい。(本人談)
金色短髪で前髪の片方はピンで留めている。キツネ目。
読んでくださりありがとうございました。