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キリがいいので少し短め。
大丈夫・・・・かなぁ。
はぁっっっっっっと大きなため息をつきながら歩く。
勇気を振り絞って抱きついてみたのだが、一弥は無反応だった。
俯いたままの一弥にどうしていいのかわからず、結局そのまま『またね』と言って出てきてしまった。
・・・・なんだかあの時を思い出すなぁ。
一弥と2人で食事に行った時のこと。
一弥の発言に怒った私は、一方的に言うだけ言って『またね』っと出てきてしまった。
・・・・あの時はどうしたんだっけ・・・・??
あぁ、そうか。一弥が倒れて否応なしに会わないといけなくなったのか。
全部が終わった時、私は普通の顔をして一弥に会えるだろうか?
約束したから会いに行かなければならないが、正直気まずい。
っと、そんな先のことを考えるより、まずは空太の救出をっと。
ピリリリリリリッと音を立てた携帯をポケットから取り出す。
着信の表示は流だ。
もしかしたら、買収騒動か調査に進展があったのかもしれない。
私も裕一郎様のことを話したかったからちょうどよかった。
「はい、平お・・・・」
『何処にいるっっっ!!!』
っっっっ!!!??
あまりの大声に電話を落としそうになった。
慌てて握り直した電話から、聞いたことのないような流の怒声が飛び出してくる。
『今何時だと思っている!!
女がこんな時間に出歩いていいと思ってるのか!!??
何処にいるかすぐに答えろ!!』
「もっ、申し訳ございませんっ!!」
なぜだか外にいるのがバレている。
そして物凄くお怒りである。
『そんなものは後でいい!!
さっさと居場所を言え!!』
流に気圧されたまま、現在地を答える。
『すぐに迎えに行く。
お前は近くのコンビニに入っていろっ!』
そう言うと、返事をする間も無く電話は切れた。
言われた通りコンビニに入る。
こ、怖かった・・・・。
流がかなりの傍若無人で激しい性格なのはわかっていたが、よく考えたらそれを私に向けられたことはなかった。
あんなに恐ろしいものだったとは・・・・。
電話越しでもあんなに恐ろしいのに、直接会ったらどんな恐怖体験に・・・・。
逃げ出したいが、今回は私が悪い。
大人しく怒られるしかない。
戦々恐々としながら待っていると、20分ほどで白いスポーツカーがコンビニの前に止まる。
急いでコンビニから出るのと、流が車から降りるのは同時だった。
・・・・っっ!!
ただ車から降りただけなのに、気圧される。
流の背後に青い炎が揺らめいているのを感じる。
・・・・・・・・本当に見たことないほど怒っていらっしゃる。
流は助手席のドアを開けると、無言で顎をクイッとしゃくった。
乗れってことですね・・・・。
私は処刑台に乗り込むような気持ちで車に乗り込んだ。
大変お待たせしました。
すみません、予告と違いますが本編更新です。




