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『年末を締めくくる大型歌番組ですが、今回も盛り上がりましたねー。』


『そうですね。お子さんからおじいちゃんおばあちゃんまでたくさんの人が楽しめる演出になっていたと思います。』


『そんな盛り上がった番組ですが、何と言っても一番の盛り上がりはこれでしょう!』


『はい!』


芸能キャスターがボードを取り出した。



【皇一弥 結婚宣言!?】




1月4日、先送りにしていた問題に襲われた。


華穂様が朝食を食べるの時につけているテレビの音を聞きながら窓の外を見る。

遠くに見える門のところには、前回にように報道陣が詰めかけている様子はなかった。



『番組内では司会の方がうまく進めて、何事もなかったように進行していきましたが、ネットでは発言の直後から大騒ぎで。

ファンの方の間でも賛否両論だったみたいです。』


『男の僕でもわかる気がします。

あんなカッコいい人があの年齢で結婚しちゃうのはファンとしても惜しいですよね。』


『そうなんですよ。

まだ25歳でこれからもっともっと男としての魅力が上がっていく時期なのにもう誰かのものだなんて〜〜〜〜〜〜〜!!

・・・・っとは思うんですけど、交際宣言の後の一弥さんを見ちゃうと、結婚も仕方ないなぁとは思いますね。

あの歌声の深みや色気が恋人のことを思ってだったら、結婚を祝福してあげたい気持ちになっちゃいます。』


『結婚してパパになったりしたらもっともっといい歌を聴けるのかもしれませんね。』


『そうですね。

事務所からの正式発表はまだ出ていないので、結婚の時期は早くても夏、有力なのは年末入籍で年明け挙式ではないかと思われています。』









「・・・・・・・・だって?」


「皆様、想像力がたくましいですね。」



華穂様の問いかけに無表情で答える。

よくもまあたった一言でここまで想像できるものだ。

それが彼らの仕事だから仕方ないのだが。



「どうするの?」


「どうもしません。幸い前回の一弥の脅しが効いているようでマスコミが押しかけることもないようですからこのまま放っておいても問題ないでしょう。」


「そっちじゃなくて、一弥のことだよ。

年内に結婚したいってことは何か考えてるんじゃないのかな。」


「・・・・・・・・・・・・・・・・。」


「大晦日は『聞いてない』で済ませられたけど、今回はそうもいかないと思うんだけど・・・・・・・・。」


・・・・私もそう思います。


自分から行くか、一弥からのアクションを待つか、難しい問題だった。





今日は高良田家の主家と使用人の新年会だ。

仕事はみんな午前で終えて、昼からは全員で大騒ぎする。

食事はもちろん配膳まですべて一流ホテルのケータリングですませ、私たち使用人が準備するものは何もない。

宴会後は送迎付きと至れり尽くせりで、毎年とても楽しいのだと先輩の使用人が教えてくれた。



「あ、唯さんそれ着て着たんだ。

うん、可愛い可愛い!!!」



大広間に来た私を見つけた華穂様が声をかけてくださる。

今日は基本的に私服参加。

私は以前隼人母に貰った紺色のセーターの下の白いシャツとクリーム色のパンツ、パールのネックレスという出で立ちで参加するつもりだ。


華穂様は首回りにビジューと白いファーが付いている

ワインレッドのニットに白いシフォンのスカートという華やかな出で立ちだった。



裕一郎様がマイクを持つのが見える。


さあ、パーティの始まりだ。


約半月ぶりの本編です。

活動報告に書いてはいましたが、本編お休みして小話と拍手御礼話書いてました。

よろしければそちらも読んでくださると嬉しいです。

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