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アカトキヴァンシュ-GUN OPERATOR GIRL-  作者: 久マサル
四章.44マグナムと宮之城玲香
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9話

高層マンションの自室のダイニングの机に突っ伏して寝ている玲香。

玲香の前には昨日のショッピングモール内で発生した乱射事件に関する報告書が表示されているPCがある。

シュル!キュッキュ!

玲香の上の部屋に住む住人がベランダの手すりにロープを括り付け懸垂降下する。

… カラカラ

ベランダの窓ガラスが開く。

「… おはようございます。」

TV番組の寝起きドッキリのアナウンサーのような小声で呟く少女。

明るい色のお団子ヘアーが特徴的な少女はベランダから侵入し玲香に忍びよる。

「… また、こんなところで寝てる… ふふん♪ 今日はどういう風に起こそうかな。」

悪戯を画策し口元が緩む少女はネグリジェ姿の玲香の体全体を見渡す。

「… 胸を触って起こした時は滅茶苦茶怒られたからなぁ… この柔らかそうな… 」

少女は呟きながら、普段のキリッとした状態とは異なるふにゃっとしている玲香の頬に人差し指を伸ばす。

ぷにっ… ぷにぷに…

「… うん?」

玲香は反応するが起きない。

「眼鏡姿の玲香ちゃんをもう少し眺めていたいけど、時間が無いし… 」

少女は都立桜花女子高等学校の1年生であることを示す白を基調としているセーラー服を纏っている。

「… ひゃったい?! 」

頬をいきなりつねられて飛び起きる玲香。

「… 茅花、毎朝起こしてくれるのは助かるけど、もっと普通に起こしてくれない?」

寝起きであることもありふくれっ面を見せる玲香。

「だって、玲香ちゃん呼び掛けるだけじゃ起きないじゃん。」

「それでも、肩を叩くとか体を揺するとかあるでしょ… 」

「は〜い、次から気を付けま〜す♪ それより、早く着替えて玲香ちゃん。」

「はぁ〜 全くお気楽なんだから… 」

茅花の反省を感じさせない返事に呆れつつ寝室のクローゼットに向かう玲香。

黒いセーラー服に着替え、コンタクトレンズを着けた玲香がダイニングに戻ると机の上にはトーストとハムエッグを並んでおり、キッチンでは茅花がコーヒーを入れている。

「お待たせ♪」

「いつも、ありがとう。」

椅子に座り朝食を食べる玲香。

「護衛として上の階に住んでいて、毎朝起こす方のことも考えて仕事してよね。」

「は〜い、次から気を付けま〜す♪」

「反省してないな… これって、昨日のモール事件でしょ?」

「ええ、彼女について知りたくて報告書を読んでみたんだけど何も分からなくて… 」

玲香は報告書に添付されている監視カメラに映る朝宮の画像を見つめている。

「ふ〜ん、今日の放課後に私のお祖父ちゃん()に行くの?」

「その前に伊賀梓さんに会ってみるわ。」

「オカサトミヤの請負人だよね?」

「ええ、彼女と遊んでいたみたいだし」

「玲香ちゃん、そろそろ出ないと遅れるよ」

白いセーラー服と黒いセーラー服を着た2人の少女はマンションを後にする。





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