嫉妬。
どこで出そうか…と思っていた先輩が出てきてくれました。
そして、なんと!?お○なも登場!?
へ?な、にが起きたの?
何か冷たい。
肩から腕、腹から足にかけて何やら得体の知れない液体がしたたっている。今、自分が置かれている状況をうまく理解する事が出来ない。
彩と大狩がわたわたとしているのは、目の端で見えたが、
俺は、この状況を作り出した正体を知るよりも、この冷たい液体が何なのかを確かめる事に、すでに身体が動き出していた。
冷たい…。
何か、柑橘系?な匂いがする。
嗚呼…オレンジ…?
オレンジだな…
なら、これはオレンジジュースで間違えなさそうだ。
けど、何で当然オレンジジュースが上から…?
俺は、このオレンジジュースをぶっ掛けたであろう人物をゆっくりと見上げた。
、、、、、、、、ッ!!!???
え!?嘘だろ!?
何で!?まさかッ!?
この人ッーーーー!!
おおおおお、お、おおおッ……女ッ!?
何で女がここにッ!?
あ、あり得ない事が起きている。
た、確かに、普通の人であれば、別に女の人を見た所で、ここまでの反応はしないであろう。
ましてや世の中、男と女しかいないのだし、別にこのラーメン屋が女子禁制な訳でも無いので、何らおかしい事でもない。
…が、俺は違う。
俺は今まで生きてきた人生で女(母親を除き)という人間に好かれたためし…と言うか、話しかけられた事すらも無い。
男からは好かれ、女からは嫌われる。
何か俺は他とは違う…みたいな…
(というか、自分で男から好かれるとか言うと気持ち悪いな…)
たが、それは、呪われていると言っていいほどだ。
俺にオレンジジュースをぶっ掛けた、大体20代女性は、凄く驚き、申し訳なさそうに手早く持っていたハンカチで拭いてくれている。
「ーーーーッ!?」
その行動に俺も驚き、勢い良く立ち上がった。俺は異性に触れた事も無ければ、触れられた事も無い。ましてや、こんな至近距離でなんてッ…!
…て、天変地異の前触れかッ!?
…などと考えている時、その女性の隣りからっひょこっと、男が顔を出した。
髪の毛は金髪に近い茶髪。耳や首、手に至るまでキラキラと輝く装飾品。細身ながらも筋肉がありそうな身体。
嗚呼………。
一言で言うなら、チャラ男。…な、この人物。
かなりこちらにガンを飛ばして来ている。
このいかにもな態度…
そうか、この女性はこのチャラ男の恋人か…
、、、、、
何やら、よからぬ事が起きそうな予感…
「おい!てぇーーーめ……
うゎッ!殴られるッ!!
「う、わあーーー!!原田先輩ッ!!」
あれ?
痛くない…。と、言うか殴られてない…?
そして何やら突然、彩が叫び出した。
先輩?え?もしかして、彩の先輩なのか?
殴られると思っていたので、防御体勢のまま、俺の顔が疑問に思っている事に気が付いた彩が、「嗚呼…この人、同じ部署の先輩なんだよー」と答えてくれた。
んーーーん……
そう言えば、何処かで見たことがある?ような…?
「 あの…本当にすみませんでした…床の凹凸部分に躓いてしまい…飲み物を… 」
「 あ、あの、いえ!いいです!大丈夫ですから! 」
「服、弁償致します!」
「えーー!?い、いい!いいです!辞めて下さい!」
異性と話すのは久しぶり(初めて?)で、俺もかなりテンパり、両手を広げて幾度と無く左右に振った。首も、もげるのではないだろうか、と思うほど横に振っていた。
俺のあまりの拒絶に、「…でしたら、こちらをさせあげます」と、持っていた鞄の中から、黒箱を手にして、差し出された。
見るからに高級な物…開けてみると、まだ一度も使ってないであろうハンカチが入っていた。
男もの?え?これ…
「 これ、彼氏さんにあげるの、では? 」
「 ?? …あ!いえ、違います!シックな物が好きで…でもいいんです!ハンカチ集めが趣味みたいなモノなので、今日も買ってしまって……ですから、こちらは貴方に差し上げます。本当にすみません。お詫びとでも思って下さい。安物で申し訳ないのですが…」
ふと、持っている手元の物を見る。
………安物?
ははは、このお嬢さんは何を言ってるんだ。
俺みたいな庶民でも分かるこのエックスの様なマーク。
黒地に赤と白のライン。そして端にそっとあしらったロゴマーク。
、、、、、、、。
どう見ても、その名を世界に轟かす、高級ブランド品じゃねぇかよ!!
バシッ!!
おいおい、マジかよ…
このブランド、何もかもが目を見張るような値段なんだぞ!?
確かハンカチなんか、5万からとかざらだぞ!?
恐る恐る、彼女を見てみる。
彼女は既に視線を違う所へやっていた。
「原田さんどーしたんですかぁ〜?今日はやけに気合い入ってますねェ〜」
ニヤニヤと彩斗が言う。
「も・し・か・し・て!デートですかぁ〜??」
意地の悪い顔をして、先輩とやらをつついていた。
なにを言っているか聞こえないが、彩と先輩の様子が伺える。
………先程まで、俺がオレンジまみれになっても声一つかけもしない、わたわたとボケッーーと見てるしかない奴が急にいきがり始めると、ふつふつと怒りの様な物が込み上げてくる。
彩のこの…人を弄る様な態度は、俺も何度か見たことがあるので、本気で張り倒したい気分になる。
それが、俺に向けられていなくとも、この気持ちは変わらないらしい。
先輩もいきなりのその態度にイライラ?が顔に出てきている。
「ゴツン!!!!!」
「い"っっったっッーーーーーー!!!」
見兼ねてついついやってしまった。
……一発殴っといてやったぜッ!!
と心の中でつぶやき、彩の先輩へもろにドヤ顔で親指を立てた。
少し驚いた様だったが、先輩も同じポーズをしてくれた。
が、何やら複雑な表情を浮かべていた。
彩は涙目で頭を押さえ、ひっどーい!!暴力的!!とか言ってきているが、とりあえず、いつもの光景に安堵する。
どうしてこんな気持ちになったのか、
後になってみれば気付けたものだ。
読んで頂き有難う御座います。
大変長らく音信不通にしてまして、すみません。
きっと「この人死んだな」と思われた方も多いかと思いますが、まだ生きてました。
いや、ほんと、社畜です。
仕事って楽しいよ!!(自己暗示)
まだまだ頑張りたいです。




