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時間はちょっと遡って華穂視点。

「じゃあ唯さん。出かけてくるからお客様のおもてなしよろしくね!」



びっくりしている唯さんの横をすり抜けて外に出る。

一弥に『任せたよ』と伝えたくて、その背を軽く叩いてから車に乗り込んだ。



「あれ皇一弥だろ!?本物初めて見た・・・・。」



なんでか空太もびっくりしてる。



「唯さんとの噂ってガセって言ってなかったか??」


「うん。付き合ってるわけじゃないよ。

一弥が唯さんのこと好きなのはほんとだけど。」


「マジか・・・・。

槙島さんといい皇一弥といい、唯さんすげぇな・・・・。」


「わたしの唯さんだからねっ!!」



呆けたような顔をする空太に、わたしは自慢気に胸を張った。

本当になんで恋人がいないのか不思議なくらい唯さんは素敵なんだもん。

仕事わたしが原因で恋人がいないんだったら、その分しっかりフォローしなくちゃ!



車の中で唯さん自慢してたら、突然頭をガシッと掴まれた。


そのままわしゃわしゃと頭をぐしゃぐしゃにされる。



「な、なに!?」



髪がグチャグチャになる!

って抗議しようとしたら、なんだかちょっと顔を赤くしてそっぽ向いてる空太の顔があった。



「・・・・・・・・せっかくのデートなんだから、唯さんの話はそれくらいでいいだろ。」



言われたことに思わず赤くなる。



「そ、そっか!うん、ごごめんね!!」



で、デートだもんね。ふたりだけの初めての・・・・・・・・。

初めて!!

あまりの恥ずかしさに突っ伏してジタバタ暴れたくなったところで、ちょうど車が駅に着いた。



今日は電車に乗って1時間の所にある水族館に行く予定。

・・・・・・・・実は付き合い始めてからふたりで出かけるのって初めてなんだよね。

初詣には行ったけど、あの時は唯さんも流もいたし。

空太は平日休みが多いし、わたしは土日しか空いてないからなかなか予定が合わない。

料理の勉強も兼ねて家に来てくれるから、毎週会ってはいるんだけどちょっとさみしいなーって思ってた。

だから、今日はすっごく楽しみにしてたんだ。

さっきの言葉で、空太も楽しみにしてくれてたんだってわかって嬉しくなってくる。



駅で電車を待ってたら一弥から着信があった。

どうしたんだろ?



『もしもし、華穂ちゃん?

デート中にごめんね。唯ちゃんが執事の仕事から離れてくれなくってさぁ。座っておしゃべりもできないんだよねぇ。』



あー・・・・唯さんらしい。

事前に言っておいた方がよかったかなぁ。

いや、でも言ったら唯さん絶対逃げるし。



「電話くれてありがとう。わたしから唯さんに説得するから、ちょっと代わってくれる?」


『うん。ありがとう。じゃあ、かわるね。』



電話で唯さんに説明してたけど、電車が来ちゃった。

心配そうにこっちを見てる空太にわかってると頷いて早口で喋る。



「あ、電車きた!また夜にねっ!!」



電話を切って電車に飛び乗る。



「唯さん、大丈夫か?」


「必要最低限は説明したし、唯さん順応性高いから大丈夫だよ。

もしダメだったら一弥の努力不足!」


「お前・・・・意外とスパルタだな・・・・。」


「お姫様を手に入れるには試練が必要でしょう?

大事なお姫様を楽しませることもできない人にはあげられません!」


「・・・・・・・・槙嶋さんも皇さんもご愁傷様。」


「むー、それどういう意味!?」


「いや、ただでさえ唯さん難しそうなのに、そこに激ニブのお前まで加わるとか・・・・」


「た、たしかににぶいのは認めるけど、ちゃんと手伝ってるもん!

今日だってわたしが呼ばなかったら唯さん仕事だけで1日終わってたし!」


「そもそも皇さんの手伝いして槙嶋さん怒んないのか?」


「流にも声かけたよ。でも、仕事だって。

平日だから仕方ないよね。」


「・・・・・・・・どっちかに偏ってないならまあいいけど。

あんま口挟むなよ。こういうのは本人の問題なんだからな。」


「そりゃあ、そうだけど・・・・。」


「山中先生だって何もせずに見守ってくれてただろ。いろいろタイミングとかあんだから、しゃしゃり出んな。」


「・・・・・・・・わかった。もう少しこっそりする。」



わたしの返事に空太は苦笑いを返した。

ちょっと自重するって言ってるのに!!


この話の中で一番まともなのは空太かもしれない。


昨日、拍手御礼話の交換しております。

よろしければお読みください。

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