表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アカトキヴァンシュ-GUN OPERATOR GIRL-  作者: 久マサル
六章.伊賀梓と宮之城玲香
20/30

18話

パァン!

制服姿の梓と朝宮はシューティングレンジで射撃練習をしている。

夕方であることもあり、客は2人しかいない。

パァン!

「う〜ん… 」

朝宮は5mの距離に設定されているターゲットを浮かない表情で見ている。

「このグルーピングだと護身用の発砲としてなら問題ないよ。」

「ありがとう… でも、護身用じゃなくていざという時のためにも、もっと当たるようにしときたいの。」

朝宮は心から漏れた想いを呟く。

「… いざという時って? 」

梓は朝宮の強い瞳に一瞬、言葉を失う。

「えっ? うん、自分の意志を強く持ちたいから… 」

「… 」

「ごめんね、なんか空気が重たくなっちゃたね。話は変わるけど… 伊賀さんに教えて欲しいことがあるから聞いても良い? 」

「うん、良いよ。」

「聞きたいことは銃のトリガーアクションなんだけど… 」

「トリガーアクションのこと? 」

「うん。グロックのトリガーが1種類ってどういうこと、銃のトリガーって1つじゃないの? 」

朝宮は【グロック17】を梓に手渡す。

「えっと、私のM9はハンマーファイヤー式で、グロックはハンマーが無いストライカーファイヤー式っていうの。」

梓は【M9A1】を取り出し、比較しながら説明を続ける。

「まず、M9について話すね。初弾を装填してハンマーが起きていない状態で撃つことをダブルアクションっていうの。それで、ハンマーを起こした状態から撃つことをシングルアクションっていうの。」

「へぇ〜 だから2種類あるんだ。」

「うん、次にグロックなんだけどハンマーじゃなくて内蔵されているピンが弾のプライマーを弾いて発射する仕組みなの。」

「グロックはハンマーが無いからシングルアクションなの? 」

朝宮は梓の話を真摯に聞く。

「う〜ん、感覚的にはダブルアクションに近いかな。重たいトリガーがセイフティー代わりになっているから安全装置が無いの。」

梓はグロックを朝宮に返す。

「綾ちゃんと沙也夏ちゃんが言ってたことってそういうことだったんだ… 伊賀さん、ありがとう。」

「どういたしまして。」


ーーーーーー


コンコン!

「茅花、具合はどう? 」

「玲香ちゃん、平気だよ。」

茅花は病院の個室のベットで寝ている。

「また、PSCに対する世間の目が冷たくなるね… 」

病室に備え付けられているテレビが先日、発生したビスマルクの襲撃事件を伝えているが薬物については全く触れていない。

「私が間接的に茅花を負傷させてしまったようなものだし改めて謝るわ、ごめんなさい。」

「京橋が現れるなんて計算外だったし、仕方ないよ。それに、私が未熟だったこともあるし、あと、ちゃんと助けに来てくれたじゃん。だから、プラマイゼロってこと♪ 」

茅花はいつもの調子で話しかける。

「ありがとう。」

「うん。それでこれからどうするの? 」

「そうね。防衛省から直々にPSCビスマルク日本支部の幹部達を極力、逮捕してくれと依頼されたわ。」

ベットの近くにある椅子に腰掛けた玲香が話し出す。

「激しい戦闘になることが目に見えているから私達に話が来たんだね。」

「ええ、幹部達が今後の対応策を練るために集まるときを襲撃する計画よ。」

玲香が学生鞄からPCを取り出し、幹部達のプロフィールを表示する。

「ということは玲香ちゃん、久しぶりに彼等を招集するの? 」

玲香の瞳がより鋭くなる。

「そうなるわね。梓にはこの話、秘密にしといてね。」

「… うん。」

茅花はワンテンポ遅れて返事する。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