無意識が一番恐ろしい
よし!ハッキリ断ろう!!
そう、意気込んでみたものの、上司に対して何と言ったらいいのか悩んでしまう。
やはり、ここは、無難にガチのトーンで「やめて下さい。」か?
けど、あんなのでもかなり上の立場の人だ。もし、俺がそう言った事でクビなんかにされでもしたらたまったもんじゃない!
それに奴は、皆からの信頼も厚い。
でも言わないでセクハラ行為をされ続けるのは、もっと嫌だ。
その事でずっとグルグルと考えていた俺は、とうとう、熱を出してしまい、会社を休まざるおえなくなってしまった。もう、夕方だと言うのにまだ熱は下がらず、気怠さと激しい頭痛が残っていた。
次の瞬間、なんだか頭の中で耳鳴りにも似た鐘の音が聴こえたような気がした。
耳をよ〜く澄ましてみた。
すると、部屋の扉がノックされていることに気付いて、俺はベッドから起き上がろうとした。
けれど、頭が重く、思うように起き上がれないでいたら、また、扉が2回規則正しくノックされた。俺はフラフラな身体を壁に預けながら扉へと向かった。
扉の前まで来て扉をじっと見ていた。
頭がぼっーっとする。足が動かない。瞼が重い。
そんな俺を催促するようにまた、扉をノックされた。今度は、荒々しいく叩いている。俺が扉の鍵を開けると、勢いよく扉が開いた。空気が変わって、外の空気が流れてこんできた。
そこには、両手を前に出して、おかしなポーズをした彩がいた。
俺が仕事を休んだことを知って彩が仕事を終えてすっとんで俺の所へ来てくれたようだ。
「具合大丈夫っ!?今日仕事休んだって聞いてっ!心配でっ!!」
彩が何か言っている。
今の俺には、朧げにしか聞こえない。音は響いているのだが、頭に入ってこない。
プツっと俺の記憶が途絶えてしまった。
気付いた時。
俺は、見慣れた天井を見ていた。位置からするとここはベッドの上だろう。頭だけ動かして周りを見てみる。時計に目をやると、只今の時刻20時20分。
なんだ、また寝てたのか。
寝返りを打って横を見た。
なっ!
頭の中で呟いた。
何で、彩が俺の横で寝てるんだっ!?
これは一体どうゆう状況なんだ!?
誰か!説明プリーズっ!
俺は、動揺しまくっていた。
何で?どうして?何が、どうなった!?
しかも、何故だか知らないが、手も恋人繋ぎで握られている。その腕を抱き枕か何かと勘違いしている彩が、しがみ付いている。
俺の知らないところで、何が起きたんだ?
そんな事を考えていた時。ぐ〜っと俺の腹の虫が大合唱を始めた。
腹減った、、、。そう言えば、今日何かを食べた記憶が無い。食欲が無かったので、朝、水を飲んでそのまま薬を飲んで寝てしまった。しかもこんな時間だ、俺の腹が悲鳴をあげるのも頷ける。けど、今のこの状況をどう回避すればいいのか、、、
と、とりあえず、上半身を起こそう!
彩は、起きる気配が無い。
ん?あれ?
彩が俺の腕を抱き枕にしていたので、上半身を起こした時に布団がめくれて、彩の腕と肩が見えていた。
ま、ま、、まさかっ!!
布団を剥いだ。
っっ!!??
なっ!?なんでェ!?彩っ!!
お前っ!!なんで裸なんだよっ!!!???