070話 『聖なる場所…迫りくる闇の使者』
謎の少女の登場です。
「………」
気絶している真紅達の前には身長は150センチくらいの小柄でロングの金色の髪をした少女は持っている弓や短剣の類をしまい四人を起こさないように自分の家なのだろう小屋に運んでいった。
7/21(水)
鈴架の魂が完全に身体より離れてしまうタイムリミットは、後…四日間。
―――フォースピア、謎の少女の小屋。
「いたた…あら? ここは…?」
そこでは雫が目を覚ましていた。
「あ、目を覚ましましたか雫先輩。よかったです」
「真紅…? あ、れ…ここはどこ?」
雫が寝かされていた場所は小さい小屋の中だった。
「…わかりません。ただ私達はあの地震の後にどういうわけかフェニキアの小さな洞窟に横たわっていたそうです」
「そうフェニキア………って、え!? フェニキア!!?」
「はい…私達を助けてくれた人から聞きました。後、私達以外には海斗くんと輝羽さんしかいないようです」
「他のみんなは違う場所に飛ばされたってわけね…?」
「はい。無事ならいいんですけど…」
「大丈夫よ、きっとみんな生きてるわよ」
「はい」
―――フォースピア、フェニキアの森。
海斗と輝羽の二人は助けてくれた少女とともに水汲みのお手伝いをしていた。
「ありがとうございます。あなたが助けてくれなければ僕達は森をさ迷うはめになっていましたよ」
「………」
「あ、と…」
少女は無言。海斗は困る。
「…と、ところでそろそろお名前を教えてくださりませんか?」
「………」
「う、く…」
輝羽も撃沈。
みんなを助けてくれた少女はなにも答えずただひたすら水汲みをしていた。
先程から少女はこの調子なので二人はかなり困っているのだった。
だが少し間を置いて…
「……、セリエ……」
「「えっ?」」
「私は…セリエ…、ん!」
「あっ…」
「……」
タッタッタッ…
それだけいうと二人に水が汲まれた樽を渡して自分の分だけを持って先に小屋へと帰っていってしまった…
「…一応喋れたんですね」
「……」
「?…海斗さんもだんまりですか…?」
「え? あ、いえなんでもないですよ。ただ…」
「ただ…?」
「セリエという名をどこかで聞いたことが、いや知っているような気がしてならないんですよ」
「セリエ…ですか。どこかの地名かなにかではないのでは…?」
「うーん……やはりただの気のせいかもしれませんね。さ、早くいきましょう。セリエさんにおいてかれてはまた迷ってしまいますからね」
「そうですね」
―――フォースピア、セリエの小屋。
「それでセリエさん、私達が気絶している間にどれくらい時間がたったんですか!?」
「……二日……」
「…二日、それでは後は…」
「残り四日間ね…」
「はい」
「ねぇセリエさん、あなたはこのフェニキアの森に住んでいて長いんですか…?」
「……(コクッ)」
セリエは返事の代わりに一回頷いた。
「では聞きますがこの森にフィールという人物がいるそうですが知りませんか?」
「…フィール…、知らない…」
「そう…」
「…私、知ってることは…ここの地、清らかで邪気がまったくない聖域…それだけ」
「確かに…ここの気の純度は精霊界に近いです。いや、精霊界でもあっても数を数える程度でしょうか?」
「そんなに清らかなら魔の者の力も及ばないでしょうね」
「…そんなこと、ない…」
そう言ってセリエは俯いた…
「最近なにかよくない事があるのかしら?」
「…人の、影…」
「「「「…えっ?」」」」
「…その影、ごくまれに聖域に侵入してくる…だから、それを私は狩る…」
「影って…この世界にですか?」
「…ありえない話ではないですね。実際闇の王はこの世界にやってきたのですから」
「闇の、王…!?」
セリエは闇の王の話が出た瞬間一時は驚いた顔をしていたがすぐに無表情に戻った。
「「「「…?」」」」
するとセリエは急に人形のように動きが止まり意識は途絶えた。
「セリエさん!?」
セリエの意識はまるで海に沈んでいくかのようにある場所へと降りていき到着した場所はこのフェニキアの森にいるだろう二人の内、アカリなる者の意識の中だった。
◆◇―――――――――◇◆
―――アカリの意識の中。
『(…アカリ様…どうやらこの者達は探している者共とは無関係のようです。…いえ、関係はあるようですが敵対関係らしいです…)』
『(そうなのですか。承知しました。ですがまだあの方は深い眠りの中…まだそのもの達を近付けさせないでください…)』
『(わかっています)』
◆◇―――――――――◇◆
「セリエさん!セリエさん!!」
「……、はい…」
「あ…!」
セリエは意識が体に戻ったことにより目を覚ました。
すると真紅はかなり心配しただろう思わずセリエの体を抱き締めた…
「…どうした?」
「どうしたじゃありません! いきなり倒れちゃって息もしていないからとても心配したんですよ!?」
「…平気…一時的にカットしただけ…」
「カット…?…とは、もしや意識だけどこかに飛ばしていたということですか…?」
「(…するどい…)…いえ、一時的にこうして意識を停止させているだけ…」
「それなら事前に言っておいてください。心配しますから…」
「…わかった…」
「ほんとうよ…?」
…その頃、まだフェニキアへ向かっている一同はすごいものと遭遇していた。
一同は空から地上を見下ろし、同じ方向へと進むニ体の巨大な怪物を見て驚いていた。
「な、なんだありゃ…!?」
「尻尾が蛇の三つ首の狼…ケルベロス?」
「そして九つの首を持つ青いドラゴン…まるで日本神話に登場するヤマタノオロチのようだな…」
「だがやけに大きくはないか…?」
「それにどことなく機械的に見えます」
「その通りよ…!」
「ガリウスさん…? なにかご存じなのですか?」
「えぇ…ランカにアイラ、この二人に会ったからもしかしたらと思いましたが…」
「そのまさかだよ! ガイウス・カシウス!!」
「!?あなたは『メルヴァ・レイ』!!」
一同が振り向いた先には漆黒の翼にはばたかせていかにも残忍そうな女性、メルヴァという女性が飛んでいた。
「ご名答~! よくわたしを覚えてたね!」
「ではやはりあの機獣は『B‐ハイドラス』に『B‐ケルブレイカー』…!!」
「その通りよぉー!さぁ“やつ”をぶち殺すまえにそいつらを血祭りにあげてやるわよ! 死ねぇーーーッ!!」
そういってメルヴァは二本の双剣、『ブラッティ・クロスブレイカー』を引き抜き襲い掛かってきた!
