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久々の華穂視点。

や、やっと終わったぁぁぁぁぁぁ!!


空太を見送って部屋に戻ってから一気に脱力する。

もう、今日1日すっごく疲れた。

今ベッドに入ったら1秒で寝れそう。

こんなに疲れるならしばらく空太に会いたくない・・・・・・って、あれ?恋ってこういうものだっけ??

たしかドラマや歌だと『会いたくて会いたくて』みたいなものじゃなかったっけ?

漫画とかだと壁ドンとかデコチューとかでドキドキするんだよね!?

うん、大丈夫、ドキドキする・・・・って、それって空太以外でもドキドキしてたじゃん!!!

えっ、じゃあ、わたし、空太のこと好きなわけじゃないのっ!?


「華穂様?」


「うわぁ!!!???」


心配そうな唯さんの顔が目の前にあってつい大声をあげちゃった。

びびびびっくりしたっ!!


「ななななに!?」


「先ほどから百面相されていますが、大丈夫ですか?」


「だだだ大丈夫!!ぜぇんぜん大丈夫!!」


自分でも全然大丈夫じゃないだろっと突っ込みたくなるくらいの動揺っぷりで答える。

空太の『相変らず嘘つけねーやつ』って声を思い出して顔が熱くなるのを感じる。


「華穂様が大丈夫とおっしゃるなら大丈夫だということにしておきましょう。」


ソレデオネガイシマス。


「大丈夫なら、今からじっくりお話ができますね。」


にっこり


なんか唯さんがものすごく綺麗な顔でにっこり笑ってる。

わ、笑ってるんだけど、な、なーんか圧力を感じるのは気のせいかな!!??


「えっ、えーっと、じっくりって何を・・・?」


「もちろん華穂様のお悩みについて。空太様とお約束しましたので。」


「なっ悩みなんて・・・・・・・」


あ、唯さんがまた捨てられた子犬みたいな顔でこっち見てる!!

あ、あれは演技なんだから騙されない騙されない騙され・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。



「・・・・・ワカリマシタ」


「ありがとうございます。ではまずは聞き取りさせていただきますね。」



唯さんは悲しげな顔を一瞬でとびっきりの笑顔に切り替えた。さっきの圧力もない。

・・・・・・・・・・演技だってわかってるんだけどなぁ(涙



「まずは・・・・・華穂様は空太様のことが好きだということでお間違いないですね?」



【好き】



じ、自分でもそうだけど、他の人から聞くとより威力のある言葉にっ。ま、またドキドキしてきた!


「華穂様?」


ドキドキするのの忙しくって唯さんに返事するの忘れてた・・・・。


「好き・・・だと思ってたんだけど、なんか今日会ったのですごく疲れちゃってね、しばらく会いたくないなーとかおもちゃって・・・・・。

恋すると相手に会いたくなるものだよね?

やっぱりわたしの気持ちは恋じゃないのかな・・・・。」


あんまりな質問につい俯いてしまう。

なんてこと聞いてるんだろう。

こんなんじゃ呆れられちゃうよね・・・。


「・・・・華穂様は隼人様のお家お邪魔した時に、どうして空太様が好きだと思われたのですか?」


俯いてるから表情はわからないけど、唯さんの声は優しかった。


「・・・・・・隼人くんのお父さんの話を聞いた時に思い出したの。

お母さんが死んじゃってしばらくしてから落ち込んだ時も、いろんなことがうまくできなくて泣いちゃった時も、いっつも傍にいてくれたのは空太だったなって。

恋人ができたらその人がずっとわたしの隣にいることになるでしょう?

そう考えた時に空太の顔が浮かんだの。

空太じゃないとダメだなって・・・・・。」


言いながら思った。

やっぱりわたし、空太じゃないとダメ。

なんであんな風に思っちゃったんだろう。

今更、隣にいて欲しくなった。

なんてわがまま。

そんな自分が嫌になって涙が滲んできた。


そっとわたしの頭に唯さんの手が乗った。

そのままゆっくり撫でてくれる。


「大丈夫です。華穂様はきちんと空太様に恋しています。

今日は照れくさくて避けてしまっただけです。

ゆっくりちょっとずつ自分の心に慣れていきましょう。」


そっと顔を上げる。

唯さんはマリア様のような慈愛に満ちた顔で微笑んでいた。


「華穂様のお気持ちはわかりました。

それで空太様のお気持ちはご存知ですか?」


ぼふんっ


「そそそそそそそそそ空太様のお気持ち!?!?」


また顔が一気に熱くなる。


「そのご様子でしたらご存知のようですね。

空太様はどのようにお伝えになられたのですか?」


「ちょっ、ちょっと待って!!

なななななんで、唯さんが空太の気持ち知ってるのっ!?」


わたしの言葉に唯さんがきょとんとした顔をする。


「なんでと申されましても・・・・・。

空太様はとてもわかりやすかったというか、隠す気がなさそうでしたし・・・・・。」


・・・・・・・・やっぱりわたしって鈍いんだなぁ(涙

自分のダメさがとても胸に痛かった。



唯を前にするとチョロイン(攻略が簡単なちょろいヒロイン)な華穂。


ブックマークありがとうございます。


近日中に拍手御礼話入れ替え予定です。

ヒロインたち抜きので書きたいことが溜まりつつありちょっと考え中。

いっそ御礼話をすっ飛ばして小噺につっこむか、本編で閑話扱いするか・・・。

本編更新する時間もないのに他を書きたいという困った病が発病中です。


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