「いけないわ! 翔くん!」
「おうよ! 燕! 急速降下して俺たちを降ろしてくれ!」
「了解です! マスター!! いくっすよ!」
「逃がさないよ! はっ!」
メルヴァは剣から炎を発生させ何度も放ってきた。
「マスターとみなさん! しっかりと捕まっててっすよ!」
燕は軽やかに旋回、加速、減速を使い分けなんとか避けていた。
「ガリウスさん! あの者は一体何者ですか!」
「そうだぜ! いきなり襲い掛かってきやがって何様のつもりだ!?」
「翼があるということ精霊さんですか!?」
久刻、翔、瑪瑙の順にそう聞く。
「いえ、やつは遥か昔から私たちと何度も敵対してきた魔界の悪魔…“闇翼のフェニックス”の異名を持つ正真正銘のフェニックスの化身よ!」
「フェニックスですか!? ですが漆黒の翼ですよ!!」
「…聞いたことがありますわ。フェニックスは光と闇の対の存在があると…!」
「その通り、メルヴァは異名どおり闇のフェニックスよ!」
「ごちゃごちゃとうるっせぇんだよ! こうなったら…!」
ギンッ!
メルヴァは双剣をしまうと漆黒の翼と両手を大きく広げ胸の中心辺りに闇のエネルギーをためていった。
「!! いけないわ! 燕さん早く…!」
「はああぁぁぁ………!!」
ズアァッ!
「くっ…間に合わない! しかたがありません! はっ!」
「「「「「「ガリウスさん!」」」」」」
突如ガリウスは空中で燕から飛び降りて空中を浮遊しロンギヌスを構えた。
「あなたたちは早く地上におりなさい! ここはわたしが押さえるわ!」
「さぁ…輪廻を断ち切ってあげるわ! 熱覇…冥翔拳!!!」
メルヴァは両手でそのエネルギーを掴むとガリウスに向かって放った。
「はぁあっ!!対炎魔力防御術!!」
キッ!
するとガリウスの前にでかい魔法陣が浮かび上がった。
「アブソリュート・アクアシールド!!」
ズドンッ!
術が構成された次の瞬間、熱覇冥翔拳が直撃し幾重にも重なる緩和障壁が次々と砕かれながらガリウスはどんどん地面へと落とされていった。
ガガガガガガガガッ!
「くうぅぅうっ!!」
そして地面まで叩き落とされなお威力は増すばかりでどんどん地面を破壊しながら沈んでいった。
「ガリウスさん!」
一同は地上に降りてガリウスの場所へと走りだしたが、
「…だ、めよ…!…あなたたち、では…太刀打ちできる相手では…ないわ…!」
「ですが!」
秦が叫ぶがそこに、
「…そうだ。ここは僕達に任せてもらおう…」
「…ニュルンベルグ、いきますわよ!」
『Yes, master(はい、マスター)』
すこにはランカとアイラがいつの間にか立っていた。
「…ん?」
「ランカ!? アイラ!? どうして…!」
「それより今は…!」
「鋼糸よ!」
ランカが見えない鋼の糸で熱覇冥翔拳を幾重にも取り囲んで、
「鋼気斬!!」
ズガンッ!
熱覇冥翔拳の塊を見事粉々に切り裂いた。
「ご無事ですか…?」
「えぇ、なんとか平気よ…」
「…なんとか間に合ったようだ…」
「…ほう。わたしの熱覇冥翔拳を消したか…ぞれにしてもずいぶんと懐かしいメンツだねぇ…?」
「あなたの目的はやはり…!」
「そうだよ…! この世にはフェニックスは一人だけで十分だ! だからやつを消す…!!」
「…させないよ…」
「そうですわ!」
「皆さんは下がっていてください!先程も申しましたがあなた達では太刀打ちできる相手ではありません!」
「ッ…!」
それで十二支のみんなは悔しそうに、でも見ているだけになった。
「さぁ…殺しあおうじゃないか!」
そしてガリウス、ランカ、アイラとメルヴァ・レイとの死闘が始まった!
―――フォースピア・フェニキアの森。
「(…は! この気…!)」
セリエはメルヴァの底知れない魔力を感じ取り震えだしたという…
――to be continued.
闇のフェニックスの化身 対 ガリウス達となりました。




